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日昆 採集記 【2017年】 ブログトップ
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2017年初点灯採集 土砂降り&低温 [日昆 採集記 【2017年】]

オオクワガタも飛ぶようになり、いよいよ夏のシーズンが始まりました。
前回の記事の通り、自分もハイワット機材を導入したという事でその初点灯に行ってきました。

今回の記事では、その点灯を行った2晩分の内容をざっくりと記しておきます。


 第1夜・初陣 6月10日 土砂降りの初運転
6ヶ月の長い沈黙を破り、漸くこの日がやってきました・・・
この日のメンバーは
・自分
No.2
No.6
No.7
の4人。
ライトの初運転は絶対にこの4人で揃ってやりたかった・・・。気合が入っています。

向かった先もこれまた「絶対にここでやりたい!!!!」と前から決めていたエリアで、
それは通常青森でクワガタ採集をする時のド定番・十和田ではありません。

今日は月齢は最悪・・・つまり満月で夜に上る日なのですが、出発時点の観測では低気圧で雲が掛かっているため、なんとかライトが効くと前向きに捉えて現地へ向かいました。

CA3I0499.JPG
やや出発が遅れ、目的のエリアの山に入ったのは午後6時過ぎなのですがこのあたりで車のフロントガラスに水玉模様が増えてきました。

そしてさらに長い未舗装路を延々と進み辿り着いた目的の点灯ポイント、
この時点で既に車のワイパーは全開で動かしていました・・・(泣)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


到着時点で既に19時半
車を停めて早々に荷物を下ろし組み上げ点灯!!!!!

CA3I0500.JPG
普通であれば初点灯時なら、このライトの明かりが始動と共に段々強くなっていく様子を噛み締めるように見守っていたいところでしたがそんな事よりも腹が減って寒い!
昼から何も食べてなかったので雨にうたれて身体がすっかり冷え切ってしまってそれどころではないのです。
ライトなんてこんな状況でやってまともにクワガタが採れるワケがないから一刻も早く弁当が食いたいのです!
・・・あ、言っちゃった・・・


点灯を確認後、光が強さを増していく水銀灯を尻目に皆で車に戻り
山に入る前に買っておいた牛丼弁当を皆でかきこみました。しっかり冷めていました。

ちなみに、
今年はこのエリアは残念ながらハズレの年で、道路が工事で封鎖されて行けなくなっているポイントがいくつもあります。
今回来たこのポイントもそんな封鎖区間のすぐ近くにあり、自分たちは「こんな山のしかも行き止まりの場所に来る奴らなんて俺らぐらいだよな~(笑)」と話していたのですが、驚いたことにこんな山奥でこんな時間に車が停まっているのが見え、一同驚きました。
「雨降りの中とは言え、もしレジャーで来ていたんなら発電機の音とか水銀灯の光とか苦情が来なけりゃいいなァ・・・」と心配していましたが、
この1時間後にその予想からはるか逆方向の展開へ転ぶとは誰も思いもしませんでした・・・

飯も終わりライトへ戻ります。

山奥の暗い森の中にライトを焚いているのが珍しいのか、
件の車の方から人が歩いてきました。
よくある「何やってるんですか?」の質問なのですが、この方達、こちらの地域の山々のプロと云うべき方達で調査中だったのですが、夕方から突然雨空に変わったので取り止めてテントで酒盛りしていたとの事でした。

(すみません・・・雨連れて来たの俺らです・・・)

あとでこっちにおいでよ、なんて気さくに話しかけて頂き、我々も採集に戻ります。


何も来ないだろうと思っていたのですが、驚くべきことに虫が来ています。
「やった!!! ガが来たー!!!!」
ふざけているワケでもなく半分本気で嬉しいのは、やはり初点灯で本当にこの機材で虫が飛んでくる光景を見る事が出来たからに他なりません。
風もそれなりに吹いていて雨もそこそこ強い中、まばらでもガは集まってきます。

CA3I0501.JPG
ただ、写真で見ると悲惨です。
地面が雨に濡れて光ってますよ。
虫らしきものはほとんど何も写っていませんよ。

おまけにNo.7以外は雨具を持っていないのでずぶ濡れです。
さらに言うと自分に至っては上着も無く七分袖のTシャツです。

No.2 「お前ホントに山に嫌われてるよなー」

自分 「でもやったぜ、月が完全に隠れてる(笑)」



いよいよライトの光も山肌に届かなくなり、21時に早々と涙の撤収・・・

・・・と思い、最後に先程の酒盛りの方達のテントへ去り際の挨拶のつもりでお邪魔したところ、思ってもいなかった展開へ進んでいく事に・・・



こうして初点灯は雨の中終わった・・・




 翌日しっかり風邪気味になりました。




 第2夜 6月24日 低温の苦行
ライトトラップ初点灯は絶対にこの地域で!と決めて行った先日10日はとてもじゃないが昆虫採集になっていなかったので、ノーカウントと気を改めてまたも約束の地へ向かいました。
この日のメンバーも前回と同じく
・自分
No.2
No.6
No.7
の4人。
ライトの初運転は絶対にこの4人で揃ってやりたかった・・・。さっきも言ったね。

