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見かけたムシたち2015 [青森の昆虫事情]

去年も例年に違わずほとんどクワガタばかり採集に行っていたので
相変わらずの「効率が悪い採集」に終始していました。

これは、採集の一部をブログ記事として書いているのを見る限りだいぶバレバレだと思うんですが、せめてクワガタ以外の虫も採ったりして脇道にそれながらも採集中の時間を有効に使っていたかと言えば全くそんなことは無く。
クワガタ以外でこの年持ち帰った昆虫キカマキリモドキ1頭だけですからね。
甲虫ですらない・・・。 ・・・フニャフニャしてた・・・。


採集して持ち帰ったのはこれだけでしたが、一応写真だけは撮ったと云うものはあります。
今回はそんなムシたちを、「どうせSDカードに保存してても今後使うこたァねぇだろ」と云う事で載せておきます。
(それでも撮った虫は僅かですが。どんだけ他の虫に無関心なんだよと。)



撮った日付順に載せていきます、  まずは・・・

モモグロハナカミキリ.JPG
モモグロハナカミキリ 青森市 内真部 (2015年6月14日 AM8:43)

会社の上司より以前から「一緒に行ぐべし!」と誘われており、
まぁ一回くらいは・・・と思いこの日青森市郊外へ2人で行きました。

とは言っても、彼が虫に興味があったわけではなく、
この日の意図としては山菜を採りに行きたかったと云う事が本筋で、到着早々車から降りて先に進む事もほとんど無く、ずっとフキを刈っていました。クワガタを探す分にはこの場所は不向きで、スギ林帯な上に林道も水浸し。クワガタ採集として意気込んできた自分としては正直なところ退屈して暇を持て余していました。一応、彼がせっせとフキを刈りこんでいる間に別行動で林道の奥に進んで行ってみたのですが道が崩壊してその先は自然回帰、道だった所はただの草むらになっています。
仕方がないのでフキの刈り採りが終わるまでの間、周辺をぶらぶらしながらクワガタ以外の虫をテキトーに観察している事にしたのです。

その時まず見つけたのがこのカミキリ。色自体は地味ですが、とりあえずハナカミキリの何かだろうと思ったのでケータイを向けました。
なぜか分からないけど無駄にピントが合ってるのがちょっとムカツく(笑)
撮ってその後調べたのですがずっと種類が分からず、この記事を書く数日前にようやく分かったばかりです。写真のような全体的に明るい色のものや茶黒い個体まで変化があるようです。幼虫の食樹も分からず発見される場所も花上ではなく専ら葉の上だと云う事だそうですが別にどうでもいいです。


で、林道脇には川も流れているんですが、マグソクワガタの発生木でもないかなァと川原に下りて見つかったのが

CA3I0630.JPG
ゴミムシ類 不明種 青森市 内真部 (2015年6月14日 AM8:59)

15mm程度だったかなァ・・・? 何となくパーツの大きさの比率からゴモクムシ亜科に居そうに見えるんですけど別にどうでもよかったので画像以外の記憶がない曖昧です。

(2015年1月9日追記:カワチマルクビゴミムシ

川原に下りて観察している途中、また別の山菜採り(川原に下りてきたのでミズ採りでした)に声をかけられます。「昆虫採集なんですよ~」と云うと、まず「へぇ大学かどこかの研究とか調査ですか!」と云うパターンの返事がくるのがお約束。
大人が虫を採るのに、必ずしもそんな大義名分は必要ではないんだ!! と云う主張をグッとこらえ(たと言うほど何も考えていないけど)

「いえいえ、趣味ですよ。」

と答え・・・

モリヒラタゴミムシ属 Colpodes sp..JPG
ゴミムシ類 不明種 青森市 内真部 (2015年6月14日 AM9:02)

続いて見つかったのはまた別のゴミムシ。モリヒラタゴミムシ属の何かに似てそうだナと勝手に思いましたが、結局のところ別にどうでもよかったので採らずに帰しました。これがもし仮に例えばまさか万が一にでも珍品中の珍品だったとしても、俺は後悔しない(・・・と思う・・・ビクビク)





キイロモモブトハバチ.JPG
キイロモモブトハバチ 十和田市 奥瀬 惣辺 (2015年8月6日 PM10:54)

この日は十和田市でライトトラップ。(因みに青森市内ではねぶた祭り真っ最中)
No.2と2人でクワガタを待っていますが、例のごとく複数で採集してると引きが悪い・・・(泣)
夜も深まってきて撤収ムードが漂う頃、道路にポツーンとスズメバチが不時着しているのをNo.2が遠目に発見します。 こんな時は・・・、やっぱ見に行っちゃうよね。

ちょっとビクつきながら接近して観察してみると、何か変。
2人で顔を見合わせ、「あれ、違くね!?」と拍子抜けしましたが逆に気になって持ち帰ることに。毒があるのか?? そもそも刺すのか?? 咬まれたら痛いのか?? など考えながら慎重に捕獲し帰って酢エチで〆ました。
「記事の冒頭でカマキリモドキしか採ってきてないよとか書いておきながら実際にはコイツも採ってんじゃん」とか思いましたが、これは後日同定してくれた人に譲りました。





ヘイケボタル.JPG
ヘイケボタル 平川市 碇ヶ関 (2015年8月19日 PM11:50)

夜中にヒメオオ新規開拓に来て返り打ちを食らった日でした。
外灯近くのサクラの木の根元に止まっていたのですが、発生終了の時期に見つかったと云う事もあってちょっと感動していました。
この2015年という年は例年に比べ計らずもホタルをよく見る年だったと思います。ゲンジヘイケヒメ、別に1年で3種見たのはこの年が初めてではないのですが、それぞれ別の場所で数度に分けて見られたので妙に印象深かった記憶があります。おまけに、オオオバボタルもみられましたね。特に今年感動したのはヒメボタルの空間。真っ暗な中でパッパッパッ・・・とたくさんの淡く小さな光が点滅する光景は、ショッキングで目を刺すようなLEDイルミネーションのそれとはまるで違いますね。ちょっと前にTVの『マツコ&有吉の怒り新党』でやってた新・3大蛍スポットの1位にヒメボタルのスポットを据えていましたが、こちらもそれに匹敵する光景でただただ感動していました。その後奥の方へ進んでいってHIDライトを煌々とブッ放してましたが。

暗闇で光るホタルを追いかけて本体を目視できた時の気持ちって、
マジックのタネを見破った時の爽快感にちょっと似ている。





ルリボシヤンマ♂.JPG
ルリボシヤンマ 東北町 (2015年9月上旬 AM8:36)

記事に以前書いた東北町のヒメオオを採集する手前での事。
林道で行き止まって齧り痕だけ見て道を戻る途中、挑発するかのように飛んでいたのでムキになってスィーピングしました。網から摘まみだしてみてとりあえずオニヤンマじゃない事が分かったので写真を撮りました。たしかこれって♀が採り辛いんだったっけ?(写真は♂)





(ミヤマ)ツチハンミョウ.JPG
ツチハンミョウ科 不明種 大鰐町 居土 折紙 (2015年9月21日 AM10:44)

大鰐町でヒメオオ新規開拓」という名の苦行を行った日の前半戦、思いっきりスギの植林地帯だった林道を歩いて進んでいる途中に見つけました。
最初は「変なアリ・・・???」と思いつつも、割かし目立つ虫だったので立ち止まってみて見てビックリ!!! 「これがあの有名なツチハンミョウか!!!!!!」 人生で初めてツチハンミョウを見ました。
意外と小さいんだなぁ~とかまじまじと見ていましたが、とりあえず写真を撮っただけで採集はしませんでした。今になって思えば惜しい事したなァとちょっと後悔しています。
さて種類の同定なんですが、調べても分かりませんでした(恥) 図書館まで行って図鑑を漁ったりとかはしてないんですが、体型や艶、体色を見る分にはオオツチマルクビあたりには見えない・・・のかなぁ・・・?(真っ黒くもないし青緑っぽくもない) ネットで検索して見ても♂画像が見つからない種類もいるし、同定するのに肝心な触角の形状も「ヒメではない」くらいしか判らなかったです(第3節が明らかに第2節より長い)。体長は9~10mmくらいでした。ミヤマかな・・・
(因みにだけど文字色が見辛いね・・・)






という事で、載せた虫の半分が「種類判らなかった」ワケですが、
もし「判るよ」という方がいましたら書き捨てでもいいのでコメント頂けると助かります。

さて、今年はどんな虫が見つかるか楽しみです。
(という希望に溢れたセリフを、大量の未展足標本を尻目にして言うんだよ・・・)



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2015年 青森県の地理 (昆虫採集用私的まとめ) [青森の昆虫事情]

今回は青森ネタです。
最近、市町村別のラベル収集に使えるのではないかと
ブログ用に『青森県白地図』を作ってみたら結構面白くなっちゃったので、
単に採集済み市町村を塗りつぶす以外にもいくつか画像資料を作って
今回それらを使い記事を書いてみました。

内容自体は・・・本題のスケールが大きくて自分では扱い切れず中途半端な内容になってしまいましたが・・・・・・(恥)
ブログ以外で使える内容じゃないし(ブログでも持て余してるケド)
とりあえず書ける分だけ書いてみました。

青森県の40市町村 (2015年11月時点)
まずはじめに、ワザワザ書くか!? とツッコミを自分で入れたくなる県内の40市町村の名称と地理的位置の紹介です。

仮に何も知らない状態でいきなり40個名前覚えろ!!と言われると自分でもキツイですが、青森県のこの変わった形状の土地は全国的にも少ない方で、土地土地にそれぞれ違った景色や環境を持つ本県で虫の話をする今回、是非とも全ての地域を把握してもらいたいと云うのが個人的な希望です(ただ自分が地図大好きだからと云うのが本音だったりする)
2000年代に入り、俗に言う「平成の大合併」が行われるまでは県内には67の自治体があり、40市町村に減数した今でも若い世代以上の人(20代以上)は県内の地域を挙げる場合、合併前の名称をよく使います(これは他道府県でも同じく言えるのではないでしょうか)
合併した自治体の中にはかなりの面積を吸収・併合したところもあるので、
単に「〇〇市(合併後)の・・・」と言っても漠然としてしまう場合もあり、地理嫌いの人にとっては40市町村だけでも天文学的数字に見えると思いますが( な、No.2(笑) )、昆虫採集・標本の話題において旧市町村名を把握しておくのは青年層以下の若い人たちにとっても無駄ではないでしょう。

そんなワケで早速作ってみた県市町村図がこれ↓↓
市部・郡部で色を塗り分けるとこうなります。
たのすぃ。

青森県 市町村色分け.png
青森県は県央の八甲田山地を境に、
西を津軽、東を南部と、大きく2つに分けられます。

地図上では表記の問題で市町村名が小さく読み辛いので
改めて下記に40市町村を旧市町村も含めリストアップしてみました。
(一部文字色で読み辛いですが、とりあえず画面を傾けてください(苦笑) )

青森市 (あおもりし) 2005年4月[旧 青森市][浪岡町]が合併
東津軽郡
 今別町 (いまべつまち)
 外ヶ浜町 (そとがはままち) 2005年3月[蟹田町][平舘村][三厩村]が合併
 平内町 (ひらないまち)
 蓬田村 (よもぎたむら)

五所川原市 (ごしょがわらし) 2005年3月[旧 五所川原市][金木町][市浦村]が合併
つがる市 (つがるし) 2005年2月[木造町][稲垣村][柏村][車力村][森田村]が合併
北津軽郡
 板柳町 (いたやなぎまち)
 鶴田町 (つるたまち)
 中泊町 (なかどまりまち) 2005年3月[小泊村][中里町]が合併

黒石市 (くろいしし)
平川市 (ひらかわし) 2006年1月[尾上町][平賀町][碇ヶ関村]が合併
南津軽郡
 大鰐町 (おおわにまち)
 藤崎町 (ふじさきまち) 2005年3月[旧 藤崎町][常盤村]が合併
 田舎館村 (いなかだてむら)

弘前市 (ひろさきし) 2006年2月[旧 弘前市][岩木町][相馬村]が合併
中津軽郡
 西目屋村 (にしめやむら)

西津軽郡
 鰺ヶ沢町 (あじがさわまち)
 深浦町 (ふかうらまち) 2005年3月[旧 深浦町][岩崎村]が合併

十和田市 (とわだし) 2005年1月[旧 十和田市][十和田湖町]が合併
三沢市 (みさわし)
上北郡
 おいらせ町 (おいらせちょう) 2006年3月[下田町][百石町]が合併
 七戸町 (しちのへまち) 2005年3月[旧 七戸町][天間林村]が合併
 東北町 (とうほくまち) 2005年3月[旧 東北町][上北町]が合併
 野辺地町 (のへじまち)
 横浜町 (よこはままち)
 六戸町 (ろくのへまち)
 六ヶ所村 (ろっかしょむら)

むつ市 (むつし) 2005年3月[旧 むつ市][大畑町][川内町][脇野沢村]が合併
下北郡
 大間町 (おおままち)
 風間浦村 (かざまうらむら)
 佐井村 (さいむら)
 東通村 (ひがしどおりむら)

八戸市 (はちのへし) 2005年3月[旧 八戸市][南郷村]が合併
三戸郡
 五戸町 (ごのへまち) 2004年7月[旧 五戸町][倉石村]が合併
 三戸町 (さんのへまち)
 田子町 (たっこまち)
 南部町 (なんぶちょう) 2006年1月[旧 南部町][名川町][福地村]が合併
 階上町 (はしかみちょう)
 新郷村 (しんごうむら)

できれば旧市町村の境界線も引けたら良かったんですが、
流石に今の技術・知識ではやれませんでした(汗)

次に県内の主な湖沼と離島についてです。

青森県の主な湖沼・離島 
最初の市町村区分図を見て、
『あれ? なんで左側にスペース空いてるんだろう?』
と思った方はどのくらい居ますでしょうか・・・?

