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暖冬小雪の2020年は・・・ [青森では・・・]

この冬は、全国的に暖かく雪も非常に少なかったですね。
青森については、とにかくありえないくらい積雪が低くて、統計史上の記録をいくつも更新しています。

この異常気象は冬の間中、巷で「これって春になったら田んぼに水引けるの?」「スキー場は営業できるの?」等々、暖冬小雪の影響が特に響く年になるのではと心配されていましたが、
自分も今年の春以降どうなるかなど気になっているので、冬のシーズンを乗り越えたこの時期に、気象に関するデータを簡易的に綴ってみたいと思います。


今シーズン中、体感的に特に例年との違いを感じた雪について、その日の積雪深最大を見てみます。
グラフ中の気象データは気象庁の過去データを引用し、観測場所は青森市内2地点青森酸ヶ湯
冬のメインシーズン3ヶ月分(前年12月1日~当年2月28日、なお29日分は省略)2015年から2020年まで載せました。
また、一部データ抜けがありましたが、その部分は空白期間前後の数字からバランスを取った値を入れている事を予め断っておきます。

青森の最深積雪量.png
酸ヶ湯の最深積雪量.png
たった5年じゃ何も見えてこねぇ(泣)
グラフの中で目立つ部分にフォーカスしてみると、

その1.
2015年は平年より積雪量が多く3ヶ月通してその数値が高い。

その2.
2016年は、青森では前年12月が積雪が非常に少なく、翌1月には逆に平年以上の積雪が見られ、2月は平年値とあまり変わらない。酸ヶ湯の場合は前年12月から平年値を下回る日が継続している。

その3.
2017年は前年12月下旬以降、積雪量が平年値を大きく下回る状態が継続している。

その4.
2018年・2019年は、青森の場合は平年値とあまり大きな開きはないが、平年値をやや上回る日が多い。酸ヶ湯の場合は2019年は平年値を大きく上回る日が多く、継続して平年値より上。

その5.
2020年は、青森は前年12月中旬以降平年値を大きく下回る状態が継続し、1月中旬以降は2017年の値よりもさらに下回る。酸ヶ湯の場合は平年値よりは下回る日が継続しているが、青森ほど極端な傾向ではない。

グラフに表した以外についても2020年だけの事を言えば、酸ヶ湯は平年より積雪が少ないながらもそれなりには積もっている反面、低山帯から平地にかけてはどこも積雪ゼロがかなりの日数みられています(ちなみに、観測地点は酸ヶ湯が標高890mで県内で最も高い)
12月下旬から田子・三戸あたりは例年並みかそれ以上の積雪があったのですが、2月半ばからどんどん数値が減少しているところから、低山帯以下では他の地域も雪が解けていくのが早かったのではないかと思います。



次に、その日の平均気温の推移です。
青森の平均気温.png
酸ヶ湯の平均気温.png
グラフ作るの失敗したな・・・見辛い・・・

その1.
酸ヶ湯は、日によって気温の高低差が激しい。

その2.
2015年は、青森の場合12月から1月にかけて激しく乱高下している。

その3.
2016年、2020年は青森の場合平年値よりも数値が高い日が多く、日によって高低差が激しい。

その4.
2017年、2018年、2019年は青森は期間を通してだと平年とあまり変わらないように見えるが、2019年は日によって高低差が激しい。

平年値を見るに、1月末に向かって段々と気温が下がっていくのですが、
2020年は3ヶ月間通して大して気温の動きが無い感じですね。水道管の凍結もあまり心配していませんでしたしね。


続いて、日照時間も気になったのでこれもグラフを出してみます。
ただし、気温のグラフでしっちゃかめっちゃかになってしまった点を反省し、もうちょっと判り易くする為5日刻みでまとめました(半旬合計)。区切りとしては例として1~5日、6~10日、11~15日・・・と云う風になります。
月末については、26~31日と他より1日多く含まれているので前後より少し数値が上がっており、逆に2月の最後は26~28日の3日分しか合算できない為、ガクッと数値が落ちています。
青森の日照時間.png
酸ヶ湯の日照時間.png
目立つ点としては、

その1.
酸ヶ湯は青森と比べて平年値で3~5時間ほど少なく、期間ごとの数値の上下幅が小さい。

その2.
2015年は、両方で1月上旬まで平年より下回るが、以降は平年より上回る。

その3.
2018年、2020年は青森の場合平年値に対し緩やかに数値が上下している。

その4.
2019年は、青森の場合2月の数値が激しく上下している。

やはり八甲田山は県中央の山岳地帯なだけあって、平地の青森と比べ明確に日照時間が短いですね。どの年も日照時間が限りなくゼロに近い数値が何ヶ所も見られます。



これら3つのデータを合わせてみると、それなりに比例しているように見える部分もありますが、あまりピッタリと関連しているとも言えません。
要素としては、まだ他に降水量、降雪量、風なども絡んでくるのですが、時間も無くもうこれだけ作るのにヘトヘトなので諦めました(情けねぇ・・・)

なので、せめてそこから2020年の採集シーズンに向けて何か見えてくる物はないだろうかと思い、月別の平均気温と月別降水量の合計を7ヶ月分・過去5年のデータを出してみました。
先ほどの青森と酸ヶ湯に加え、積雪を観測していない休屋も並べてみます。
青森気温降水.png
酸ヶ湯気温降水.png
休屋気温降水.png
青森が標高3m、休屋が標高414mなので、酸ヶ湯が青森より平均5℃低く、休屋がその中間と云うのはとても判り易く安定しています。
次にその年ごとの特徴ですが、