そして2週間待ったこともあって、前回は月が真ん丸だったのが完全なる新月に!
これでライトトラップの天敵が一つ減りました。
ただ、月が出てるのはこの日は昼間だから月齢全く関係ないんだ・・・

CA3I0519.JPG
この日は前回とは違うポイント。
一人ではなかなかライトがかけられない場所を選択しました。
テキトーな図解をするとこんな感じ↓↓
6月24日ポイント.png
ライトが設置できる場所は、車がこれ以上行けない林道のさらにその先300mの地点にあります。

CA3I0521.JPG
道中にはまだ融け残りの残雪が見られます。このままいくと万年雪でしょうか。

300mをどう捉えるかは人によりけりですが、大変なのはまず運ぶ機材が
発電機燃料込(しかもオープン型)=約40㎏
安定器(収納箱込)=約17㎏
投光器=約10㎏
設置台=約6.7㎏
ケーブル=約6㎏
他ブロワ等多数
これだけある事。

そして、歩いていく途中の様々な障害、
「大小の岩が通行の妨げ」
↓↓↓↓
「急な坂道」
↓↓↓↓
「道と草場の間に溝があり持ったまま歩いて進めない(担ぎ上げ?)」
↓↓↓↓
「ハシゴを伝い下りる」

図では分かりやすく階段の画にしていますが実際は傾斜70°くらいの梯子で、下りた先にライトを仕掛けて電力は梯子の手前に置いた発電機から供給する形。
下りた先ですら、場所は広くなく絶壁となっていてこの真っ暗な中を仮にライトも無しにうろつこうものなら落下して『最低でも大怪我 or 最悪は即死』、ライトトラップ環境としては常識外の場所です。

CA3I0522.JPG
例のごとく採集開始は遅刻ではありますが、

CA3I0523.JPG
20時半点灯開始、雨は無く前回よりはまともな採集が期待されました。
ちなみに今回は、前回の記事では書いていないライト機材『+α』の完成試験運用も行ないました。



全員疲労が溜まり、これは是非ともクワガタ大量飛来のご褒美が欲しいところだったのですが、現実は理不尽なものでした。

低温・・・

セッティング中から嫌な予感しかしていませんでしたが点灯直後時点で15℃
CA3I0525.JPG
持ってきた夜食の牛丼も(牛丼ばっかだなォィ)、冷蔵庫から出してちょっと経ったくらいにまで冷えてしまっています。
待ちきれなかったので1人先に発電機の横で夜食をとることにしました。

しかし、自分1人で牛丼をほおばっていたところでにわかに現場が騒がしくなりました。


ミヤマクワガタ1♀飛来。
21時を回った時の事でした。
自分が牛丼を貪ってる間に現場では小さい出来事ながらも大きな飛躍があったのです。
逆に言えば、この機材でクワガタ初飛来があった時に自分は離れて飯食ってた・・・って事なんだけど・・・


新規ポイントなのでこれから何が飛んでくるか分からない期待を胸に待っていると

CA3I0526.JPG
No.6がミヤマ♂を持ってきました。
やっぱり♂が飛んでくると盛り上がるなァ、写真もそりゃぁブレるさ!

さらにこの後ミヤマ♀をもう1頭追加したものの、肌寒さは増すばかり。

CA3I0527.JPG
12℃台半ば・湿度89%で停滞してしまいました。
やたら多く来ているオオミズアオを皆で観察しつつも22時に採集を切り上げる事となりました。

ここからまた荷運びするのが地獄のように悲痛なんだ。

自分 「十和田の採集で使う労力を【1】とすると、ここはいくらになる?」

No.7 「【5】!!」

No.2 「!!・・・俺も【5】って今思った(笑)」

No.6 「・・・・・・」



image10002.jpg

     結果

           3頭 (ミヤマ♂1頭:♀2頭)


あの苦労で手に入れたのは、ミヤマ3頭と筋肉痛。



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青森県産クワガタが全部いる森 [日昆 採集記 【2017年】]

今年もこの季節がやってきました、マグソクワガタシーズン!