単に画像加工作業上で県土の範囲を絞りきれていなかったわけではありません。
青森県民でもほとんど知らない(&興味が無い)と思うのですが、
実は、深浦沖の日本海にポツンと1つ島があるためなのです。
青森県 島 湖沼.png
【久六島】(きゅうろくじま)
平内町の夏泊大島、大間町の弁天島など、本土から目と鼻の先に浮かぶ島は本県にも複数在りますが、本土から離れて浮かぶこの島は島・・・というか岩礁で、漁(釣り)や過去ニホンアシカの繁殖地だったという話題以外で触れられることが少ないので、ここまでを含めて紹介しない地図も多いです。



続いて湖についてですが、説明長くなる上自分もまだ勉強不足なので、
簡単な説明にとどめておきます。


【十和田湖】(とわだこ)
所在地:青森県十和田市秋田県鹿角郡小坂町
県内で最も有名な湖のひとつです。
標高400mのカルデラ湖で、湖水は奥入瀬川を経て太平洋に流出します。
古来から魚がいませんでしたが、ヒメマスの養殖が行われるようになり、水質改善の歴史も色濃いです。
丸みを帯びた湖形の南岸から陸地が2つ突き出ているため、湖内の場所を大まかに分けて
北湖(きたのうみ)・東湖(ひがしのうみ)・中湖(なかのうみ)・西湖(にしのうみ)と呼ぶことができます。
ここの昆虫の中で一番有名なのがおそらく、
和井内から採集された個体がタイプ産地であるトワダカワゲラではないでしょうか?
その他カワゲラ・トビケラも豊かに生息していてここから和名・学名をとった種類も多数います。トワダオオカなんかもいますね。

【小川原湖】(おがわらこ)
所在地:青森県上北郡東北町
周辺の三沢市・六ヶ所村とあわせて湖沼群を形成する中の最大がここです。
県下最大の湖。汽水質で、ここでのみ発見されている昆虫と云うのはいないようですが、広い湿地帯もあることでさまざまなトンボが生息していて貴重なものも多くいます。

【十三湖】(じゅうさんこ)
所在地:青森県五所川原市
太平洋側の小川原湖とは対照的にこちらは日本海側に面する汽水湖です。
水深は非常に浅く3mほどが最深で、隣のつがる市に多く点在する屏風山湖沼群と共に水生昆虫が豊かに生息する地域でして、多数生息する貴重なトンボでも有名ですが、水生甲虫の方でも結構有名なようです。

【津軽富士見湖】(つがるふじみこ)
所在地:青森県北津軽郡鶴田町
「津軽富士」、つまり岩木山を望む(映る)場所にある場所にあるためこの名前が一般的。
岩木川流域の溜池ではあるんですが、勉強不足なのかここで何か面白い昆虫が見られると言ったような記述が探せませんでした。

【宇曽利山湖】(うそりやまこ)
所在地:青森県むつ市
宇曽利湖とも言い、自分もこっちの呼び方の方が昔からしっくりきてます。
霊場「恐山」の一部で、硫化水素の臭いに包まれている酸性湖です。
基本的にはトンボが一番多く見かけるのですが、このような特殊な環境からのみ見つかる種類もいてミズギワゴミムシのような固有種もいます。

【十二湖】(じゅうにこ)
所在地:青森県西津軽郡深浦町
33(約)の小さな池沼群の総称で、崩山の東の大崩と呼ぶ崖上からの展望で「十二の湖が見える」と言う事が地名の由来です。
周囲は原生林を含む各種広葉樹林で形成され、観光用の遊歩道が整備されています。


(書いてみたけど水モノ関係てんでだめだナ)

次は、半島と主な岬です。

青森県の半島と主な岬
岬についてはピンポイントで詳しく書くような事も無いので地図上で図示するにとどめまして、半島についての簡易的な解説を記しておきます。
青森県 半島 岬.png
青森県において半島とする地域は全部で5つあり、
「半島」と明確に称されていないところも含めると全部で6つほど数えられる事になります。


【下北半島】 (しもきたはんとう)
本州においては最果ての地とも呼べる、本州最北端の大間崎があります。
地理的な形状から「まさかり(斧)」と例えられ、むつ市・下北郡と、上北郡の一部がこの半島内に含まれます。
本州最北端でニホンザルなど生息北限の生物が多数いるため国定公園に指定されています。
道路は半島沿岸をほぼぐるっと回ることが出来るようにも伸びていて、野辺地町中心部を出発し六ヶ所村中心部まで半島沿岸部をドライブすると、270kmほど。
国内最大の砂丘・猿ヶ森砂丘があり、周囲では海浜部の砂地に生息する昆虫も見られます。


【津軽半島】 (つがるはんとう)
青森県に置いて、下北半島と反対側に位置する半島です。北端は龍飛崎。
津軽海峡を抜ける青函トンネルの入り口でもあります。
日本海に突き出た権現崎(小泊岬)も半島の一つととらえる見方もあります。
半島西部には津軽平野の湿地帯(屏風山)が広がり、中央部を山地が南北に連なっています。山地を挟んで東側には青森平野が広がっています。
半島は海岸をぐるっと回りこむように道路が敷かれており、海岸に沿って半島を一円する事が出来ます。
西海岸(深浦町方面)と共に国定公園に指定されているエリアがあります。


【夏泊半島】 (なつどまりはんとう)
八甲田山地の北麓の延長上に延びる、陸奥湾に突き出た半島です。
半島は海岸に沿って道路がはしっていて転々と港町が在ります。
東沖に浮かぶ湯ノ島はカタクリやオオムラサキで知られ、自然公園内で天然記念物にヤブツバキが指定されています。


【中山半島】 (なかやまはんとう)
十和田湖観光の中枢・休屋を根元に据えて湖に突き出た半島です。
半島内の標高は534mが最高。
半島内奥地へ延びる道は無く、ほぼ全域は十和田湖(中湖)沿岸を経由し御倉半島と共に国立公園の特別保護エリアに指定されています。


【御倉半島】 (おぐらはんとう)
中山半島と並び十和田湖内に突き出た半島で、
半島先端部は全体が小高い山(御倉山:▲690m)になっています。
半島の根元はバイパスが通っていますが先端部へは道路が通っていません。


青森県の山地と採集における区分 (※個人的な見解です)
さて、県内の山岳地帯の区分を書くにあたってはどういうスタンスで書いたらいいかがまとまらず(色々な考え方で書くことが出来るので)特に何を明確にすると云う事も無くダラダラと書いてしまいました(!!?)
じゃぁ今この記事は何のために書いてるのか?? と分からなくなりますが、
クワガタを採集するにあたって、標高がある程度必要な種類の中では
一度県内の地理を見つめなおすと新しい発見や面白いと思える探索場所が目に見えてくる事があると思ったからで、頭の中にあっただけのモノをあえて記事の文章に起したり地図画像として作成して「目に見得るようにする」事で、自分のような馬鹿でも改めて分かりやすく再吸収できるのでは? と思うわけなんですよ。

話を本題に移して山地区分の話ですが、
一般常識程度な県の地図区分や、地質学的区分生物地理学的な区分など
分け様がいくつかあります。
残念なことに専門的すぎる学問は習ってないので独学で調べるしかなく限界もありますんで、今回は2015年11月現在の個人的な考えのみに基づいてクワガタの分布に関連して区分けした地図を作成しました。
これが1年・・・2年と経てばまた考えも変わってくるでしょうし、今書いてる内容の中には学問的には間違っている箇所が多々含まれていると思います。
あくまで地図を眺めるのが好きな一般人の妄想のようなものとしてスルーしてください(笑)

まず予備知識として現在まで県内に分布するクワガタは以下の通り。

aomorikenstagbeetles.png
‐ 和名(亜種和名) ‐‐ 学名 ‐
コクワガタ(原名亜種)Dorcus rectus rectus
オオクワガタ(日本亜種)Dorcus hopei binodulosus
スジクワガタ(原名亜種)Dorcus striatipennis striatipennis
アカアシクワガタ(原名亜種)Dorcus rubrofemoratus rubrofemoratus
ヒメオオクワガタ(原名亜種)Dorcus montivagus montivagus
オニクワガタ(原名亜種)Prismognathus angularis angularis
ノコギリクワガタ(原名亜種)Prosopocoilus inclinatus inclinatus
ミヤマクワガタ(原名亜種)Lucanus maculifemoratus maculifemoratus
ルリクワガタ(原名亜種)Platycerus delicatulus delicatulus
ツヤハダクワガタ(原名亜種)Ceruchus lignarius lignarius
マダラクワガタ(原名亜種)Aesalus asiaticus asiaticus
マグソクワガタNicagus japonicus

この内、低標高(平地)でも全く普通に生息しているものとしては
コクワガタ、スジクワガタ、アカアシクワガタ、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ
の5種類を挙げるのが妥当でしょうか。
標高による個体数の多少も問題に含めてしまうとミヤマクワガタ(とアカアシクワガタ)はこの上記5種からやや外れてしまうとも言えるのですが、
山岳部のみで生息するクワガタの分布を念頭に置いて採集することを考えた時にこの図を活用することを考えた場合、 上記5種以外がその対象になります。

とはいっても、青森県に関して言えばクワガタの生息は標高が関係していると言うよりも森林率の方が大きくかかわっているでしょうから(低地は皆切り開かれているので、それがなければオオクワガタ、マグソクワガタ、マダラクワガタも標高に関係なく分布できるでしょう)、この山地区分図は必然的に「森林がどの地域に集中しているか」という点の方に寄っていると言えるんでしょう。

青森県 山地.png
作成した地図上の区分を列挙しますと、自分の中ではこのような区分になります↓↓
加えて、各区分に属する代表的な山も挙げておきます。

 奥羽山脈系
    田子山地(たっこさんち)
       :四角岳(▲1003m)
       :雷鉢森(▲874m)
       :与須毛堂森(▲841m)
    十和田山地(とわださんち)
       :戸来岳・三ツ岳(▲1155m)
       :十和田山(▲1054m)
       :白地山(▲1034m)
    八甲田山地(はっこうださんち)
      北八甲田連峰
         :大岳(▲1584m)
         :高田大岳(▲1552m)
         :井戸岳(▲1550m)
         :赤倉岳(▲1548m)
         :田茂萢岳(▲1324m)
         :雛岳(▲1240m)
      南八甲田連峰
         :櫛ヶ峯(▲1516m)
         :乗鞍岳(▲1449m)
         :駒ヶ峯(▲1416m)
         :猿倉岳(▲1354m)
         :横岳(▲1339m)
         :赤倉岳(▲1298m)
    東・烏帽子・八幡岳山地(あずま・えぼし・はちまんだけさんち)
       :八幡岳(▲1020m)
       :折紙山(▲920m)
       :烏帽子岳(▲720m)
       :東岳(▲684m)

    夏泊山地(なつどまりさんち)
       :水ヶ沢山(▲323m)
       :大栗山(▲275m)

 白神山地(しらかみさんち)
       :向白神岳(▲1250m)
       :白神岳(▲1235m)
       :尾太岳(▲1083m)
       :摩須賀岳(▲1012m)
       :三ツ森(▲949m)
       :茶臼山(▲894m)
       :高倉森(▲829m)
       :桝形山(▲820m)
 岩木山(いわきさん ▲1625m) 

 北上高地(きたかみこうち)
       :名久井岳(▲615m)
 階上山地(はしかみさんち)
       :階上岳(▲740m)

 津軽山地系
    平舘山地(たいらだてさんち)
       :丸屋形岳(▲718m)
       :袴腰岳(▲707m)
       :清水股岳(▲556m)
    中山山地(なかやまさんち)
      北部:増川岳(▲714m)
         :四ツ滝山(▲670m)
         :浜名岳(▲603m)
         :矢形石山(▲587m)
      南部:大倉岳(▲677m)
         :袴腰岳(▲628m)
         :魔ノ神山(▲549m)
         :梵珠山(▲468m)

 下北丘陵地系
    桑畑山山地(くわはたやまさんち)
       :桑畑山(▲400m)
       :片崎山(▲300m)
    吹越山地(ふっこしさんち)
       :百目木川台(▲527m)
       :金津山(▲520m)
       :吹越烏帽子(▲508m)
       :月山(▲419m)
       :石川台(▲339m)

 恐山山地(おそれざんさんち)
      北部:燧岳(▲781m)
         :目滝山(▲618m)
      西部:嵓倉山(▲726m)
         :秋山(▲631m)
         :縫道石山(▲626m)
      東部:釜臥山(▲879m)
         :朝比奈岳(▲874m)
         :大尽山(▲828m)

見る人が見れば、名称の使い方が無秩序なのが一発で分かりますネ(汗)

同じ系統の山地は地図上で薄く塗りまとめて括弧[ ]で総称を載せてみましたが、
岩木山は白神山地系と関連付けて
階上山地は北上高地と関連付けていいかもしれないです。


 奥羽山脈系
県内のみで括ると、南部=田子山地北部=夏泊山地までとなるんですが、
学問の分野によっては恐山山地の西部または全域も奥羽山脈の延長上に入ると言われます。ただ、クワガタの生息やなにやらを考えると一緒に括るのは難しいのでこの範囲で個人的には納得しています。

この中でも田子山地から東・烏帽子・八幡岳山地は地続きで山岳地帯が成り立っていますが、北端の夏泊山地だけは低地(平内町平地部)に分断される形になっていて、ここだけ独立した山塊と見る事もできます。標高も最高が水ヶ沢山(▲323m)で低く、陸奥湾から流れる潮風の影響か、山に入ってみるとだいぶ乾燥した環境のように見てとれました。

それ以外の大部分を見ると、中心的な存在はやはり八甲田十和田山地となるのは想像に難くありませんが、県内全ての山地帯の内で唯一県産クワガタが全種類公式に記録がある地域とは言え、その記録も偏っているように感じてなりません。
八甲田山地もさらに分けると北八甲田連峰南八甲田連峰の2つに分ける事が出来ますが、記録は南八甲田連峰の側が圧倒的です。
採集していても数は北八甲田は少なく、一部の種類は採集数が偏っている傾向にあります。採集に適した環境が少ないだけで個体数自体は大差ないのかもしれませんが、地理的に北八甲田方面は麓の青森平野に木材を伐り出して運んでいた歴史上の関係で、南八甲田方面と比べて森林を構成する木々が非常に若いと言う事を考えると、より巨大な古木に依存する昆虫各種の生息密度は比較的薄いのではと思えますね。北と南では山の成り立ちも別れ、北八甲田が今のような地形にまで出来上がったのは南八甲田のそれよりも遥か後になってからです。

県内クワガタ全種を総合的に見ると、東・烏帽子・八幡岳山地夏泊山地間に境界があり、
そこを境に課題対象の7種類の分布の有無が生じます。(自分が知らないだけ?)