2015年
気温は4~7月までは平年よりやや高めで、8~10月にかけては低い。
降水量は平年並みもしくはやや少ない。

2016年
気温は平年値よりやや高い。
8月に突出して多い降水量は、台風10号(岩手沿岸から上陸し北東北を北西に進むと云う珍しい進路だった)によるもの。

2017年
5月の降水量が少なく、7月の梅雨の時期は平年より気温・降水量共に高め。
また、気温の高さは7月がピークで8月は平年より低い。

2018年
気温の高さはピーク月の違い以外は例年並み。
降水量は総じて平年よりも多い。

2019年
気温は平年と同じく8月が高さのピークを迎え、平年と比べて全般的に高い。
降水量は全体的に平年より少なく、10月の台風接近の際だけ多くなっている。

降水量に関しては、台風1つでガラッと数値に影響するので、台風の影響が元々少ない青森であれば台風接近(上陸)日のデータを重ねてマイナスすればデータの精度が高められるとは思います。(←終)



気象データはこれくらいにして(←はい、逃げました)
この近い将来の気候を占う「ちょっとした指標」として、青森の桜開花日(この5年間と現在発表されている今年の予想)を並べてみるとこんな感じ。

青森開花日満開日
平年値4月24日4月29日
2015年4月14日4月19日
2016年4月17日4月21日
2017年4月17日4月21日
2018年4月19日4月22日
2019年4月18日4月22日
2020年4月13日(予想)4月19日(予想)
こうして見て、意外に思ったのが
近年はいずれも平年値よりずっと早い開花で、2015年については2020年予想とたった1日違い(満開日においては同日
「今年は平年よりも〇〇日早く云々・・・」などとニュースでやっているのであたかも今年はずば抜けて早いのかと思いきやそうでもなかったワケです。

結局、気象データを引き合いに出すのにたった5年程度のデータでは何も判らないので、本当ならばさらに遡る必要があったのです。
ここまで読んでいて、もうこの記事を書き続ける体力が無い事は誰の目にも明らかですね(笑)
引用データの掲載はもうしません(疲)


仙台管区気象台のまとめによれば、1900年代以前から現在までの推移を見ると青森も含め東北地方全体的に、長期的に見れば年平均気温は上昇しているとの事。
青森県の傾向としては、いずれも長期的な見方ではありますが

1.年平均気温は、日本海側よりも太平洋側の方が上昇率が高い。

2.年間降水量は変化はほとんど見られない。

3.降水が無い日が4.7日/100年の率で増加しており、太平洋側でその傾向が強い。

4.1時間30mm以上の降水を数える回数が1.8回/10年の率で増加している。

これらをざっくりまとめると、
青森は昔と比べて暖かくなっていて、雨の降らない日は多くなっている反面、一度に降る量がどっと多くなっている。と云うところです。
温暖化が叫ばれるようになって久しいですが、そういう風に言われたらそりゃ桜もだんだん咲くの早くなるのも頷けますよね。30年間の平均からこれほど早まってるのなら、あと20~30年経ったら青森も入学式・入社式シーズンに間に合ってしまうのかな?
(個人的にはそんな遥か先の事より、新型コロナウィルスによる花見・宴会の自粛が通達された事の方が重要ですけどね。どっちの意味で重要かは想像にお任せします・・・キャッホォォォォィ♪♪

で、
今年はこれからどうなるかと云うのは今年2月下旬の時点で気象庁は全国的に猛暑になると予測しているようです。
アジア方面から流れてくる季節風が活発になる事がその要因らしく、そうなると日本での梅雨明けが早まり夏が早くやって来て、猛暑に・・・と云う流れなんですね。

ただし、北日本はそう簡単に見通しが立つものではありません。
長年この地域に住んでる人達なら感覚的に思っている事があり、それは
「冬暖かければ、揺り戻しでその年は冷夏になる」
と云うもの。
冬と夏のメリハリがなく、年間通して気候がぼんやりすると云うのが自分達のような一般人の論調なのです。
それとはおそらく関係無いのでしょうが、前述の気象庁の見通しも青森あたりに関して言えば何とも言えないのだとか。
アジアからの季節風が強まる予測は現時点でも比較的当たりやすいのに対して、
梅雨前線が北に押し上げられる際に邪魔なオホーツク海高気圧、これがどうなるかは偏西風の読みが不可欠なのですがその予測が難しいのです。
偏西風の予測は1ヶ月程度先までが限界で、いくらアジアからの季節風が強くなる見通しが立っていても北日本の夏が早まるかは結局のところ「?」なワケです。
東北南部辺りまではあっさりと前線が北上していくのに、そこから長期間岩手・秋田と青森の間で行ったり来たりするのは毎年のように感じますからね・・・。隣県以南の山で夜23℃の中ライトトラップしている時、青森では17℃で頑張ってますからね。こういう年ってシーズン中凄く良い日がごく僅かにあってそれ以外はホントに苦しいって云うパターンになりがちな気がするんですよね。


人が決められるワケではないんですが、
冬ちょっと暖かい代わりに夏に冷え込んでもいいのか、
きちんと冬は寒くなってその分夏は暑くなってくれた方がいいのか選べって言われたら、
そりゃ冬に雪が少ないのが一番イイに決まってるでしょ。


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