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ミャンマー・リベンジ

前日のアクミナートゥスネブトに続き、増種記事第2回

今回はアクミナートゥス増種からわずか約1週間後、9月18日の話です。

外国産クワガタ・カブトムシ輸入解禁前後の頃。当時を覚えている人ならあのクワガタの人気に狂い、沸きに沸いていた事を覚えているかと思います。




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そうです! 今回の増種はミナミオオクワガタ
・・・もとい、アンタエウスオオクワガタです。


当時は兎にも角にもアンタエウス。アンテに次ぐアンテの連続で、雑誌にはアンタエウス関連記事が1冊に2つ3つは必ず載っていて、ショップの広告は「純度100%」でアンテばっかりだったと言っても過言ではない時代でした。色とりどりの種類にスポットライトが当たる今の時代のクワガタ好きからしたら「ツマンネェ~」と思われること受け合いです、胸やけしますよ。
(あとついでに、その時代から見れば当時オマケ同然の扱いを受けていたネパールコクワが今になってこんなに厚遇されているなんて、とても信じられないだろうな)

この昆虫フィールド15号もそんな時代が色濃く残っている貴重な資料なのですが、
これを見てピンときた人は、何故この号を選んだのか もう分かりましたね?


KIMG6673.JPG
アンタエウスオオ(?亜種) ミャンマー カチン州 チュドラジ


大型♂の大腮の独特の形状から、世にお披露目された直後に「ヒマラヤ系ともインドシナ系とも違う!まるでグランディス(タイワン)みたいだ!」などと、他とは一線を画す産地ブランドとして有名になったのがこのカチン産です。当時は入荷量が僅かだった点も合わさって、「幻のアンテ」などと持て囃されたりもしました。
(現在、ヒマラヤ系は原名亜種、インドシナ系はミヤシタ亜種になっていますが、その中間地点の本産地は扱いが微妙で明言し辛かったので『?亜種』表記にしておきました。一応むし社の大図鑑やBE-KUWAではミヤシタ扱いではあるんだけど。)


さて、このタイミングでアンタエウスに手を出したのは、ここ数年の自分の増種パターンの例に漏れず「昔飼育したけどイマイチ満足できる結果が残せず終わった種類」の一つだからです。
小学6年生頃に一度だけ飼育した事があるのですが、飼育品の成虫ペアを買ったものの産卵セットが合わず幼虫が2頭しか採れませんでした。その上、その貴重な幼虫をわざわざカチカチの太材に突っ込んで材飼育に挑んでしまったのです。それから数ヶ月後、一向に材に変化が無く割ってみたところ、幼虫はドリルの投入口からほとんど穿孔する事無く死滅していたのは言うまでもありません。

そんな痛い経験を味わって以降、本種への苦手意識が生まれ、おまけにしょっちゅう(インターネット上などで)生体写真が目に入るので、それだけで満足したつもりになっていました。

しかし、永い年月を経るうちにだんだんとそれが空腹感に置き換わってきて、漠然と「またアンテ飼育してみたいかもな~」と思うようになりました。多分、ずっと色虫とかの軽量種ばっかり飼育していたので、短足でどっしりした重量感のあるクワガタに飢えてきてたんでしょうね。それにせっかくなら、今度は野外品から始めたい。
ただ、この時代になると野外品であっても比較的安価に出回るようになり、産地を選ばなければわりと年中手に入る虫に成り下がりました。こうなるとむしろ手を伸ばすのを躊躇いがちで、「焦って今手に入れる必要は無いから、他の虫を見てみよう」と云う心理になって結局遠ざかるんです・・・全く以ってわがままですね。

今回、飼育再挑戦へ踏ん切りがついたのは、おそらくその時点に至るまでの「増種に対する金銭感覚の変化」や「雑誌のドルクス(アンテ)特集の積み重ね」、「ネット・SNS上で得る情報(自慢写真)」により心境が変わったのが原因でしょう。

そして、気に入った産地から入荷があるかどうかが今回特に大事な問題でした。
ちょっと前までは、大型産地としてメジャーなヒマラヤ系に目が行きがち(ミーハーなので中国~タイあたりのインドシナ系やマレーには食指が動きません)だったのですが、なにぶんドルクス音痴な手前、「大腮のシルエット・・・なんかちょっと国産オオクワと似通ってて面白くないかも」と感じるようになったタイミングで、特殊な歯型(と言われている)のカチン産野外品がわりかし安価に出回りだした事が後押しになって、今回に至るわけです。
それに加えて決定的な理由だったが、昔飼ってた例の「初アンテ」がミャンマー産だったからなんですね。当時のそれは「ミャンマー産」から下の詳しい産地は分かりませんでしたが、リベンジには打ってつけと云う事でやる気も沸々と湧いてきました。


・・・と、ここまでつらつらと思いの丈を綴ってはみましたが、
ちょっと画的には締まらないですね。

出来る事なら♂も撮りたいところですが、今回買ったのは

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勝負の♀単品!
♂付きだと値段が張るので(←これは勝負と言わずただのビビリ)

♀だけとは言え久しぶりのアンテなので、それでも見入ってしまうものがあります。
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ホペイやクルビデンス系とは違う、やや細身で胴長、テカテカしていない鈍めの光沢。個人的に、クワガタの体型の好みとしては頭部がややコンパクト(寸詰まり)で下半身の比重が大きいもの(シカクワガタやオウゴンオニクワガタみたいなグループ)が好きなので、アンタエウスはまさに好みの体型。なんとなくユミアシゴミムシダマシにも似ている・・・
KIMG6680.JPG
横から見ても、なかなか厚みがあってこれもまたいいですね。

重量感、脚や大腮の摩耗の少なさから、いかにも卵を持ってそうで寿命も充分あるものと思われます。
残りの不安は、やはり交尾済みかどうか。入荷時期が7月ではあるんですが、販売元の説明曰く♂はごく少数との事。多分現地では灯火採集とかで集めてるっぽい感じですが、シーズン初め頃だと未交尾も結構混ざってそうで怖いんですよね。現地のシーズンインってよく知らないのですが、雨季が始まる5月頃とかでしょうか・・・?


何にせよ、9月も後半なので問答無用で産卵セットへ入ってもらいます。
KIMG6692.JPG
【セット日】2023年9月18日
【容器】コバエシャッター 中
【マット】ファームズ 微粒子添加発酵マット
【産卵木】天然材
【温度】23℃(冷やし虫家)


新しく入荷した在庫 1種類
ブログに載せた在庫 94種類
全ての在庫 ??種類






・・・そして、3ヶ月が過ぎたその後の様子ですが、
↓↓こんな感じになっています。


上から見るとこんな感じ。
KIMG7194.JPG
使い古されたような穴がマットに穿たれ、

KIMG7196.JPGゼリーは口が付けられた形跡もないまま、腐敗が進んでいます。

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ケース側面にははっきりとした空洞が通り、それは暫らく前からそのまま変化していません。

どうやら、越冬態勢に入った模様です・・・
現地の季節感だと10月頃から雨が減って冬期に入るようなので、セットしたタイミングはまさに活動時期の終了間際だったと云う事になります。これ、温室内から寒い場所に移した方がいいのか?


KIMG7202.JPG
ケースの底に1個だけ卵が見えてるんだけど、これ・・・孵化すんの・・・??

来年が怖いな・・・
未交尾で結局、来期また♂(と言うかペア)買う羽目になる予感がするんですが。

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