 白神山地 岩木山
白神山地は県内では奥羽山脈系と並んで広大な山岳地帯で、青森県西津軽郡~中津軽郡~南津軽郡と秋田県山本郡周辺にかけて広がるブナ原生林がこの地域の代名詞です。
かつてこの一帯は一般には「弘西山地(こうせいさんち)」、つまり弘前の西に広がる山地と呼ばれていました。白神の名が使われ一般化したのは、昭和に入ってからで、特に世界自然遺産に登録される気運が盛り上がってきた頃と言われています。
同じ色で深浦側~大鰐(平川市碇ヶ関)側まで塗りつぶしましたが、弘前市南西部から東側を大鰐山地として区別するのもあるいはありかも知れません。
山と谷が入り組むような地形なので、なだらかな地形の八甲田山地の裾野と比べ踏み入って採集する事は難しく、中心部に至っては世界自然遺産に指定され入域には許可が必要です。
地質的に地滑りが起こりやすく、雪崩や崩壊も多い地域の為土地環境や植生に多様性があるのですが、反面山地帯内部への進入が度々制限される事があります。
岩木山は独立峰で県下最高峰(▲1625m)なのですが、森林は白神山地から台地を介してほぼ地続きになっているためここでは白神の一部として考えます。
世界的にも非常に広大なブナ林で尚且つ原生林も豊かなのですが、一部の移動性が極端に低い種類などを除いてはまず固有種は確認されていないとか(断定していいのか・・・?)。ただし、従来青森県では確認されなかった種類が秋田県側から北上してきて発見される事はあります。
同じ広大な広葉樹原生林を抱える奥羽山脈系の地域と比べると、山地性のクワガタはヒメオオクワガタとオニクワガタについてはそれなりに採集されているようですがそれ以外のオオクワガタ、ルリクワガタ、ツヤハダクワガタ、マダラクワガタの採集例に関しては非常に乏しいと言わざるを得ません。険しい地形・人の手が入らず広大すぎる環境がその要因でしょう。

郷土史的にもかかわりが深いため、白神山地岩木山共に非常によく研究されていて、出版物もこの地域を取り上げた物が一番多く出回っているように思います。


 北上高地 階上山地
古い地質で積雪が少なく夏涼しいと云う地域柄が関係しているのか、高標高分布種の一定の常識を津軽側を基準にして考えると異質な部分が見受けられるみたいなんです・・・が、こっちの地域はほとんど来た事がないので、自分の言葉では何とも表し辛いです。
北上高地は主に岩手県の内陸部に広大に広がる隆起地形のエリアですが、この北部が三戸郡の南側一帯を占め、その中で代表的な山が名久井岳(▲615m)です。
階上山地はそれらからちょっと離れてはいますが、「隔絶されている」と云うほどでもない丘陵地なのでひとまとめとしています。

県内のこの一帯は平均標高も低くて広く農地開拓されているため、山地性のクワガタの分布はほとんど望めず、昔から都市伝説的に囁かれているオオクワガタの生息も定かではないですね・・・。


 津軽山地系
津軽半島内における山塊を総称して一般に津軽山地として認知されています。
図中ではこれを2つに分割して平舘山地中山山地としていますが、この中山山地については細く長い形状ともあって『中山山脈』ともいわれます。そしてこの中山山脈・・・もとい中山山地も実際には増川岳(▲714m)や四ツ滝山(▲670m)を代表とする北部の山塊と、大倉岳(▲677m)や梵珠山(▲468m)を代表とする南部の山塊とに分ける事が出来ます。高標高に分布するクワガタの生息を考えると、麓の標高が低くきれいに2分化できるので北部を改めて『中山山地』南部を『梵珠山地』と区別してもいいかもしれません。
この津軽山地内では一般に知られていないと思いますがルリクワガタ、ツヤハダクワガタも分布しています、しかしこの2つ(3つ)の山地帯の全てのエリアに分布しているのかまでは定かではありません。


 下北丘陵地系
下北半島の頸部を南北に延びる山地帯で標高は最高でも551m(山の名称無し)です。
低地付近は伐採地・植林が多いですが、地形がやや複雑になる中域標高から上にはブナ等の広葉樹林が広がっています。地理的にやませの影響を強く受けるためか、風当たりが強い東斜面の臨海部はわりと低標高の段階で樹木が矮小化しています。
中心部からの北方に延長した低山地は桑畑山山地としていますが、この一帯は地形がなだらかなため農地伐採や植林が多いと感じます。

今回の課題対象のクワガタの中で、オオクワガタとルリクワガタに関しては過去生息していたと云う情報はありますが実際問題として採集できるかどうかは未知数です、ルリクワガタに関しては産卵痕が確認できていますが未採集。ツヤハダクワガタに関してはルリクワガタやマダラクワガタと比べ、生息環境が他地域と比べて狭い事を考えると、特に生息の確認が取り辛いでしょう。


 恐山山地
下北半島の田名部低地以西の山地帯を全て一括りにしましたが、さらに細かく分けると釜臥山~朝比奈岳の南東部一帯を改めて『恐山山地』、燧岳等北部の一帯を『燧岳山地』、縫道石山を中心とする西部一帯を『下北山地』と3分割できます、クワガタの分布に関して考えると特別分ける必要も無いとは思うんですが謎や伝説(?)が多い下北だけに頭の隅に置いておいてもいいかもしれません。
低標高地や麓はスギ・ヒバ林が多く、ブナなどの広葉樹の原生林が残っているのは道が敷かれていない高標高地がほとんどで、最初に挙げた高地性のクワガタの現物を見るのは至難を極めると思います。

自分のところで現在情報も含め未確認なのはオオクワガタ、ルリクワガタ、ツヤハダクワガタ、マダラクワガタの3種類。緯度が高い地域だけに、低標高でもマダラクワガタは居そうなものですが大径の赤枯れを複数あたって痕跡すら未だ見つけられません。





青森県は北海道を前に陸地を分断された本州の最果ての地です。
昆虫全般に目を向ければ「取り残された北方系の昆虫」も見る事が出来ますし、クワガタもどういう形・要素か分かりませんがいつか「特異な何か」を見つける事が出来る事もある かも しれません(笑) もしかしたらまだ誰も知らない青森県第13種類目のクワガタムシ科昆虫が生息しているかもしれませんね。
ルリクワガタ探して秋の山に入って、立ち枯れや大径倒木じゃなく
落ち葉に埋もれかけた細枝コルリクワガタがいないかをチェックしたり(笑)
佐多岬でヤマトサビクワガタが記録されたんだから
尻屋崎でカンダチメクワガタとか見つかってもいいじゃないか!
なんて酒も回ってないのに考えたりするんですよ、ェェ(苦笑)

青森がド田舎で良かったー。




最後に・・・
以上の内容は特定の分野の学問の範囲で書いたものではなくて、あくまで複数の学問上の名称や意見を参考にして趣味の範囲でクワガタ他昆虫の採集について個人的に考察してまとめた2015年11月現在の内容である事を、改めて断わっておきます(汗)

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南部鍬形追分 [青森の昆虫事情]

10月の最初の日曜までは自身のヒメオオポイントを順調に拡張していたのですが、
その後何を思ったのか「南部で採れるかな・・・?」などと興味が湧いてきまして
先日12~13日、2日間使って今年初めての三戸郡へ行ってきました

今までも、三八地域は人生においても数度しか出向いた記憶が無くて、
個人的に謎に満ちたエリアとして興味をひかれつつもなかなか踏み込みにくい場所なんです。
青森県内各地の虫を採集するにあたって、
青森市に住んでいると云うのは非常に強みになるのですが
(県のほぼ中心に位置しているので各方面に出向く際に遠過ぎる場所はあまりない)
それでも下北半島の奥の方と三八地域は青森市からはちょっと遠いんですよ。
(津軽半島の平舘と下北半島の脇野沢を橋で結んでくれないかなぁ・・・)
特にこちらから見た場合の階上町なんて、時間的にも金銭的にも結構行くのに勇気が要るんですよ・・・県内コクワ制覇を目標にするなら勿論行くべき行きたい所なんですがねぇ・・・

その内、今回はヒメオオのポイント発見を第一に見据え探しに行くので、
事前に地図を数種類見ながらどこへ行くか見当をつけていくと、
まぁ山と人口密集地の入り組み方のドットが細かいこと!
単純に言うと、十和田湖から八甲田にかけて・・・みたいな一面森林の環境があまりなく、
薄く広く集落が広がっていて、深い山が無いんです。
深い山(高い山も)があまり無いと云う事で集落裏の田畑になっている場所が多く、
だいぶ伐り開かれています。
その為、明らかに望みがある八甲田~奥入瀬近辺のような
広大な広葉樹林帯が見つからないんですね。

そこそこ情報を探してみても、
青森県の三八地域から岩手県北部にかけての『南部地域』からヒメオオを採集した記録がほとんど見つからず、特に青森側に限れば全く見つける事は出来ませんでした。

そんなハードルの高い三八地域の中で、一番最初に突入するならどこがいいだろうと地図を相手に睨めっこした結果・・・

奥羽山脈系列にダイレクトに位置する西側(新郷村・三戸町・田子町)が適しているだろうと考え、その内一つの町村だけ集中的に探ってみようと更に的を絞り、最終的に個人的なネームバリューで
【にんにくの首都・田子町】を調査することに決定しました。



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田子町(たっこまち)は面積242.1平方km
青森県の最南端に位置していて面積の80%が森林。
奥羽山脈の東側に位置する事もあり三戸郡では最も標高が高い場所もここにある。
タバコやニンニクの生産地として盛ん。
(東奥日報社「新平成の大合併あおもりマップ」より一部引用)



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森林率の高さで言えば新郷村もいいのですが、
新郷は十和田の隣と云う事もあってお馴染みの採集エリアからそう遠くないので「いつもより奥まった地域に行きたい」と云う考えで田子になりました。
何を隠そう今回が初めての田子町。ワクワクします(笑)

いくつもある県内の市町村のうち行くのが面倒くさい所の一つ、
八戸市から行く分にはストレートに道が通っているんですが、
青森市から向かうと素直に真っ直ぐ行けずなかなか大変です。
ちなみに、自分の愛用の『県別マップル 青森県道路地図』では
田子町が全部載っておらず、隣の秋田県や岩手県の道路地図を見ないと5万分の1のページが無いと云う、何とも歯がゆい場所でもあります(苦笑)
この見切れてる部分が重要だとゆうのに!



  12日(日)

そんな訳で、見切れてる重要部分を含め
気になる場所を事前にグーグルマップで確認し一部をプリントアウトして、
・道路地図
・ドリンク(ヘルシアウォーター&モンスターエナジー)
・リュック(中には採集道具多数)
・網
・タオル
・目覚まし時計
・毛布
他色々積んで出発しました。

  ・・・勿論、当日寝坊して昼出発・・・





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・・・・・・え~~っと、なんというか、
いつもの調子で書くと無駄に長くなるので

以下だいぶ簡潔に流れをまとめていきます。


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まず青森市内を出発して八甲田を通過。

日曜日は天気もよく「超」絶好の行楽日和だったおかげで、
萱野平原~猿倉近辺までズラ~ッと観光客がごったがえしていてただただ凄かったです。
しかしそれに負けないくらいに八甲田は紅葉が見頃で本当に凄い景色でした。
CA3I0232.JPG
↑↑この画像は酸ヶ湯
こんな山の中で渋滞に巻き込まれるなんてそうそうないな(苦笑)


「イベントの為近日奥入瀬渓流マイカー規制」の看板を勘違いし
もう奥入瀬渓流が封鎖されたと早合点して
焼山を過ぎた後青ブナ山→御鼻部山→銀山と、十和田湖の西を迂回し秋田県へ突入。
小坂町→鹿角市と進み、いよいよ田子町に初進入。


まず手はじめに雷鉢森を見ることに。
標高は400~500m付近ではあったのですが、全体的に2次林で木が皆細く
道端のヤナギやその他の木にもヒメオオが齧ったものと見られる痕跡は皆無。
一応赤枯れも叩いてみたのですが成果なし。

雷鉢森を諦め車を走らせ、すぐ近くの夏坂で林道を見るがこれも駄目。


続いて山深くを目指し、町唯一の名所と言ってもいい(?)通称「そうめんの滝」こと弥勒の滝付近を散策。
近くの林道では特にダケカンバは多数ありましたが幼虫が育ちそうな木は見つけられず勿論成虫の痕跡も発見に至らなかったです。
この林道探索中に陽が落ち周囲の環境が見渡せなくなってきました。


仕方が無いのでこの後は主に、林道脇のヤナギ等低木をライトで見ながら成虫の噛み痕のみを探す作業だけに。

山の中の未舗装路をひた走り、
伐採地などを抜け標高200~600mを探します。
腰が抜けそうになりながら何度も車の腹を擦り峠を越え、
暗い林道を徐行したり徒歩でルッキングしていきますが・・・
・・・やっぱり枝が全部綺麗なまま(泣ける・・・)
ただ一つだけ、
奥羽山脈の背骨付近を歩いているため星空はまぢ綺麗でした。
個人的に八甲田、白神と並んで特に記憶に残るレベルの星空でロマンチックなんですが、
こんな・・・、こんな所まで夜中に来るなんて男でも願い下げでしょうな(苦笑)

林道をまだ調べたい気持ちも空腹と寒さには勝てず(林道歩いて凍えてきた)
夜7時を過ぎて山を下り、集落に出ます。

疎らな人家を横目に、一番人口が密集しているであろう田子地区を目指しました。
田子までせっかく来たんだし、地元ニンニクを使った焼肉定食的な物を食べたいな~
・・・などと呑気に考えていましたが、流石田子と云うべきか・・・

時刻は夜8時頃どこの店も開いてない(焦)
開いていたのは商店が1件くらいとローソン1軒しか見当たらなかった・・・


ある意味感心しながらも「どうしよう・・・」と悩んだ結果、
既に眼前だった三戸町へ突入。
田子町内とは変わって、やってる食堂は見つけられなかったが
まだスーパーが何軒か開いていた・・・(なんだこの差は・・・)
1軒目のスーパーでパンと菓子を買って少し空腹感を紛らわし、
2件目のスーパーの弁当コーナーでにんにくを使った焼肉弁当を発見。
スーパーの弁当だろうがこれでも地元のにんにく使っているはずだ・・・と妥協し即行購入。翌日の朝食分のパンも併せて買いこみ、車の中で焼肉弁当をかきこむ。思いの外にんにくが強烈でした。

遅い夕食を済ませた後、
最後にどこか面白そうな所は無いだろうかと地図を広げると、見覚えのある字面が・・・

名久井岳(615m)。
三戸町と南部町にある地元で有名な山で、古くから親しまれている山でもあります。
マツの大量植林も時代背景にあるのでヒメオオを真面目に探すつもりはないものの、「こっちまで来たついでに」と向かう事にしました。
山の中に1本道が通っていてそこを車で流してみました。
何故か夜になって風が強くなってきてしまったので車の外には出なかったのですが、
名久井岳から見える景色もなかなか良かったです。

名久井岳を下りて夜の10時だったか11時だったか、
そのくらいに車の中で寝ることに。毛布持ってきて本当に助かった・・・


  13日(月)

朝の6時に一旦ケータイのアラームで起きて2度寝、
1時間後の7時に今度は目覚まし時計のベルで起床。
トイレと歯磨きを終え、朝食のパンをほおばり一路田子へ急ぎます。

CA3I0238.JPG
名久井岳から。標高的にはだいぶ低い位置からです。


今日の一発目は、
昨日最後の林道(名久井岳除く)を諦めて山を下りる途中でいくつか通り過ぎた林道の内一つに的を(テキトーに)絞り進入。
朝早くから材木を向こうから運んで来るトラックを交わしながら泥化した悪路を進み、
登山道に続く林道を見渡すのですがやっぱり駄目。

奥へ行こうと云うその先にヤナギが倒れていてそこから歩きに。
暫らく歩くと登山道の入り口が見えてきた。
この時点でもう車では来るのは無理でした。
歩くのも楽ではないボロボロの登山道を登りながら、周囲の樹相に気を配っていきますが全然針葉樹ばかり。沢沿いの為ヤナギの灌木も見られるのですが全くヒメオオが居た形成がありません。
登山道をもっと奥へ進めば針葉樹林帯も抜けられると思って(植林っぽいので)先へ進んでいきますと、段々景色が変わってきました。
こっちに来てからあまり見なかったブナ林帯だ!
最初は生木しか目に付かなかったのですが、次第にいたる所に大きな立ち枯れが見られるようになりました。
これは・・・!!! と思ったのも束の間、なんかちょっと視野を広げてみると違和感が・・・。
大きなブナの立ち枯れは結構たくさんあるものの、
一般にクワガタの成虫が集まるような他の木が全く見当たらないのです。
あるにはあるんでしょうが、ここでまともにクワガタを採集しようとは考えないなぁと思うような場所になっています。
しかも、近くにある立ち枯れを観察していきますが、
ルリクワガタも痕跡が全くありません。


登山道もいつのまにか急登に・・・。 そしてついに来てしまった。

















CA3I0243.JPG
登りきっちまった。

もう木も灌木ばかりで葉も何も全く虫に食われてない(汗)
ほとんど虫がいねぇってことじゃねーか!!!!!!

