2016年度羽化報告 トカラノコギリクワガタ [〆鹿児島県産 トカラノコギリクワガタ]
青森では毎日不安定な天候に見舞われ、雪も一瞬積もりました。
完全に冬季へ突入する前に珍ラベルのツヤハダを採りに行こうとしているんですが、休みの日と雨の日がいつも重なってしまい今のところ面白い報告ができずに悶々としています。
さて、今日の内容は
去年知人から頂いた貴重なトカラノコギリから生まれた新成虫の羽化報告です。
羽化個体も大体出揃ったので年内に書いておこうという事で今回の記事になったわけですが、飼育中の10頭の幼虫の内、♂3頭がまだで他7頭の内2頭は♀。
今回は5頭の♂の報告です。
残りの3個体の♂はまた来年という事にしておきます。
改めて我が家のトカラノコの紹介ですが、
十島村にいくつかある産地の中で、これは中之島・御岳産。
十島村の条例で昆虫採集が禁じられるようになったのは2004年。
その時自分は中学1年生という事を計算すると、
それから10年以上も経た現在でも飼育する事が出来るという事にどこか心にジワっとくるものがあります。
小さい順に載せていきます。
♂-12015年10月27日 割り出し 3令初期 グローバルLBマットへ
2016年2月9日 3令後期 4.6g 1400ccPPボトル発酵マットへ
9月中旬 掘り出し 39mm
思いっきりエサが合わなかったパターン。
割り出した時には♀かと思い、今年の2月の入れ替えの時も♀だと思ってましたから・・・
1400㏄ボトルからコイツがポロッと出てきたときはそりゃ面食らいました、
現地ではこのくらいの歯型がお馴染みなんでしょうかね・・・
そう考えるとまあ、一度くらい見ておいてもイイもんでしょうよ(苦笑)
♂-22015年10月27日 割り出し 2令 発酵マットへ
2016年3月8日 蛹化
4月9日 成虫確認 39mm
はじめのヤツと同サイズ(哀)
詳細な経緯は分からなくなりましたが、確かこれはプリンカップに投入してそのまま交換するタイミングを逃して諦めてカップ羽化させた奴だったような気がします。でもやっぱり小さすぎます。
思いっきりエサが合わなかったパターンPart2。
サイズが1頭目のと変わらないのには何も面白くありませんが、
色が違ったのにはちょっと目新しさがありました。
今回の♂羽化個体群で唯一の黒化型。
色目のキレイな中之島産トカラノコで、黒化型は累代にはいらないんだけどさ・・・
続いてここからが、育てて嬉しい大歯型!!
♂-32015年10月27日 割り出し 3令初期 7.0g 発酵マットへ
2016年2月9日 3令後期 12.2g 発酵マットへ
3月8日 蛹確認
4月17日 成虫確認 66mm
大歯になった個体としては、これが最初に羽化してきた個体です。
蛹化~羽化時期も前の2個体と同時期だという事を考えても、それら2頭がいかにエサに適合していなかったかが分かります。(←実は要因は分かっているんですけどモ)
そしてこの個体が、今回の羽化個体の中で一番のプロポーションと明色を持っていました。 こんな大腮がスラリと伸びてて、こんな国産ノコ体型で外国産のような弩派手さを持ったクワガタが居るというのには改めてショックを受けます。
これを他のメンバーにも見せたところ、とうに飼育から撤退したNo.6でさえも
「これは確かにちょっとイイな・・・」と漏らすほどでした。
試しに青森県津軽産のノコギリクワガタ63mmと2ショットを撮ってみましたが、この青森県産の敗北感がお分かり頂けるだろうか? いやまぁ完全に好みによるんですけども。
別種ではありますが、
青森産の『黒い・小さい・太短い』、中之島産の『赤い・大きい・細長い』、
対照的なビジュアルを見比べるとなぜだかハンカチを噛みたくなったりならなかったり。
♂-42015年10月27日 割り出し 3令中期 発酵マットへ
2016年2月9日 3令後期 14.3g 1400ccクリアボトル発酵マットへ
3月16日 蛹化
4月中旬 羽化 70mm
割り出し時期の問題などもあって、7cmのボーダーを超えることは出来るか不安でしたが、
ここに南西諸島のノコの『違い』を見たような気がします。
本土のノコがなかなか大きくなってくれないのと比べると、なんとも簡単に70mmに到達してしまったように感じます。
こちらの地域のノコと比べると華奢な体形をしているので、見た感じの重圧感は青森産の65~66mmクラスとどっこいどっこいです。
体型における頭部の比率は、66mmの個体よりは少なめなのでやや下膨れな印象ですが、
きれいに羽化してくれたのでそれで充分です。(親心なのか守りの姿勢なのか・・・)
ただ、色味に関しては個人的にいまひとつと思わざるを得ません。
欲を言えば、最も色が明るい産地らしくパァ~っと目の覚めるようなオレンジ色が見たかったですね。