冬場はほぼ全く採集に行けなかったので、ここからようやく今年のクワガタ採集開始です。

ルリ・ツヤハダ・マダラはガソリン代等節約のため我慢してきましたが、
これだけは休んでおけないマグソの採集へ先週行ってきました。
(今日も出来れば行く予定だったのですが生憎の雨空だったので観念してこの記事を書いています・・・)





さて、マグソクワガタの新規開拓採集が個人的な恒例になっていますが、
まだ見ぬ新市町村ラベルを探していながら未だ発見・採集できていない既知産地があるのが密かな課題です。

最初に本種を採った2010年、採れた青森市内のそのポイントを除いては
とある市町村が当時情報として入手できた唯一の産地でした。
産地ラベルとしてはあんまりにもお馴染み過ぎて、
ラベルだけで見ると何の新鮮味も無い場所です。
急進的にマニアックな所を攻め続けてきた今となっては心が躍るような所ではありませんが、
そんな考えではマグソ収集は勿論、コクワの全市町村制覇なんて絶対できませんな。




さて、その肝心の目的地ですが・・・向かった先は。







十和田市







地元県民の昆虫採集のメッカとも言えるこの地域。
本種の生息情報としては県内では最も古いのではないかと思われますが(※あくまで自分調べ)、意外性も無く「まァ居るだろうね」と云う観測から今までスルーしてきたのでしょう。
何より、クワガタの採集地としてお馴染みの場所でありながらも、本種の発生場所がクワガタとしてちょっと異質であることも未採集の要因でしょう。





5月21日に採集へ向かいました。

この日の天気はマグソ採集にはうってつけの快晴。
若干風はありましたがこのくらいなら地表で日向ぼっこぐらいはしているでしょう。

現地入りしてまず駐車場に車を停め、期待のポイントに徒歩で向かいます。
時刻はもう昼になっていて飛翔乱舞するピークを過ぎる頃なのですが、残念ながら期待とは裏腹に砂地の地形が若干変わっていて、それが関係あるのかないのかマグソを発見するには至りませんでした。

「あ~十和田のマグソなんて今まであえて採ってこなかっただけサ~♪♪」
みたいなナメた考えだったのが恥ずかしい・・・

ただ実際、十和田のどこで採れるかというのは詳細には知らなかったので、
意外と十和田も知らないものですね(苦笑)



気を取り直し、
ポイントを移動して同じ河川のやや下流へ移動します。
CA3I0472.JPG
雰囲気充分の川原です。カラッとした空気を吸いながら散策を始めます。

いろんな種類の小さな虫が飛んでいてどれがマグソか惑わされます。
CA3I0474.JPG
毎度お馴染みの「マグソクワガタモドキ」こと「ヒメスナゴミムシダマシ」も多数発見。
コイツの正体が知りたくてゴミダマ図鑑を買った今・・・清々しい気持ちで見ていられます。

探し始めりゃソッコーで見つかるもんかと思いきやそうでもない。

と、数分の間が開いた後にまた飛んできた小さな虫。
着地したので寄って見ると





マグソクワガタ 十和田市.JPG

・・・おぉっ!! 居た居た!!!

1頭見つけるのもやっととは、マグソも楽に採らせてくれないもんだねぇ。

風もちょっと吹いているのもあってか飛んでいる個体もあまり見つけられず、
かと言って地表に待機している個体も探せない。
・・・俺の視力がさらに危うくなっているのか!?

CA3I0475.JPG
なんとか標本用に♂3頭確保できましたが、
今回も♀が採れませんでした。
去年に続いてまた♀を見られないまま終わってしまうのか・・・(焦)
陽も傾き始め時間帯も虫が落ち着いてしまったのでこれにて採集終了。



・・・・・・


せっかく昼間に(珍しく)十和田に来たので、
地元の消費に貢献しようとアイスを食べて帰りました。
十和田市 渓流の駅おいらせ.JPG
いつも通り過ぎている場所もこうして寄ってみると違う場所のような気もする・・・


《 採集の注意 》
今回の採集場所である十和田のポイント付近には、十和田八幡平国立公園の特別保護区があります。特別保護区に指定されている区域は奥入瀬渓流周囲も含まれており、区域内は自然景観に影響を与える行為が厳しく規制されています。
目的の如何に関わらずこの区域内で川原に降りるなどすると、何か些細な動植物を捕まえようとするだけでも逆に自分が捕まってしまう可能性があります。マグソクワガタ採集は川原で行うため、十和田市内では場所によっては罪に問われる事もあり事前に調べておく必要があります。
※おことわりしておきますが今回の採集地は特別区域外です



あっさりと終わってしまったようではありましたが、
終わってみると改めて十和田のクワガタの豊富さに感服しました。
コクワガタ
ノコギリクワガタ
ミヤマクワガタ
スジクワガタ
アカアシクワガタ
この一般的な普通中~大型種は勿論、

ヒメオオクワガタ
オニクワガタ
ルリクワガタ
ツヤハダクワガタ
マダラクワガタ
ブナ帯の高標高に生息する種類、

そして
オオクワガタ
これが生息する場所を同じくして

マグソクワガタ
もそこに居たと云う事は・・・

つまりその極めて狭い範囲内の山林で、
青森県産の12種類全てのクワガタが生息しているという事!!!
地元のクワガタ屋でもどうとも思わない事かもしれません・・・が、
個人的には驚きと感動を禁じ得ません。

オオクワを求めて県内外の採集者が集まってくるこの地の2ヶ月前に
マグソがそこを飛んでいるなんて・・・


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