そして、頂上が奥の方に平坦になっていて、
三角点の先にまだ道があったので気になって進んでみると・・・


今度は開けた空間に出て中央に変な木の柱が立ってる。


なんか書いてる。








CA3I0241.JPG
3県境の山・・・・・・??・・・


CA3I0240.JPG
【四角岳】
林道入り口に山の名前は書いてあったけど、
1003mもあんのかよ・・・



青森・岩手・秋田の県境


四角岳.png
クワガタ探しに入った山でやけくそになって登頂したこの山は、
どうやら青森・岩手・秋田3県の県境が接する唯一無二の場所だったようです。
四角岳なんて昨日今日まで聞いたこともない名前の山でしたが、
なにげに山を登頂したのは今回が初めてなので妙な高揚感が(笑)


CA3I0242.JPG
向こうに見えるのはここより僅かに高い中岳(1024m)
流石にあっちへはもういきません・・・(青森からでてしまうし)


四角岳 山頂
眺めはややいまいちです。
若干灌木に視界が遮られている感じが見受けられますね。
そして一面先まで山!!! この日は昨日とうって変わって曇り空で天気が悪いので、
靄がかかり遠くが霞んでいます。昨日だったらどんな眺めだっただろう・・・

・・・

・・・

・・・

・・・・・・いや俺何しにこんなトコに来たの・・・????



帰りは1時間ほどで車まで戻り、時刻は既に午後1時
夜7時に人と約束がある事を考えると、今日はもうダラダラ走りまわれないと腹をくくり、
田子での探索を諦め、帰る道すがら三戸町と新郷村もちびちびと探して、
出発時に入れた4,000円分のガソリンが持たなくなってきたので山に入る直前にもう一度十和田市内で給油して(財布が痛い・・・)、最後の最後にせめて十和田でヒメオオの姿だけでも拝んで帰宅しようと既存のポイントに立ち寄ってとどめのボウズを食らって、
見事ガソリンだけ綺麗に消化して手ぶらで帰宅しましたとさ。
持って帰ってきたのは車体の傷くらいですね(嘲笑)





************************************



今回いくつか感じたことはありましたが、
非常に厳しい!と云う事がまず第一です。

ほとんどブナが見られず(時間帯もあって暗い時にしか行けなかった場所もありますが)
勿論たくさんの個体数が居るのでしょうがクワガタの棲息状況と我々採集者が干渉できるような場所がかみあうポイントが少ないように感じました。

そして、もしかしたら時期の所為もあるのかもしれないのですが、
こちらの地域は林業の進み具合が県内の他の地域より盛んで、
地図で見ても歴史的な面で見ても山林の伐採や針葉樹の植林が進んでいて
どこの林道に入ってもきっちりスギだらけでしかも比較的管理が行き届いてる印象。
この2日間で入っていった林道も、伐採作業中の所や、今まさに新しい林道を建設中の所が多く見られました。
とてもヒメオオが見つかるような隙は無かったですね(悲)

紅葉も、八甲田と比べて彩りに欠ける印象で、
八幡平のこの近辺は先に散り始めているようです。
(台風もあった事だし)



課題は来年に持ち越しになりました(汗)
来週はまた別の所へ行こうと思うのでヒメオオも俺はもう今年は見れないかな~?





        本日の 日昆の名言


登りきっちまった。






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青森県青森市クワガタ採集のすゝめ [青森の昆虫事情]

(2022年8月15日・説明追加)

遂に夏真っ盛りの8月になりました。
青森ねぶた祭りも始まり青森市内も熱気に包まれています。
何しろこの町はねぶたの終わりと共に冬がきますからね(笑)

そして勿論、カブトムシやクワガタムシも活動が最盛期を迎え
採集シーズンもピークになりつつあります。いやもう過ぎたか・・・?

おかげさまでこのブログも連日採集関連の検索で、訪問総数に毎日たまげています。
(そして何故か毎日ずっとヘラクレスの画像詐欺の記事が閲覧数上位なのが不思議ですが)
自分でブログをやっている中で、アクセス解析(その日何人がブログを訪問したとかどのページが読まれているのかとかどんな検索ワードで訪問されているのかを確認する機能です)を見るのが個人的に楽しいというか勉強になったりするんで何日か置きにチェックしているのですが、昔は
『青森県で採れるところ』とか
『青森市で・・・』とか
『十和田湖で・・・』とかで検索されるのが主だったのですが、去年~今年からは、県内各地の市町村における採集地検索が連日見られるようになってきたと云う変化が感じられます。
コクワ採集もUPしたのも要因でしょうか、それとも各地域で採集者が増えたり地元産に意識が向いていると云う事なのでしょうか・・・
数年前までは、皆みんなが十和田十和田十和田!でしたからね(自分もそんな感じでしたね)



そんな連日の検索ワードになぜか自分も触発されまして、
今年もまた性懲りもなく地元採集解説記事を作ってみたくなりました。

と云う事で今回は地元ネタになります。

地元入手解説記事は前にもいくつか書いてみた事はありますが、
内容としては、
そもそもカブクワを入手するための根本的な手段の解説
採れる虫各種の説明
などでした。

  ⇒ 2009年8月14日 【どうやって手に入れるか】
  ⇒ 2010年8月12日 【青森市でクワガタが採れる場所】
  ⇒ 2011年8月2日 【青森市 某採集エリアのクワガタ・カブトムシ採集】

ブログ開設以来、最初の頃は毎年この手の記事書いていたので
今回はまた別の切り口で書いてみます。


青森市章.png
ずばり、青森市内でのクワガタ採集方法解説





今回はいくつかのカブクワ入手方法の内、【採集による入手】のみに焦点を当てて解説したいと思います。
更に、この記事では読んですぐ実践できるように、取り上げる採集法を
1:ルッキング採集(樹液)
2:ルッキング採集(外灯)
3:ライトトラップ採集
4:果実トラップ採集
5:材割り採集
の内、1&2ルッキング採集のみに絞ります。

この採集方法なら、お金が無くても道具が無くても身一つで昆虫を観察・採集できます。
大掛かりな機材もベイトも刃物も要りません。





さて、構成がぐちゃぐちゃになりそうですが順番に解説していきます。

なお、当たり前の事ですが具体的な地名やポイントは紹介しません。
ただし青森市内のどこに住んでいても、自転車を有した小学生~中学生並みの移動能力さえあれば青森市内なら誰でもクワガタは採る事が出来ます。
夏休みシーズンと云う事でもあるので
「今日は予定立ててないからちょっとクワガタ採りに」とかも可能ですし
「経験無いけど父子でクワガタ採りにあとで行ってみようか」と云うのも出来ます。

カブトムシ 青森.JPG
それと、今回あくまでカブトムシはおまけとして紹介しておきます。
解説の中心はクワガタです。





採集する(できる)タイミング・場所
まず解説にあたり前書きをしておきます。
(これから使う単語や解説の意味合いも前もって書いておかないと、ただでさえ読解し難い自分の文章が更に分からなくなりますからね)

まず、前述した事ですが
今回の解説は基本的に青森市内に限っての話になります。
その為、他の地域に応用が利く前提ではない事をご理解ください。
また、こんな記事を立ち上げて言うのは無責任とも言えますが、
自分も青森市内を隅から隅まで虱潰しにローラーして完璧に網羅したわけではないので、記述内容に例外や漏れ・誤りが生じる事があるかと思いますがそれもご理解ください。

さらに付け加えますと、
自分が今回解説するのは人の生活圏内での採集に重点を置きますので、青森市内とは言え人の生活していない地域(山岳帯)についての採集については解説中の注釈を除いては一切を省きます。
なので今回は、何十頭も何百頭も採るためには・・・とか、オオクワを採るには・・・と云った内容ではありませんので・・・

また、2005年に旧浪岡町と合併する前の旧青森市を基準として話を進めます。



と云う事で、ようやく本題に入れそう?ですかね。
旧青森市の平野部(青森平野)周辺での採集について。

旧青森市は北は陸奥湾を臨み東西南を山に囲まれているいわゆる『陸の孤島』とも言うべき地形構造です。
人の生活圏も地理的に見て海側が最も濃密で、山の方に向かうに従い緑が増えていきます。
これは歴史的観点からも言えることで、戦後に平野部の集落がひとまとまりになり発展してきて今の状態になっていますが、当時は海浜地域(安方・本町あたり)が中心でした。
なのでクワガタを採集するにあたっても、山の方から海浜地域中心部に向かうに従い環境は厳しくなっていきます。
そこで、ざっと青森平野の生活圏のグループ分けをしておきます。

市内中心部から順に、
【市街地】
↓↓↓↓
【住宅市街地】
↓↓↓↓
【郊外住宅地】
↓↓↓↓
【林縁住宅地】
↓↓↓↓
【里山】

完全にニュアンスで決めた単語なので雰囲気で悟って頂けたら助かります(笑)
具体的な地名の記述は避けますがそれ以外の表現なら一応突っ込んでいきます。



さて、クワガタがそこで見つかると云う事についてですが、いくつかの状況に分けられます。
それを把握する事はクワガタムシの生態にせまると云う事にも繋がり
より採集しやすくなる事にもなります。

・食物を摂るため樹液の出ている(出せる)木についている
・食物を摂るため落ちている果実や人為的に置かれた(捨てられた)食品についている
・産卵のため古木(等の産卵環境)に訪れている
・明かりに寄せられその直近に飛来し着地する
・明かりに寄せられた後、近くの障害物に隠れる
・飛翔中、障害物や風によって移動が中断されその場に落とされる(俗に言う「渡り」も含む)
・発生場所の土中や枯れ木から羽脱した直後
人によって放されたものが彷徨っている(放虫・逃虫)

この内それぞれの状況は後述する中で説明を交えますが、
一つだけ、人による放虫はこれからの説明のどれにも当てはまりません。
特に、青森市内では人がたくさんいるわけですから、一度他人によって採られた虫が逃がされてそれをまた採集する事もあります。
単なる飼育目的であれば「そういう事もあるよね」で済みますが、個人的に言えば・・・標本として残す事を考えるとややこしくなるのであまり面白くはないですね。
怪しい林とかで見つけると「そこに生息しているもの」と勘違いしてしまいますからね。

そして、クワガタは昆虫採集において夏の風物詩的にカブトムシと同系統に扱われるので、カブトムシが7月から僅か2~3ヶ月しか成虫が出ないのでクワガタもそのように思われがちですが、実際の話クワガタはもっと発生が早く始まり、雪が降る前頃(10月~11月)までずっと成虫が発生します。



さて、上記の5つに分けた人の生活圏のグループ分けですが、順に

【市街地】
CA3I0175.JPG
CA3I0174.JPG
市内風景参考イメージ写真
このエリアでは100%採集は不可能と言えるでしょう。 (言わずもがなの事ですけどね・・・)

ビル街、官公庁、商業施設、ホテルやマンションが並ぶ市内中心部がこのグループとなります。 このグループにも、神社や公園など緑の多い場所もあるんですが、流石に街中というだけあって、クワガタが隔離空間で細々と生き残ろうにも夜間は外灯が煌々と照っていて、土は踏み固められ木の枯死部は綺麗に伐られています。
ただ木が生えているだけの土地です。。

【住宅市街地】
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市内風景参考イメージ写真
ここのグループもおそらく野生でクワガタは棲息できないのではないかと思います。

主に住宅が立ち並び、公園などの1ヶ所あたりの緑地面積が市街地よりさらに広く樹種も豊かなんですが、やはり人が高密度で生活しているために、生えている(植わっている)樹木の維持管理は厳しくなされており、おおよそクワガタが生息できるような場所は見つけだせません。
また、開発で人工的に植林された綺麗な幼木が主なので、樹皮が割れて樹液を出す樹もまず見られません。
またそれ以外にも、枯死部も抱えた大きな木を昔から有する林も存在しており、一部には伐採された枯れ枝が野積みされていますが、厳しい日照環境なので夏場は強い日差しに晒され幼虫の生育もままならないのがほとんどです。
(日中でも薄暗いような林があれば望みがあるのですが・・・)
他にも、河川の岸にもある程度の密度で樹木が生えていますが、主に樹種と、前述の日照環境の問題でこれまた採集の望みは薄いですね。
もしこのグループのエリアで採集できるクワガタが居るとすれば、
小さな枯れ枝でも産卵・羽化できるコクワガタ1種類と思われます。
コクワガタと並ぶ低地性普通種のノコギリクワガタでも、土中で羽化するため
このグループのエリア内では乾燥や土壌に問題があり棲息できません。