このくらいなら流通品でも悪石島産などで見られるし、偶発的にでも口之島・諏訪之瀬島・臥蛇島も含む各ラベルで出現する色彩レベルです。
ちなみに今回ブログ用に写真を撮ってみて感じましたが、
どうもトカラノコの色味と云うのは写真で他の人に伝えるというのが難しいように思います。
インターネットで色々とトカラノコギリの写真を見てみましたが、カメラの質や色彩バランスがバラバラで、実際目で見ている色が表現できているのか自分で撮っていても納得がいきません。
自分が良いカメラを使っていないのは確かなんですが、ニジイロクワガタみたいな構造色やセアカフタマタやカワノシカみたいにクッキリ黄紋が出る種類と違って、トカラノコは光の種類や量の取り入れ具合によって暗く(茶色く)見えたり明るく(黄色く)見えたりする差が激しくなるので写真と実物が全く印象が変わる場合があってブログではちょっと写真が扱いづらいです。
ネットで画像を探していると、明るさが際立ってキレイな血統なのか、羽化直後で色が薄いだけなのか微妙に判断しにくい画像がたま~に見つかります。これを逆手に取って販売価格に付加価値をつける人が現れてもおかしくないのではないかと考えてしまうのは大袈裟でしょうか・・・。
そして、今回の羽化個体の最大がこの個体でした。
♂-52015年10月27日 割り出し 3令初期
8月末 羽化 74mm
余裕の7cm超え、野外最大と同じくらいのサイズで大きさは非常に満足です。
特に、初めての飼育でこんなに大きくできる手軽さが、飼ってて楽しいですね。
(インペリアリスの傷心を癒してくれましたアハハ)
この1頭だけが前半菌床飼育だったことを考えると、改めて菌床の力を思い知ります。
ただ、残念なことに。
完品で羽化してくれませんでした。
下翅が飛び出てしまい羽化不全。
上翅がシワをよせながらも閉じてくれたのは不幸中の幸いでした。
腹部には異常が無いので出来たら大きなこの♂をブリードに使いたいところでしたが、色がだいぶ暗くて色彩的な魅力が無いのが残念です。
これも菌床飼育の影響なのか・・・?
僅かな2頭の♀も一応載せようと思ったのですが、
色も黒っぽくてあまりカメラ越しに映えるものでもなかったので割愛しました。
見た目ほとんどアマミノコでした・・・
66mmと70mmの♂を種親に、次世代ではさらにトカラノコの魅力の広がりが見られるように飼育してみたいと思います。
完全に冬季へ突入する前に珍ラベルのツヤハダを採りに行こうとしているんですが、休みの日と雨の日がいつも重なってしまい今のところ面白い報告ができずに悶々としています。
さて、今日の内容は
去年知人から頂いた貴重なトカラノコギリから生まれた新成虫の羽化報告です。
羽化個体も大体出揃ったので年内に書いておこうという事で今回の記事になったわけですが、飼育中の10頭の幼虫の内、♂3頭がまだで他7頭の内2頭は♀。
今回は5頭の♂の報告です。
残りの3個体の♂はまた来年という事にしておきます。
改めて我が家のトカラノコの紹介ですが、
十島村にいくつかある産地の中で、これは中之島・御岳産。
十島村の条例で昆虫採集が禁じられるようになったのは2004年。
その時自分は中学1年生という事を計算すると、
それから10年以上も経た現在でも飼育する事が出来るという事にどこか心にジワっとくるものがあります。
小さい順に載せていきます。
♂-12015年10月27日 割り出し 3令初期 グローバルLBマットへ
2016年2月9日 3令後期 4.6g 1400ccPPボトル発酵マットへ
9月中旬 掘り出し 39mm
思いっきりエサが合わなかったパターン。
割り出した時には♀かと思い、今年の2月の入れ替えの時も♀だと思ってましたから・・・
1400㏄ボトルからコイツがポロッと出てきたときはそりゃ面食らいました、
現地ではこのくらいの歯型がお馴染みなんでしょうかね・・・
そう考えるとまあ、一度くらい見ておいてもイイもんでしょうよ(苦笑)
♂-22015年10月27日 割り出し 2令 発酵マットへ
2016年3月8日 蛹化
4月9日 成虫確認 39mm
はじめのヤツと同サイズ(哀)
詳細な経緯は分からなくなりましたが、確かこれはプリンカップに投入してそのまま交換するタイミングを逃して諦めてカップ羽化させた奴だったような気がします。でもやっぱり小さすぎます。
思いっきりエサが合わなかったパターンPart2。
サイズが1頭目のと変わらないのには何も面白くありませんが、
色が違ったのにはちょっと目新しさがありました。
今回の♂羽化個体群で唯一の黒化型。
色目のキレイな中之島産トカラノコで、黒化型は累代にはいらないんだけどさ・・・
続いてここからが、育てて嬉しい大歯型!!