そしてこれから先が『採れる所』のグループです。

【郊外住宅地】
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市内風景参考イメージ写真
このグループも前述の【住宅市街地】と同じく平地で通年気温も高く、東西南の山々からは少し離れているのですが、住宅地と緑地が混在しており、
田畑・池・墓地など草木が豊富な場所が所々に存在し、寺院や荒れ地の樹木環境もクワガタの生息に問題が無い所も在り、
環境が残っている場所全てに必ず居るワケではありませんが、コクワガタが生息しています。
また、コクワガタよりも更に範囲は狭いですがノコギリクワガタも生息しています。
更なる可能性としては、スジクワガタも見つかるのではないかと考えられます。
ただし、クワガタの生息できる環境としてはギリギリで、地理的に山林(後述の林縁住宅地や里山辺り)から流れてくることが出来る位置でなければ、絶滅も時間の問題と言える場所と言えます。
また、畑も結構あるとはいえカブトムシが採れるかと云えば、まず難しいでしょう。

【林縁住宅地】
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市内風景参考イメージ写真
『家の裏でクワガタが採れる(採れた)!』と云う感じのグループがここ。

ロケーションモデルの表現としては、前述までの平野部から少し山近くになり、平地からはやや高台にある住宅地と云ったところです。住宅街の後ろには山林を臨むような地域、そこまでがこのグループです。
外灯も少なくなってくるので、一部特定の外灯がたまに採れるポイントになったりします。また、家の窓から漏れる明かりに飛んでくることもたまにあります。
荒れ地・公園・池・田畑・墓地・学校・その他公共施設・個人の自宅の庭など、
様々な環境がクワガタの生息場所になっていますが、人通りも比較的ある道路際の街路樹などでも稀に発見できたり、閑静な住宅街であれば
サクラの産卵痕改.JPG
こんな風に街路樹に堂々と産卵痕が付いていることも。
この画像はサクラ(多分ソメイヨシノ)ですが、 【住宅市街地】や【郊外住宅地】と比べると街路樹自体も手入れが行き届いておらず枯れ枝が放置されているものや幹から全体的に枯れ出しているものも数多く見られます。
恐らく山が近い事もあり、カミキリによる食害も原因の一つでしょう。
採れるクワガタは、コクワガタノコギリクワガタアカアシクワガタ、たまにスジクワガタも見る事が出来、
エリアによってはミヤマクワガタも採れます。

【里山】
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市内風景参考イメージ写真
実質周囲を山林に囲まれている中に住宅(集落)がある、
宅地化がされていない環境がこのグループ。
ほとんど森林地帯と云う事もあり、効率的な探し方を考えなければ全ての場所で捕まえる事が出来ます。
CA3I0080.JPG 昼夜問わず、開けた何の関係もない人の目に付く場所で何気なく採れることも。
区画的にマツ林やスギ林に囲まれている所でも、それら針葉樹林の外縁にポツポツと生えている広葉樹から発生していることもあるので、採集時は意外と無視できなかったりします。
勿論広葉樹が主な森林であればクワガタ・カブト採集ができるかについて説明するまでもなく、様々な動植物を観察できます。

ただ、このグループに関しては他のグループと違い特に注意するべき点があります。
当たり前の事ですが、ほぼ一帯が山林と云う事。
虫探しに夢中になって森の中で迷ったり、危険動物との遭遇で人命に関わる事態に陥る危険を孕んでいます。
特に、スズメバチマムシクマには注意しなければなりません。
最重要危険視すべきクマは毎年青森市内の人里近くで目撃され新聞に載っていますし自分も地元で何度か遭遇しかけています。青森県内全体で言えますが山でクマと遭遇と云うのは結構現実的な話で、薮に入っていくとマムシも知らずに近づいていることもあります。日中に山に入れば、特に樹液採集をするとスズメバチとの遭遇率も高いので、正直小学生~中学生くらいの年代の方が採集する場合は保護者の同伴無しで行くのはあまり感心できません。

この場合、オススメなのはどちらかと云うと外灯採集です。
虫を集められる多種類の灯りが森林の中に点在しているので、いい場所を見つければ樹液採集よりも簡単に労せずクワガタ・カブトを採集する事が可能です。
特に親子連れ採集や初心採集者にはこちらをお勧めします。
(薮や暗い林に入るのが怖いお子さんもいる事ですからね)
採れるクワガタの範囲は、前述の【林縁住宅地】の種類に加え、ヒメオオクワガタも一部地域で採る事が出来ます。
これを中学生の時に採る事が出来たらマヂで嬉しかっただろうなぁ俺・・・



さて、いざ採集するしても人の生活圏で虫を探す以上、
住民トラブルは避けなければいけません。
誰にも不審に思われず自分のやりたいように採集・観察をするというのもこれが結構難しいんですが、最低限でも他人の家屋の周りをウロウロするのだけはダメ、ゼッタイと云う事で。

昔どこかの県であった、公道から他人の家の敷地内の木に居たオオクワガタを偶然見つけ採集したらその家の人とトラブルになり民事裁判にまでもつれ込んだと云う特殊な事例にまでは発展しないでしょうが、
今の世の中じゃ、他人の敷地でしかも人家の近くでいい大人が徘徊してたら、そりゃ立ち回り方間違えたら通報くらいはされてしまいますわな・・・
夜に懐中電灯照らして人けの無い所歩いてたらソッコー職質ですからね。
(露骨に虫取り網持って採集してりゃそんな事無くなるんだろうか・・・?)



さて、採集ポイント検索してここのブログにきて頂いた多くの方はおそらく『一発採り』を目的とされていると思いますが、
クワガタ(&カブトムシ)を採るにしても、採集場所・ポイントの見立てに自信が無い経験の浅い採集者の方がちゃんとクワガタを採ろうとすると、いきなり林や平地の緑地に突入しても採れない事が多いです。
それなりに事前の調査・下見が必要です。

実際そんな簡単に採りたいのであれば、自分しか知らないポイントを見つけておいてそこに通うのが一番いいです。
だいぶ知られてきた市内の各ポイントでは頻繁に多数の採集者が見られますから、虫は早い者勝ちとなります。こういう場所は虫が出てくる時間帯の早い内に、何ヶ所も、そして数日何度も通わなければ採れません。

自分の勝手な考えですが、
特に親子連れで採集に来た場合なんかだと「早い者勝ちの状況になった時」「下調べ無しのぶっつけ本番になった時」、親ばかり焦って子供をただ引っ張り回すだけで昆虫採集の面白みを大して教えられないし、他の人に虫を採られて自分のところは採り分ゼロかほんの僅かなんて事になれば子供が特に面白くないでしょうし、最終的にそれが親の責任になりなんの実も無い昆虫採集なのかも疑問符が付くような昆虫採集に終始しそうな気がするんですが・・・どうでしょう?、クワガタやらカブトムシだけに固執しないで普通に自然の中で遊ぶならそれもそれでいいと思いますが・・・
更に極端な話をすると、
同じ採集ポイントに二組以上の採集者がぶつかってしまった場合、大人が子供を「出し」にして優先的に自分らにクワガタを採らせろと主張して喧嘩になると云う事も無きにしも非ずです(実例ですしね)。そういうのはやるべきじゃないと云うのは道徳的には分かっていても子供の手前でついつい暴走(?)してしまう事も無い訳ではないですから。
たくさん採りたい方やある程度の確実性を期待して採りに行く方は市内飛び出して八甲田や十和田に行くでしょうし。

市内の採集はアクセスが簡単な分、虫の数に対して採集者の数が多い訳ですから
ある程度自分で場所を探す努力は要ると思います。
たかが虫とは言われようとも、ハエやアリじゃあるまいし家の中で待ってりゃ入ってくるわけじゃありませんからね・・・

そんな訳で、次項では青森市内でクワガタを採集するにあたって覚えておくと良い(かもしれない)木や外灯について、樹液採集編と外灯採集編に分けて載せていきます。





樹液採集
樹液採集は日本全国のクワガタ採集で行われている『ザ・クワガタ採集』ですが、
こと青森市においてはテレビや図鑑で紹介されているポピュラーなクヌギは存在しません。
そして、クワガタの成虫が樹液に集まる木の種類も、多数です。
山の中であればそれこそ多種類の木でクワガタを見る事が出来るのですが、
平地においては土壌の乾燥具合や分布上の違いで種類数は少なく、さらには樹齢の違いにより山では集まるのですが平地では集まらないと云う樹種もあります。

基本的に夜行性と言われるクワガタですが、
日差しが直接当たる場所でなければ真昼でも普通に樹液を吸っているので
採集自体は一日通して行う事が出来ます。
何故か真昼間に棲息木で目立つ場所に樹液も出ていないのにちょこんと付いている事もあります。(上方の樹液から下りてきた個体が休んでいるのか・・・?)
強めの雨が降らない限りは少数になっても樹液に付きます、
・・・が そもそもそんな雨の日にクワガタ採りに行く人はいないですね蛇足でした(苦笑)

樹液は基本的に土壌が潤っている環境に生えた木ほど出しやすく、
そういった意味では必然的に山の方が良い訳です。
池や河川など水場の近くもそれに準じて良いでしょう。
他にも、樹齢を抱えた大木なども雨で急激に水分を吸い上げた後に中の水分が自重で吹き出してくる樹液もありそれもクワガタをおびき寄せるものとなります。
それで簡単な解釈で考えますと、梅雨明けが顕著ですよね。
雨がそれまで大量に降っていたわけですからね。

また、木の細い枝を自分で齧って樹液をすする事もあり、
主にアカアシクワガタ・ヒメオオクワガタ・ノコギリクワガタ・スジクワガタで見られます。
あとカブトムシもですね(齧るんじゃなくて削るんですね)

樹液の出ている木は近づくとそれなりににおいがします。
特ににおいの強烈な樹液だと、アリをはじめ山の方まで近くなるとチョウ・ガ・スズメバチ・コメツキ・ケシキスイ・カナブン・ハエ等、様々な昆虫が集まり随分賑やかな光景を見る事が出来ます。
以下の2つの画像はつい最近の青森市内のものです。
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 【場所(グループ分け)】 里山
 【樹種】 ヤナギ
樹皮の剥げた場所やカキミリが開けた多数の産卵痕・脱出孔から樹液が染み出し、
多数のノコギリクワガタ・コクワガタがその場にいました。
木の穴の奥を照らすと何頭かコクワガタが潜んでいる模様。

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 【場所(グループ分け)】 林縁住宅地
 【樹種】 ヤナギ
周囲に立ちこめる強烈な発酵臭とともに大量のカナブンが犇めき合っています。
この場にはカブトムシ・コクワガタ(スジクワガタ?よく確認しなかった)・スズメバチ(未同定)・ガ多数・カナブン・ヨツボシケシキスイ・ヨツボシオオキスイ等が居り、カナブン同士の喧嘩やスズメバチに追いやられるカナブン等騒々しい光景が広がっていて、駆逐された個体が周りをブンブン飛び回っていました。


さて、次にどんな場所の木に成虫が居るのかですが、
つまるところそこが生息できる環境なのかが重要です。
特に山の方に行けばクワガタの生息できる環境は整っているので
主に【住宅市街地】~【郊外住宅地】で採集を行う場合に重視する点を記します。

クワガタが生息する最低限の環境として・・・

① 成虫が後食する樹液が出る木の有無

② 幼虫の生育できる枯れ木の有無

③ 成虫が日射や天敵から身を隠せる場所の有無

これが必要です。

この3つを樹液採集解説の核として説明します。

因みにこれはクワガタの中で特に環境の乏しさに強いコクワガタについての事で、
土中で羽化するノコギリクワガタやミヤマクワガタはさらに土壌環境等も加味します。
また、上記3つは最低考慮する点で
後は外灯が近くにどのくらいあるかとか土地の乾燥具合等さらに細かい条件に合う場所だと更に「採れる」可能性は高くなります。
意外とクワガタって棲息環境に節操が無いですよ(笑)

幼虫(主にコクワガタ)が入れるのは、
・立ち木の枝の内、枯れている所
・立ち木の幹が一部枯れている所
・立ち木全体が枯れている物(立ち枯れ)
・木が枯れて折れている物/伐られてそのままの物
・伐られてまとめて一ヶ所に積まれている木が枯れた物
・枯れて伐られた木がまとめて一ヶ所に積まれている物
・枯れ木(枝)/折れて(伐られて)朽ちた木が土中に埋没した物
・折れた(伐られた)木が土中に埋没して腐朽した物
・人工的に置かれた木(ベンチ・標柱等)が腐朽した物

ざっとこんな感じでしょうか、
これらと成虫が来れる木が近くにあるかを見ます。

樹液の出やすい場所やタイミングはもう既にさっき書いたとして、
今度はクワガタ採集に一番重要な樹種の説明に入ります。

特に、成虫が『来る樹種』『来ない樹種』の両方を知るのが大事です。
(どちらかと云えばこの点は山の中の採集の時に重要なんですが)
平地の採集の場合は『来る樹種』は本当に限られているので
それだけを覚えていれば後はの工程に入るだけです。
特に平地の限定的な環境だと、
このの工程からの工程はやってみればすぐに完了します。


あからさまにいない環境としては、
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街中の街路樹とかはやっぱり無理でした(笑)(一応真面目に探してみました)
幼虫は入れない(枯れてない)、
樹液は出てない(水はけが良くて木も若い)
外灯が多いし車の通りも激しく、大型の甲虫がいるとすればゴマダラカミキリくらいで。


そしていた環境として例をあげて紹介すると、
CA3I0068.JPG
草地ですね。
画像の向こうに見える孤立した二十本程度の林がそこの木全部で
その周囲は一帯草地です。
この場所のグループ分けとしては【郊外住宅地】ですが、ここでは上記①②③全ての条件をギリギリ満たしているような場所で、コクワガタのみが生息していました。


では、青森市内の人の生活圏で見られる主な樹種を解説していきます。
説明は主に青森市内での場合どうなのかと云う事を念頭において行います。
(ちなみに主観的な解説なので間違った点やずれている点があるのは記事を通してご容赦願います)


まずは成虫が付く木から↓↓
ヤナギ
ヤナギ.JPG
市内の平地での採集で最も頼りになるのがヤナギです。
ヤナギと云っても細かい種類がいくつもあり、人の背丈より一回り高いくらいの灌木から、樹高10m以上の高木まであります。
密に茂った細い葉が主な特徴で遠目に見ると緑の★マークが密集して見えます。

水際や河川敷・公園から空き地の隅など、隙あらば生えていると云った感じです。
低木や灌木の場合、幹や枝を齧っている個体を見る事が出来、
高木の場合、幹から出た樹液を吸う個体が見れます。
ミズナラ
ミズナラ.JPG
平地のヤナギに加え、林縁住宅地くらいになるとミズナラも主要な探し場所です。
ある程度樹齢を重ねると樹皮が薄く剥がれるようになります。
根元や見上げるような高さなど、様々な高さで樹液が出ています。
剥がれて浮いた樹皮が覆いかぶさって、
付いているクワガタを見落とすこともありますので注意深く見る必要があります。
サクラ
サクラ.JPG
これを「樹液採集で採れる樹種」に含めるかどうか悩みましたがこちらにまとめてしまいます。
一般的には樹液に集まりませんが、街路樹や公園樹として植えられていることもあって、幹の表面・凹凸や樹洞にいる個体を発見する機会が意外とあります。
特に、幼虫の生育場所としてこのサクラが利用されているので
羽脱直後の新成虫が幹にとまっているのを見る事ができますので、虱潰しに探す場合枯れ枝を有している物ならサクラも見てみると良いかも知れません
なお、黒く光る虫をこの木で見かけたら十中八九がゴキブリです。
クリ
クリ.JPG
縁にギザギザが付いた長い葉が特徴の木でイガグリ(実)が付く事で見た目にも分かりやすいのがクリです。
樹皮は縦に大きくひび割れていて、大体そこから樹液が出ます。
ただ、幹回りが細い(直径20cm程度以下)若い木だと幹も綺麗で樹液もまず出ないのが多く、平地でも見る事は出来ますが個人の庭などに植えられているのが多いので探すには場所を選ぶ必要があります。
特に秋などは注意が必要です。
コナラ
コナラ.JPG
ミズナラなどと比べると目に付く数は少ないです。
平地でも生えているのですがやはり数は極端に少なく、生息条件に合う物は皆無に等しいです。
樹皮は縦に大きくひび割れていて葉はミズナラの小型版です。
ハルニレ
ハルニレ外観
ハルニレ葉形
青森市では郊外の林の所々で群生しています。地理的には、平地の乾燥した林よりも水場が近くにあるような山寄りの湿気った林でよく見られます。
樹皮は縦に細かくひび割れてペリペリと剥がれやすいのが特徴。葉は倒卵型で縁はギザギザになっています(二重鋸歯)。ちょっとサクラに似ているかもしれませんね。
樹皮が薄く軟らかく、すぐ樹液を出す為クワガタの主要な後食木として利用されています。梅雨明け以降になれば、流れている樹液で黒く変色しているのを見つける事ができます。
ポプラ
ポプラ.JPG 平地において主に学校や公園に植えられている木です。
三角形(ハート形?)の葉をつけていて、直立した幹から綺麗に上方に向かって枝を伸ばすセイヨウハコヤナギと呼ばれる種類や、品種改良された種類などいくつか見られ、その内どのような物でもクワガタが採れるのかは未確認。
根元や幹から樹液が出ていると採れますが、主に平地でしか見られない木なのであまり条件の良いものは見られないのが厳しいところです。
カエデ
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独特の星型の葉と滑らかな樹皮・あまり直立せず生えるのが特徴。
これも本来は山の中でなら集まる事があるのですが、街路樹・公園樹・庭木として植わっているものは幼木がほとんどで、少し太いくらいのものでは住宅地ではまず集まってきません。 屋敷林や寺院などでは規模が大きいものがあるかと思いますが。

ただ、探してみたら実際本当に採れてしまったので載せておきます。
上記画像はなかなか太さがある大木で、根元が腐りかけで樹液が出ていましてコクワガタとノコギリクワガタがいました。
【郊外住宅地】。場所的に少し感動しました。

基本的にこれらが「来る樹種」です。
個人宅の庭木の中にもクワガタの集まる物があるかもしれませんが
流石にそれを実走調査するのは諦めます。

次に成虫が付かない木です↓↓
プラタナス
プラタナス.JPG
街路樹や学校でよく見られる木で巨大な葉と灰色と緑のモザイク状の幹が特徴です。
アメリカシロヒトリの食害に遭いやすい木として周辺住民からはあまり好まれません。
ハリエンジュ (ニセアカシア)
ハリエンジュ.JPG
葉の生え方(奇数羽状複葉)や楕円形の葉の形が遠目でも分かりやすい木で
白い花の観賞向きな事や、蜂蜜を作る蜜原として比較的有用な木ではあるのですが、繁殖力が強く河川敷や荒れ地でまとまって生えている事が多いです。
また、若い枝には名前の通り棘が生えています。
樹高も高く20mを越えます。
イチョウ
イチョウ.JPG
扇形で黄色く紅葉する葉、実(銀杏)など一目でそれだと分かる木で、
街路樹・公園樹・庭園・学校など様々な場所で見られます。
ケヤキ
ケヤキ.JPG
神社や公園で多く植えられており、
平地にあるものでも皆巨木になっているので存在感があります。
樹皮がうろこ状に剥がれ、幹も基本的に滑らかです。
トチノキ
トチノキ.JPG
直立した幹と倒卵型の巨大な葉が特徴。
幹はこまかい筋のような溝をつけています。
ナナカマド
ナナカマド改.JPG
赤く紅葉する事や赤い実が付き、街路樹・公園樹・庭木として見る事が出きます。
山地ではこれもクワガタの来る木にはなるんですが、今のところ平地でそのような光景は見られません。


①幼虫が棲める場所、②成虫が来る樹種が見つかったら、
あとは成虫が隠れられる環境かを確認します。

基本的に成虫がどんな所に隠れるかは、
次の2つの条件のどちらかを満たしている必要があります。

1・・・成虫の付く木の幹のどこか

2・・・成虫の付く木の根元

木の幹が凹凸状にうねって隠れ場所になっていたり
木の内部が一部腐って樹洞のようになったり
昆虫が齧って幹に穴を開けたり樹皮を形成層から剥がして浮かせたりと
これらの要因でクワガタが樹上で隠れる事が出来るのならば有望となります。
それが無かったとしても、
木を下りて根元に隠れる場所があるか
土中に潜れるか厚く落ち葉や落ち枝が積もっていれば
採れる可能性はあります。

因みに、
木の根元の状態を画像で例として見ると
湿潤な根元改.JPG
いる木
こんな感じに草葉が木の根元を覆っていて、
尚且つ湿度も保たれている所が成虫の隠れ場所としては合格点でしょう。

反対に、
乾燥した根元.JPG
いない木
根元の地面がむき出しで尚且つ乾燥しています。
土も踏み固められ土中に潜る隙もありません。


これでもって後は木の周辺を見回って夜に来るなり朝方くるなりすれば
いる所では採れますので、
そういう場所を多数見つければこの夏も十分採集を楽しめる事でしょう。
また、同じ木には後から後から順番待ちでもしているかのように別の個体がやってくることもあるので、また同じ所で採りたいと思うのであれば、探った木は極力人為的な環境変化(樹皮を剥いだり掘り返した土をそのままにしたり)を加えないようにしましょう。

そして最後に、
本当にギリギリの環境に生息している場合は無い事なんですが、
それより少しばかり環境が豊かなエリアだと、幼虫がいる木から成虫が付く木が多少離れていていくつかその木の場所が点在していると、
「この木は去年は付いていなかったけど今年は付いていた」
と云う現象もおきます、ご留意を。





外灯採集
外灯採集は、正の走行性により灯りの近くに飛んできたクワガタを採集する方法です。
北海道や東北では特にスタンダードな採集方法です。

時間帯としては、日没直後から午後10時くらいまでが外灯採集のベストとして基本的に考えると良いのではないかと思います。
日没時間帯は、夏至を過ぎると段々早くなりますので飛んでくる時間帯や採集可能な時間帯もそれに比例してきます。
極端に言えば、日没間際から日付変更後まで可能と云えば可能なんですが、
オオクワ採集ならまだしも普通種ならそこまで徹底する必要はないでしょう。

外灯採集をするにあたっても、樹液採集に比べると適正な採集可能条件は厳しく、
単純に「灯り」なんて言っても街中から山の中まであちこちにあります。
なので、
・近くに幼虫が入る木があるか成虫が集まる木があるか
・街灯の光が多過ぎず干渉し過ぎないか
・虫が集まる光か
・月がどのくらい出ているか
・湿度/気温は高いか
・雨は降っていないか (「飛べる」雨もありますが)
を基本的に考慮します。


近くに成虫が集まるような木や林があれば、
シーズン中近くの灯りに飛び込んでくる個体はいますし、
幼虫が入っている木が近くにある場合、羽化して木から出てきた個体がその時だけ灯りに飛んできます。
(四季がある日本では新成虫が羽脱するタイミングはある程度時期が限定されています。)


灯りが多過ぎると採集者としてはどこにクワガタがどの灯りに飛んでいくのか分かりませんし全く灯りに寄りつかない状態になる事もあるでしょう。
なので、ある程度外灯の絶対数も少ない場所の方がいいのです。
因みに、この外灯採集の項では前述の地域グループ分けの範囲を、
採集可能な【林縁住宅地】【里山】に絞っての話とします。


そして灯りの種類も、外灯採集するにおいて重要です。
前述したように、事前の調査や下見を行うのも非常に大事です、どれだけ自分の貯蓄(採集できる場所を知っている数)を持てるかが大事なのは樹液採集と同じです。
しかも外灯採集は、樹液採集よりもクワガタを拾える数も少なく確率が低いのが現状です。特に十和田あたりの多産地と違ってこちらは青森市でたくさんの人が生活している中でですから・・・
その分、灯りの近くを探すだけで良いので1ヶ所あたりの探す労力は樹液採集より減るので採集候補場所自体はたくさん見つけられるはずです。
山の中から海の近くまで・・・どこでも採れますから(いればね)

勿論、最終的に採れるかどうかは様々な要因によって左右されますが、
小さな白熱電球の灯りでも飛び込んできます。
話を逸らしますが、山の中にあれほどたくさんの種類の昆虫がいながら灯りに飛び込んでくる昆虫(特に甲虫なんか)はだいぶ少数の種類に限定されるのに、その中でよくまぁクワガタなんてインパクトのある虫がこの中に混ざっているもんだなと今更ながら凄く感動と云うか不思議に思いますね。

ただし、従来の灯りの代替として普及しているLED照明は、
全く外灯採集においてクワガタを誘引する機能を果たしません。
紫外線をほとんど出さないので昆虫が反応せず周囲にはあまり昆虫が集まって来ないのでそう云う灯りは真っ先に無視します。

照明器具の知識はほとんど皆無なのですが、
以下に少しだけ種類別の説明をしてみます。
蛍光灯
自販機昆虫採集.JPG
建物内外の灯り・電柱に点いてる防犯灯・街灯・ネオン・自販機と、
照明用途のほぼ全てに使われています。
特に自動販売機は重要で、当たりのポイントならば飛来に適した天候の日なら高い確率で拾えます(写真は青森市某所でミヤマの♀が2、3頭いました)
蛍光灯.JPG
稀に防犯灯の灯りに飛び込む個体もいますが、現在青森市内でも防犯灯がLED化しており、こうなってしまうと採集に向かないので見回り候補からは除外した方がいいでしょう。
ナトリウム灯
ナトリウム灯.JPG
主に道路照明に使われ色は橙色(オレンジ)のものが多いです。
山奥の採集でなら有用な外灯だと思うのですが、人里近くで探す際にはまず注視して探す必要は感じられません。
水銀灯
水銀灯.JPG
昆虫採集において最も有用かつ有名、さらにポイントを探し出しやすい外灯と言えます。
街灯・施設の敷地を照らす照明として、本来の用途で使われる環境が同時に昆虫を集めやすい環境であることも少なくなく、ガや羽アリをはじめとして多くの昆虫が周囲を飛翔している事が多いのでそこは大変有望と言えるでしょう。
メタルハライドランプ
メタルハライドランプ.JPG
水銀灯よりも更に強力な照明として、かなり高い位置から照らす場合(かなり広い面積を照らす場合)にこれが使われる事が多いです。
明かりが強いので、裸眼で光源を直視するのが憚られます。
照明としての範囲が広いことから、より広範囲から虫を引き寄せる事が出来るので
これがある場所は非常に有望な採集スポットになります。
採集場所を探す際も、このライトは非常に光量があるので遠い場所からでも採集ポイントを割り出す事が出来る場合が多いです。

ただ、これが使われている場所は商用施設の広い敷地の中であったりすることもあるので、
その場合は採集できるかどうかは別問題になります。


元々知識があまり無いにしてもだいぶ説明を端折りました(汗)
取り敢えず、この4種類どれでもクワガタが飛んで来ますが
特に見るべき探すべきは後半の2つと云う事です。

また、シーズン中期になると
飛んでくるポイントではコウモリやカラスなどの鳥獣に食われてしまった頭部などの死骸が残って外灯の近くに落ちていることもあるので、
昼間にポイントを探す場合それも見てみると良いでしょうね。

ただ、ちゃんと採集するタイミングが結構難しいのがこの採集法で、
灯りの種類が合ってても、夜寒かったり雨が降っていたり風が強かったりすれば見に言っても空振りする事が多くなります。
青森と云う土地柄、やませの影響も結構大きく受けたりもします。
また、明かりの周りの環境も採集成果に反映されまして
外灯の隣に木が植えられていて飛んできた個体がそこに着地しちゃって手が届かなくなったとか、外灯の周りは一面草地で飛んできて落ちた個体がどこに居るのか分からなくなってしまったとか、怖いおじさん(メ)の家の敷地に入っちゃったとか
クワガタを採るまでになんかしら珍事(?)が起こったりするのもこの採集の難しいところです。

そして、外灯採集の特徴として、
クワガタの飛来数としては圧倒的に♀が多く大型の♂の飛来が少ない点があります。
♀は、体が軽く飛翔能力に優れている事と、産卵場所を探し飛ぶために明かりに引き寄せられ易いのです。
そして♂は、羽脱して後食場所を探すために飛ぶ事は必ずあるのですが、木を見つけた後は体の大きい個体ほどその場を優先的に陣取る事が出来ますので、小さな個体は大きな個体や別の大型昆虫に締め出されて結果的に飛ぶ頻度が増え明かりに寄せられる確率は上がります。
大きな個体は、その木から直接光が当たるか、物理的な衝撃でその木から大きく離れた所に落ちて飛ばされるか、その木の樹液が枯渇しなければなかなか飛ばないのではないでしょうかね。



採集にあたって注意する点も記しておきます、
人の生活圏で採集する事を前提としているので書かねばならないのですが、

夜間懐中電灯を持って探していても、他人の家には絶対に直接光を当てないでください。
特に窓とかは論外です。

車の往来がある場所では周囲に車が近づいていないか確かめながら採集しましょう。

車で採集に来ている場合は、採集中の車の処置には気を配る事。
車を降りるときは道を塞いだりしないよう、また人家が近いならエンジンも止めるべきです。

不法侵入にならない場所での採集にとどめましょう。
特に個人の家の庭とか衛生管理が屋外でなされる様な場所とかは・・・

人家近くの場合、同じ場所に長時間とどまらないようにしましょう。
また、大声も厳禁です。

他の採集者がその採集ポイントに先行していた場合、場所が広すぎない限りはスルーして別の場所に行くか帰るかしましょう。
これに関してマナー上の解釈は人によりけりですが、後から来た方が採ると横取りのような状況になったり不測のトラブルに発展する可能性を孕んでいます。