♂-32015年10月27日 割り出し 3令初期 7.0g 発酵マットへ
2016年2月9日 3令後期 12.2g 発酵マットへ
3月8日 蛹確認
4月17日 成虫確認 66mm
大歯になった個体としては、これが最初に羽化してきた個体です。
蛹化~羽化時期も前の2個体と同時期だという事を考えても、それら2頭がいかにエサに適合していなかったかが分かります。(←実は要因は分かっているんですけどモ)
そしてこの個体が、今回の羽化個体の中で一番のプロポーションと明色を持っていました。 こんな大腮がスラリと伸びてて、こんな国産ノコ体型で外国産のような弩派手さを持ったクワガタが居るというのには改めてショックを受けます。
これを他のメンバーにも見せたところ、とうに飼育から撤退したNo.6でさえも
「これは確かにちょっとイイな・・・」と漏らすほどでした。
試しに青森県津軽産のノコギリクワガタ63mmと2ショットを撮ってみましたが、この青森県産の敗北感がお分かり頂けるだろうか? いやまぁ完全に好みによるんですけども。
別種ではありますが、
青森産の『黒い・小さい・太短い』、中之島産の『赤い・大きい・細長い』、
対照的なビジュアルを見比べるとなぜだかハンカチを噛みたくなったりならなかったり。
♂-42015年10月27日 割り出し 3令中期 発酵マットへ
2016年2月9日 3令後期 14.3g 1400ccクリアボトル発酵マットへ
3月16日 蛹化
4月中旬 羽化 70mm
割り出し時期の問題などもあって、7cmのボーダーを超えることは出来るか不安でしたが、
ここに南西諸島のノコの『違い』を見たような気がします。
本土のノコがなかなか大きくなってくれないのと比べると、なんとも簡単に70mmに到達してしまったように感じます。
こちらの地域のノコと比べると華奢な体形をしているので、見た感じの重圧感は青森産の65~66mmクラスとどっこいどっこいです。
体型における頭部の比率は、66mmの個体よりは少なめなのでやや下膨れな印象ですが、
きれいに羽化してくれたのでそれで充分です。(親心なのか守りの姿勢なのか・・・)
ただ、色味に関しては個人的にいまひとつと思わざるを得ません。
欲を言えば、最も色が明るい産地らしくパァ~っと目の覚めるようなオレンジ色が見たかったですね。
このくらいなら流通品でも悪石島産などで見られるし、偶発的にでも口之島・諏訪之瀬島・臥蛇島も含む各ラベルで出現する色彩レベルです。
ちなみに今回ブログ用に写真を撮ってみて感じましたが、
どうもトカラノコの色味と云うのは写真で他の人に伝えるというのが難しいように思います。
インターネットで色々とトカラノコギリの写真を見てみましたが、カメラの質や色彩バランスがバラバラで、実際目で見ている色が表現できているのか自分で撮っていても納得がいきません。
自分が良いカメラを使っていないのは確かなんですが、ニジイロクワガタみたいな構造色やセアカフタマタやカワノシカみたいにクッキリ黄紋が出る種類と違って、トカラノコは光の種類や量の取り入れ具合によって暗く(茶色く)見えたり明るく(黄色く)見えたりする差が激しくなるので写真と実物が全く印象が変わる場合があってブログではちょっと写真が扱いづらいです。
ネットで画像を探していると、明るさが際立ってキレイな血統なのか、羽化直後で色が薄いだけなのか微妙に判断しにくい画像がたま~に見つかります。これを逆手に取って販売価格に付加価値をつける人が現れてもおかしくないのではないかと考えてしまうのは大袈裟でしょうか・・・。
そして、今回の羽化個体の最大がこの個体でした。
♂-52015年10月27日 割り出し 3令初期
恵栽園カンタケ菌床800ccボトルへ (確か詰めてから1年モノ)
2016年2月9日 3令後期 15.1g 1700ccガラスビン発酵マットへ8月末 羽化 74mm
余裕の7cm超え、野外最大と同じくらいのサイズで大きさは非常に満足です。
特に、初めての飼育でこんなに大きくできる手軽さが、飼ってて楽しいですね。
(インペリアリスの傷心を癒してくれましたアハハ)
この1頭だけが前半菌床飼育だったことを考えると、改めて菌床の力を思い知ります。
ただ、残念なことに。
完品で羽化してくれませんでした。
下翅が飛び出てしまい羽化不全。
上翅がシワをよせながらも閉じてくれたのは不幸中の幸いでした。
腹部には異常が無いので出来たら大きなこの♂をブリードに使いたいところでしたが、色がだいぶ暗くて色彩的な魅力が無いのが残念です。
これも菌床飼育の影響なのか・・・?
僅かな2頭の♀も一応載せようと思ったのですが、
色も黒っぽくてあまりカメラ越しに映えるものでもなかったので割愛しました。
見た目ほとんどアマミノコでした・・・
66mmと70mmの♂を種親に、次世代ではさらにトカラノコの魅力の広がりが見られるように飼育してみたいと思います。