採集中に近隣住民から声を掛けられたら
挨拶して素直に昆虫採集だと説明しておきましょう。
状況次第では、そう言っても素直に信じてくれなかったりしますけどね・・・(苦笑)
そう云った場合、もし既に採っていた物がいればそれを見せるのもいいかと。

採集場所を発見しても気軽に場所を他人に公表しない
特にインターネット上では。



因みに、すっごいどうでもいい事ですが・・・

たとえば採集者(=同業者)が近くに居合わせた場合、明らかに懐中電灯やケースや網を持っているのが分かったら声を掛けたり逆に掛けられたりする場合があります。
なかなか無い昆虫趣味の人間の間での交流として情報収集なども含め言葉を交わす事もある種嬉しくも思いますし、
自分が考え過ぎなのか、声を掛けられると
「もしかして挨拶とは名ばかりで、実は別の所に行けよと追い払おうとしてる・・・!?」
・・・なんて勘ぐったりします(そういう大人いるよねぇ~虫捕りに限らず)

そんな時、大体無難な挨拶(言い方悪いな・・・)とくれば
「採れてますか~?」 とか
「昆虫採集ですか?」 とか
「もしかして、虫ですか?」 とか
「今夜は調子どうです?」 とかこういった具合ですが、
聞かれ方の違いに、その聞いてきた相手の人柄やタイプが見えるのではないかと思ったりしました。
(元は仲間内で話した他愛も無いネタなんですが)



 向こう 「クワガタですか~?」
 自分  「(おや、同業者か・・・)」
       or
      「(ライバルだ・・・何採ったのかなぁ)」



 向こう 「カブトムシですか~?」
 自分  「(素人さんかな・・・?)(まぁ素人もプロもないんだけど)
       or
      「(こちらを初心採集者だと思って分かり易い聞き方してくれてるのかな?)」
       or
      「(ターゲットは被ってないな)」



 向こう 「ガですか~?」
 自分  「ふぇッッ!!!?!?!!?



 向こう 「こ ん ば ん はぁ ~」
 自分  「職質きたョォォォォ・・・!!![あせあせ(飛び散る汗)]





と、いう事で・・・
念願のクワガタが採れたら、
後は飼育するなり、観察して元の場所に逃がすなり、
標本として残して部屋に飾るなり学校の宿題として提出するなり
採集から次の楽しみ方に続きますので
昆虫と云う楽しみ方もまだまだ底着きませんよ。



さて、多大な時間を掛け書いてみましたが、
人の生活圏内でわざわざクワガタの採集ポイントを探そうなんて考えの人が市内周辺にどれくらいいるのか・・・
コクワ採集に凝ってなければ俺でもやろうと思わなかったし・・・

何より貴重な夏の時間がブログ記事書く事だけで潰れてしまった(泣)
採集も展足もだいぶ後回しになっています。


取り敢えずまた明日からは採集&飼育&展足三昧になりそうです。
特に採集!!毎晩毎晩毎晩毎晩!!!!






・・・え!? どこで採集するかって??






それはまぁ・・・。青森市内じゃない事だけは確かです。


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残存する地元小学校産コクワガタ [青森の昆虫事情]

今日もコクワのネタです。
そろそろ7月に突入しようと云う今日この頃、世間一般のクワガタ採集の内容としてはそろそろオオクワ採集が本格化する時期ではありますがこのブログでそんなものがそうそう書けるものではありません、お引き取りください(笑)


そして、いつもなら青森県のどこかに行ってきましたと云う導入になるべきところでしたが
今回は、市内、しかも地元での採集です。

地元での採集とは言っても、過去に何度か記事に書いたホームグラウンドではなく
母校のとある小学校での採集です。



極狭い完全にローカルなネタなので採集中の描写はすっ飛ばします。



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


地元の小学校は、山の近い住宅地の中に敷地を持っています。

自分の入学前から当たり前のように学校敷地内でクワガタが採れる事は知られていました。
毎年毎年どこか学年の誰かがクワガタを見つけてケースに入れて皆で観察して遊んで飼う、このパターンは一定の割合でいました。

当時その敷地内には
・サクラ
・マツ
・ポプラ
・イチョウ
・シラカバ
他いくつかの種類の木が植えられていました。
(他にはたしかネムノキとかあったような・・・)

この内、クワガタを採るためには
校庭のポプラの樹液やその周囲の樹皮めくれを見ていくことが「狙って」採るほぼ唯一の方法でした。
それ以外には、偶然変な場所に待機している個体を見かけるぐらいです。
朝から夕方頃までしか学校にいないわけなので、
活発に動き出す時間帯は探してはいませんでした。
(夜の学校に行こうと云う事は考えもしなかったかも・・・)

自分が居た当時、敷地内で採れるクワガタは
コクワガタ
スジクワガタ
の2種類だけで他の種類は全く採れませんでした。
(たまにミヤマやノコギリを教室で飼っているのを見ましたが全部違う場所の採集品でした)
こういうところで採れるスジってまず小さい♂が居ないってのがイイんですよ。
過去に自分の教室で飼われていたスジの♂は32~34mmもありました。
(もしかしたら小さな♂は採っても捨てられていたかも知れませんけど・・・)




しかし、そんな小学校のポプラがある年に全部伐られてしまいました。
うろ覚えですが自分がそこを卒業する前後の年度だった気がします。

無残に株だけ残ったポプラを見て、
「校庭が寂しくなってしまったな・・・」と激しく落胆したのを覚えています。






それから数年の月日が流れ・・・

夜の散歩でたまに学校を通る事があり、その時は「昔は小学校で採れたよなぁ・・・」
なんて懐古の情をわかしていただけでしたが、

なぜか
「今小学校で探して採れたりするんだろうか。」
と考えが巡ったのはつい先日でした。




そう云えば今まで夜の小学校でクワガタを探した事あったかなぁ・・・



思い立ったが吉日。  行ったった。


  6月某日

学校の木をきちんと見るのは何年振りのことで
校庭をはじめ校舎脇の林など、意外にも枯れた木が放置されていて
これはクワガタが産卵にこれるじゃないかと新鮮な気分になりました。

校庭の外側は下草が生えていて、もしかしたら発生場所がそこらに埋もれているかもしれませんが自分が把握した分ではクワガタが産卵に来れるような場所(剪定された枯れ枝・木が地面に放置されている場所)は学校の敷地内では2ヶ所に限定されています。

そして、自分が卒業した直後の木の数と今の木の数ではだいぶ違いが見られます。

違いの一つは、ワケあって新しく植えられた木が増えていた事。
そしてもう一つ違いが、自分が在校生だった当時苗木のような細かった木が今はだいぶ成長して大きくなっていた事。
新しく植えられていた木はクワガタとはあまり関係なさそうな木なのですが、
成長して大きくなった木は見るとあのポプラでした。
今はまだ幹回りも細く、樹液をコンスタントに出すには事足りないレベルですが、
このまま発生木も残され、後食のためのポプラも順調に成長していけば
いずれそのポプラの樹液で昼でもこの学校の児童達の目に着く所に出てきてくれる事でしょう。





さて、実際にこの日は何かクワガタが居たのかと云うと、居ました!!!




CA3I0016.JPG
コクワガタ

まさか今の時代になってふら~っと行ってこんな簡単に採れるとは
正直思いもしなかったです。

採れた場所は、
校庭の一角で殆ど朽ちているのになぜか伐り倒されず残っている小さなサクラの立枯れ。
サクラと言えば古今東西学校の植木の代名詞的な重要な樹木ではあるのですが
変な場所に1本だけポツンと・・・しかも小さいし枯れてボロボロになっているのにもかかわらず伐られず残っているのが全くもって意味が分からないのですが、少なくとも樹液も出ていないこんな木を徘徊しているのはつまり、ここから羽脱したという事しかあり得ない・・・
(近くに外灯も無いので飛んできた個体がこの木に付いたわけでもない)

小歯型ですがです。


順々に見て回ると今度は、
自分が在校生だった頃から比較的存在感があった広葉樹の大木の幹と枝に
なんと1♂1♀、2頭も張り付いていたのです。
CA3I0017.JPG
写真では♀のみですがこの後ここから少し上の方の枝で♂も発見。
この木は表面がのっぺりしていてどこからも樹液が出てるように見えなかったですし
2頭ともただ木の表面にべたっと付いていただけでどういう状況か判りません。



そして校庭を離れ、学校の敷地の周りをぐるっと回っている途中、
校舎脇の林の辺りでも1本の灌木にさり気なく付いていたを採集。
CA3I0018.JPG
これも樹種はよく分かりません。サクラではないようですが・・・



 結果

CA3I0021.JPG

     ♂2頭 ♀2頭

夜に来てこんなに採れてしまったとなると、
もしかすれば今の在校生たちも度々学校敷地内で野生のクワガタに触れ合う機会を持っているのかもしれませんね。

ただ、一晩だけの結果なので断言できない事ですが、採れた個体は全部小さくここの環境はクワガタにとって生存ギリギリのラインなのかもしれません。


そして、今回直接木の幹や枝から採集した個体ばかりで樹液採集は出来なかったこともあり、樹液で採れる確率が高かったスジクワガタは見る事が出来ませんでした。
まだこの敷地のどこかにスジクワガタは居るのでしょうか・・・?




そんな課題?を残しつつ、
学校を後にして家路に付くまでの間こんな事を考えていました。




小学校の学区各所で採れた各種クワガタを
ひとつの標本箱にまとめ、
学校へ寄付する事はできないだろうか・・・








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青森市のクロアゲハ [青森の昆虫事情]

最近全然ブログをいじれてませんでした(汗)
ロングスリーパーにとって数十分~数時間を要する記事作成はかなり気力が要る作業です。
なかなかネタもまとまらないですしねぇ…

現在の飼育の概況も、ギラファばっかりなので記事がギラファ続きになるのも変わり映えしませんしもうちょっと内容が煮詰まってからの方がいいと云う事で、
今回はちょっと別ものの内容です。


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2013年の青森市内はとにかく街中でアゲハを見かける回数が例年より格段に多かったです。

No.2もその事に気づいていたことからその数の多さは、

注視しなくても次々目に入ってくるほどのものでした。



そんな去年の秋…10月頃だったと思いますが、
市内のとある家を訪ねた時の事です。


外玄関に置いてあるキンカンの鉢に何気なく目線がいくと、
葉や枝に1cm程のアゲハの幼虫が10頭弱静止している事に気が付きました。

足元の小さな鉢に発生したアゲハの幼虫をこうも多数で間近で観察する機会もそうそうなかったこともあり、その後もその家を訪れる度にさりげなく観察を続けていました。
この時、幼虫の色が若干濁っていた事について、少しの疑問だけは抱いていたんですが直ぐに気にもならなくなりました。


その数週間後、またその家にやって来た時ふと鉢に目をやると、
鳥の糞そのものだった幼虫が皆終令幼虫になっていました。
この時数えた分では、7頭の個体がいました。

ここ数年クワガタばかり見ていた自分は
この色鮮やかなアゲハの幼虫など滅多に見なかった事もあり、
物珍しさからなのかよく覚えていませんが、なんとなく触ってみたくなったのです。






指を近付け、胴体をそっと突つく……



身の危険を感じた幼虫は、
頭部からにゅっと臭角を伸ばし急に体を反らせる…が、





(臭角が)赤い!!!!!
こいつクロアゲハだ!!!!!!!!




クロアゲハは、
元々青森県には生息しておらず十数年前から秋田県から北上してきたと思われる個体が深浦町をはじめとして津軽地方南部に定着し始め、
2000年代に入り数年経つ頃には同地域内での目撃例も増え
2010年代頃には津軽半島や青森市内でも目撃、採集され始め着実に分布を拡大しているようです。
あまりチョウについての情報は自分自身持ちあわせていないのですが、
青森市内での本種の観察例はいずれも山の麓と言ってもいいような郊外でのものが多く、住宅地内での観察例はそれに比べると少ないようです。
(あるにはあるんですけどね)

住宅地内での繁殖となると、人家の庭に植わっているミカン科の木が拠り所となるわけですが、
今回幼虫を発見したのは青森市松森
思いっきり市街地です。
おそらく数年前から市内に侵入してきた本種が柑橘系の庭木を渡りついで
こんな小さな鉢植えに卵を残していったのでしょう。
このキンカンは、直径20cmほどの鉢に植えてあるまだ高さ30~40cmほどの苗で
葉もまだ数えるほどしか付いていません。




驚きと感動が混じるまま、その家の人Xさんとします)にこの幼虫の事を聞いてみると、本人もこの幼虫がクロアゲハであると云う事を知っていたそうです。
夏の終わりごろ、家の周りで黒くて大きなチョウを度々見る事があったそうで
そのチョウがキンカンにとまっているのも目撃していたと云う事でした。
因みにXさん本人はあまり昆虫についての見識は持ち合わせてはいない普通の老婦人です。
しかし、Xさん自身もこの幼虫の成長を楽しみにしていると云う話を聞き
その後もXさん共々無事成虫になる事を心待ちにしつつ、幼虫を見守る事にしました。

家に帰り調べてみると、
やはり幼虫の模様の特徴や他に低地性の黒いアゲハはいないことからクロアゲハと断定。



ところがその翌週(か翌々週)、
Xさんの家に行ってキンカンの鉢を覗いてみると
7頭もいた終令幼虫の姿が3~4頭に減っています。
そして、小さなキンカンの苗には葉が一枚も残っていません。

さらにその次の週になると、
なんと鉢のキンカンには1頭の幼虫も居なくなってしまったのです。

まさかXさんの主人が害虫とみなして全部駆除してしまったのか!? と聞いてみても
そんなことはしていないと言う。
キンカンの鉢自体も結構目立つ所に在るので、
鳥獣によって捕食されてしまったのかと思ったのですが、
Xさんによるとそのような様子も見られなかったと言う。

そうなると、考えられる事は
キンカンに葉が無くなってしまった所為でその鉢を離れ別のエサを探して散り散りになってしまったのではないかという事だけ。



このまま貴重なクロアゲハの姿はもう見られなくなってしまうのか…と
半ば諦めていたその数週間後。
Xさんから1頭の幼虫を見つけたと玄関先で知らされ、
その1頭を見せてもらうと、キンカンの鉢の反対側にある別の鉢の枝先に静止していました。
その鉢はエサとしては不適な全く別ものの種類の植物が植えてありました。

このままでは死んでしまうと焦った我々は、
苦肉の策で自分が幼虫を持ちかえることしか方法がありませんでした。
エサもその場しのぎで近所から頂いたサンショウの枝をカップに入れ、
エサ木を入手するまでそのカップで保管する事にしました。

しかし、青森市内を回ってもミカン科の苗木が見つからず(あるのはリンゴやモモ)、
ついに通販での調達を考えていた矢先、その生き残りの幼虫が息絶えてしまいました。




Xさんに幼虫が亡くなった事の報告とお詫びをし、
また何週間か経った頃、Xさんからまた報告がありました。

Xさんは幼虫を自分に渡した後も念入りに自宅周辺を捜しまわり、
幼虫がいないかどうか見ていたそうです。
そんな中、外に置いていた木の踏み台に変なゴミのようなものが付いている事に気が付いたのです。
取り払おうとしたのですが、よく見ると

それは紛れもなくクロアゲハと見られるチョウの蛹だったのです。

日に当たって色褪せ灰色になった木の踏み台が保護色になり、
尚且つ踏み台の裏側に付いていた事もあり非常に見つかり辛い場所にいました。

無事に蛹になっていたんだと2人でこの事を喜び、
これから来る冬に備え雪が直接蛹に積もらないように対策をして
春まで待つ事になりました。

どこかで他の個体も生きて春を待っている事を願いたいですね。


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青森県の希少な野生昆虫 第6幕 [青森の昆虫事情]

(2018年7月13日画像・説明追加)

1週間ほど前に始まった「青森県の希少な野生昆虫シリーズ」も
6回目を迎えた今回をもちましてようやく最終回と相成りました。

このシリーズは2009年5月末に始めた本ブログ中で一番、
記事作成時間が長く掛かりました。
時間を見つけてちまちま記事を作っていたのですがようやく終わりました、ふぅ~

さて、今回は昨日に引き続きDランクの後半からになります。
第5幕では、トビムシ目・バッタ目・ガロアムシ目・カメムシ目・
アミメカゲロウ目・コウチュウ目をリストアップしてきましたが、
今回は、ハチ目・チョウ目とLPランクの昆虫です。





要調査野生生物 (Dランク)
・ ・ ・ つ づ き ・ ・ ・


ハチ目 ナギナタハバチ科
トガシオオナギナタハバチ
CA3I0749.JPG
(2018年6月3日・十和田市)
《青森県では》
1999年に十和田市蔦温泉付近で1♀が見つかっているのみ。
成虫は5~6月に出現する。



ハチ目 シリアゲコバチ科
オキナワシリアゲコバチ
《青森県では》
弘前市、八戸市から得られている。
成虫は8月頃に出現する。



ハチ目 セイボウ科
オオセイボウ
オオセイボウ.JPG
(2016年9月上旬・鰺ヶ沢町)
《青森県では》
黒石市、鰺ヶ沢町で記録されている。
成虫は8~9月に出現する。



ハチ目 ベッコウバチ科
イワタツツベッコウ
《青森県では》
古い記録では青森市浅虫のみだったが近年岩木山麗でも見つかっている。
成虫は6月頃から出現。



ハチ目 ベッコウバチ科
フタモンベッコウ
《青森県では》
青森市横内、黒石市、つがる市旧森田村、八戸市で記録がある。



ハチ目 ドロバチ科
オオハムシドロバチ
《青森県では》
西目屋村、黒石市、平川市平賀、弘前市座頭石などの低山地で見つかっている。
成虫は7~8月に発生。



ハチ目 アナバチ科
ミカドジガバチ
《青森県では》
白神・八甲田・十和田の各山地で見つかっている。



ハチ目 アナバチ科
ヤマトコトガタバチ
《青森県では》
つがる市旧木造町館岡とつがる市平滝沼の僅かな採集例しかない。



ハチ目 アナバチ科
コウノスジガバチモドキ
《青森県では》
新種記載に使われたつがる市旧木造町の記録がある。
成虫は8月に活動する。



ハチ目 アナバチ科
シモヤマジガバチモドキ
《青森県では》
十和田山地からのみ得られている。
成虫は9月に活動する。



ハチ目 アナバチ科
エゾアリマキバチ
《青森県では》
黒石市で4個体採集記録がある。
詳しい生態は不明。



ハチ目 アナバチ科
アギトギングチ
《青森県では》
1984年に十和田市宇樽部・休屋で採集されて以降記録が無い。
詳しい生態は不明。



ハチ目 アナバチ科
キスケギングチ
《青森県では》
平川市旧平賀町からの2個体しか採集例がない。
成虫は7~8月に活動する。



ハチ目 アナバチ科
コシジロギングチ
《青森県では》
平川市平賀、黒石市、梵珠山、弘前市相馬などで採集記録がある。
成虫は6~7月に活動する。



ハチ目 アナバチ科
キユビギングチ
《青森県では》
十和田山地から得られている。
成虫は6~8月に活動する。



ハチ目 アナバチ科
ハクトウアワフキバチ
《青森県では》
弘前市岩木山・相馬、黒石市で確認されている。
成虫は6月頃に活動する。



ハチ目 アナバチ科
マエダテツチスガリ
《青森県では》
大鰐町、平川市碇ヶ関・平賀の低山地で得られている。



ハチ目 コハナバチ科
ヤスマツフシダカコンボウハナバチ
《青森県では》
岩木山麗、平川市碇ヶ関、青森市で得られている。
成虫は8月上旬から9月中旬に発生する。



ハチ目 ケアシハナバチ科
シロスジフデアシハナバチ
《青森県では》
尾駮沼周辺と十三潟周辺で得られている。
成虫は9月頃出現する。



ハチ目 ハキリバチ科
クズハキリバチ
《青森県では》
黒石市と岩木山百沢だけで得られている。
成虫は8月に現れる。



ハチ目 コシブトハナバチ科
カグヤキマダラハナバチ
《青森県では》
過去の記録では岩木山で3個体が得られているのみ。
成虫は8~9月に活動する。



ハチ目 コシブトハナバチ科
オカモトキマダラハナバチ
《青森県では》
弘前市内と岩木山麗のみで得られている。
成虫は7~8月頃に活動する。



ハチ目 コシブトハナバチ科
ハイイロヒゲナガハナバチ
《青森県では》
深浦町だけで得られている。
成虫は6~7月に現れる。



ハチ目 ミツバチ科
ニセハイイロマルハナバチ
《青森県では》
毛無山と五戸町だけで得られている。



チョウ目 メイガ科
ヒメキテンシロツトガ
《青森県では》
つがる市大滝沼・ベンセ沼などの湿地帯から記録がある。



チョウ目 メイガ科
モリオカツトガ
《青森県では》
東通村大利から記録がある。



チョウ目 カギバガ科
マンレイカギバ
《青森県では》
八甲田山湯ノ澤、青森市駒込、深浦町十二湖からの記録がある。



チョウ目 トガリバガ科
ナガトガリバ
《青森県では》
南部町名久井岳、深浦町十二湖で記録がある。



チョウ目 シャクガ科
ヨツモンマエジロアオシャク
《青森県では》
深浦町十二湖と野辺地町烏帽子岳から記録されている。



チョウ目 シャクガ科
チャホシホソバナミシャク
《青森県では》
1984年の新種記載で使われた東通村大利が知られている。
詳しい分布や生態は不明。



チョウ目 シャクガ科
シラナミナミシャク
《青森県では》
1979年に田子町白萩平から記録されている。



チョウ目 シャクガ科
ギフウスキナミシャク
《青森県では》
つがる市ベンセ沼・平滝沼、青森市月見野・新城・高田・朝日山から記録がある。



チョウ目 シャクガ科
キジマソトグロナミシャク
《青森県では》
鰺ヶ沢町二ツ森、青森市滝沢、十和田市焼山・子ノ口から記録がある。



チョウ目 シャクガ科
トビスジトガリナミシャク
《青森県では》
つがる市平滝沼から記録されている。



チョウ目 シャクガ科
ホソスジハイイロナミシャク
《青森県では》
十和田市睡蓮沼から記録されている。



チョウ目 シャクガ科
ヒメウラベニエダシャク
《青森県では》
青森市雲谷・田茂木野・矢田・高田・滝沢、東通村大利で記録されている。



チョウ目 シャクガ科
カバシャク
《青森県では》
青森市田代平、大鰐町高野新田などの記録がある。
4月下旬~5月に出現、昼行性。



チョウ目 スズメガ科
イブキスズメ
《青森県では》
青森市朝日山、野辺地町烏帽子岳から記録されている。



チョウ目 スズメガ科
ミスジビロードスズメ
《青森県では》
十和田市蔦、鰺ヶ沢町二ツ森で確認されている。



チョウ目 スズメガ科
コウチスズメ
《青森県では》
津軽湯の沢、蔦ダムでの記録がある。



チョウ目 シャチホコガ科
ヘリスジシャチホコ
《青森県では》
東通村大利から得られている。
詳しい生態は不明。



チョウ目 シャチホコガ科
アマギシャチホコ
《青森県では》
十和田市蔦、新郷村迷ヶ平で記録されている。



チョウ目 コブガ科
キタオオコブガ
《青森県では》
青森市新城・滝沢・矢田で記録がある。
詳しい生態は不明。



チョウ目 ヤガ科
オオモリケンモン
《青森県では》
青森市朝日山で記録されている。



チョウ目 ヤガ科
ネジロシマケンモン
《青森県では》
十和田市焼山からの記録がある。
詳しい生態は不明。



チョウ目 ヤガ科
タテスジケンモン
《青森県では》
湿地帯に生息し、東通村小田野沢・大利・野牛、六ヶ所村鷹架沼・内沼、
三沢市仏沼、小川原湖、下北半島での記録がある。



チョウ目 ヤガ科
ウスハイイロケンモン
《青森県では》
十和田市焼山から1♂採集された記録がある。
詳しい生態は不明。



チョウ目 ヤガ科
ヘリボシキノコヨトウ
《青森県では》
十和田市蔦から1♂の記録がある。



チョウ目 ヤガ科
オオシラホシヤガ
《青森県では》
つがる市亀ヶ岡で2個体が記録されている。



チョウ目 ヤガ科
クロヤガ
《青森県では》
青森市城ヶ倉、鰺ヶ沢町赤石川で記録がある。
昼夜の観察例がある。



チョウ目 ヤガ科
オイワケクロヨトウ
《青森県では》
平川市軍馬平からの記録がある。



チョウ目 ヤガ科
シロオビヨトウ
《青森県では》
屏風山や鷹架沼で記録されている。



チョウ目 ヤガ科
ギンモンセダカモクメ
《青森県では》
つがる市屏風山、七戸町榎林で確認されている。



チョウ目 ヤガ科
ハマセダカモクメ
《青森県では》
国内での記録は非常に少ない。
県内では1977年8月の深浦町岩崎の海岸沿いで1♂が記録されている。



チョウ目 ヤガ科
セブトモクメヨトウ
《青森県では》
つがる市高山稲荷、野辺地町烏帽子岳の記録がある。



チョウ目 ヤガ科
エゾスジヨトウ
《青森県では》
東通村大利で確認されている。



チョウ目 ヤガ科
ヨコスジヨトウ
《青森県では》
つがる市平滝沼を含む屏風山地域で確認されている。



チョウ目 ヤガ科
ウスキモンヨトウ
《青森県では》
唯一東通村小野田沢から1♂のみ記録されている。
詳しい生態は不明。



チョウ目 ヤガ科
シロミミチビヨトウ
《青森県では》
つがる市屏風山で記録されている。



チョウ目 ヤガ科
ハイイロヨトウ
《青森県では》
青森市萱野茶屋・魔ノ岳、十和田市焼山、平川市軍馬平、黒石市黒森山
で確認されている。



チョウ目 ヤガ科
ウスクモヨトウ
《青森県では》
田子町白萩平から記録されている。



チョウ目 ヤガ科
ホソバウスキヨトウ
《青森県では》
1986年東通村尻屋崎の記録がある。



チョウ目 ヤガ科
ヒメシロテンアオヨトウ
《青森県では》
八甲田大岳、十和田市子ノ口で記録されている。



チョウ目 ヤガ科
アルプスギンウワバ
《青森県では》
八甲田山(千人岱・大岳など)から記録されている。
昼夜観察できる。



チョウ目 ヤガ科
ヒメシロシタバ
《青森県では》
つがる市大滝沼・平滝沼、弘前市岳・悪戸などから記録がある。



チョウ目 ヤガ科
フシキキシタバ
《青森県では》
県内では弘前市旧岩木町百沢で採集された2個体しか記録が無い。
食樹はクヌギだが、県内にクヌギは自生しておらず
県内各地に点在する植樹されたクヌギに依存しているのか
他の樹種を食樹としているのかはっきりしていない。



チョウ目 ヤガ科
ウゴウンモンツマキリアツバ
《青森県では》
青森市新城・矢田、東通村大利、鰺ヶ沢町長沢、弘前市岩木山柴柄沢
などで記録されている。



チョウ目 ヤガ科
ハスオビアツバ
《青森県では》
三沢市仏沼、つがる市屏風山(平滝沼・ベンセ沼)、東通村大利、六ヶ所村鷹架沼
から記録されている。



チョウ目 ヤガ科
カサイヌマアツバ
《青森県では》
1981年・1982年につがる市平滝沼湖畔で採集された記録がある。




地域限定希少野生生物 (LPランク)


コウチュウ目 テントウムシ科
ルイヨウマダラテントウ 十和田市蔦個体群

《分布》
北海道~本州(岐阜県)に分布。
ルイヨウボタンを主食にする個体群とジャガイモを主食にする個体群があり
本地域の個体群はルイヨウボタンを主食としている。
県内では産地が点在している。

《備考》
本種は当地域をタイプ産地として記載された。
食草自体は国立公園内のため保護されているが個体数が年々減少している。
(本項では、個体数減少は採集によるものが原因の一つではないかと締めくくられている)

《コメント》
あちこちで「採集が激減の要因」と書かれたりするけど
なんか納得ができる言い訳が見つからないから
全てこれで片付けようとしているんじゃないか、としか思えないな。
捕食性昆虫とのバランスとか繁殖エリアの移動とか色々
人間が説明しきれないバイオリズムみたいなことがあると思うんですけどね。




   以上、
   EXランク・・・・・・・3種類
   Aランク・・・・・・・23種類
   Bランク・・・・・・・24種類
   Cランク・・・・・・・93種類
   Dランク・・・・・・121種類
   LPランク・・・・・・・1種類

           計265種類




データは青森県レッドリスト2010年改訂版から抜粋・加筆

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