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2022年 青森県産WILD割り出し総決算 [青森県産 オオクワガタ]

7月オオクワガタのセット記事を書きましたが、
つい先日までに今年セット分の割り出し作業が全て完了しました。
今回はそのまとめ記事です。

 【オオクワガタのセット記事】
   ⇒ 2022-7-30 『青森県産オオクワの個体数(家の)』

当時の記事の終わりに書いた通り、セット後の♀個体の反応は上々。
さらに、この夏に十和田市の別産地で採集した成虫もいますが、こちらもセットしました。

 【この夏に十和田市の別産地で採集した成虫】
   ⇒ 2022-8-30 『2022年オオクワガタ採集 ― 8月豪雨の後に ―』


KIMG4698.JPG
一度に3セット組んだと云う事で、
久しぶりに気合を入れて菌糸ビンを箱買いしました。
9月初め、容量は2種類、画像は左半分が650ccで右半分が1100ccです。
自分の普段の注文量と比べると多いので買う前にどこのメーカーから買うか結構悩みましたが、ブナ帯のオオクワガタなので、ブナオガを使った銘柄を使う事にしました。



詳しくはこの後書いていくとして、
早速割り出し作業の内容をセット(産地)毎に作業日順に書いていきます↓↓

その1 十和田市 産地A
【♂親個体】56mm WF1 2021年春羽化
【♀親個体】36.8mm WILD 2021年8月29日採集
【セット日】2022年6月10日 ※♀親取出7月29日
【セット内容】Beケース中 砂埋め霊芝材 広葉樹未発酵マット プロゼリー
【割出日】2022年9月17日夜中(作業は16日深夜から開始)

親♀をケースから出して1.5ヶ月経過してからの割り出しです。
セットからは既に3ヶ月が経っているので、初期に産んだ卵ならとっくに2令の後期くらいに差し掛かっているタイミングです。
いつもならここからさらに2ヶ月くらい放置・・・いや見守るところでしたが、今期のブリードの目的は「未だ我が家で生まれた事が無い70overの羽化」。見守りはもういいでしょう!
それと、もしも幼虫が想定外に採れ過ぎてしまった時にはヤフオクと云う手段がギリギリ残されているので、それに間に合わせる意味もありました。
(「ヤフオク!」の出品ルールとして、2022年9月29日以降に個人のオオクワガタ出品が禁止されました。ちなみにですが、自分は過去にヤフオクでオオクワ生体を出品した事はありません。)

ケース内を見ると、親♀が齧った他に様子が変わった風には見受けられません。

KIMG4688.JPG産卵材をマットから引っこ抜くと、地中部にはちょろっと走る白い食痕が確認出来ました。
(この画像では遠くて分からないのですが)

KIMG4694.JPG食痕が出た部分から材を割っていくと、早速出てきました!
当初に思っていたよりも未熟で1令です。
遅かったかなと心配していましたが、これなら体重増やすのも見込みが出てきそうです。

続いて出てくる幼虫も、1令、1令と続き、
予想外にも若い幼虫だらけ。





そんな今回の作業の中で、一番予想外だったのは





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見ての通り、総頭数 僅か3。 ぅ、嘘だろ・・・
産卵材を割ってても食痕が少なく、中盤から「あ、ヤバいかも」と焦り始めてました。羽化してもペアが出来るかどうか心許ない数ですし、親♀がWILDなので幼虫が弱くて死ぬ可能性も低くはないです(自分の飼育の腕前を考えると尚更)

希望としては5~7頭居れば丁度良かったのですが、これは来年再セットを考える必要もありそうです・・・
普通でメジャーなラベルだからあんまり気乗りしないんだけど・・・




その2 市町村α
【♂親個体】54mm WILD 2020年8月13日採集
【♀親個体】35mm WILD 2021年7月29日採集
【セット日】2022年6月3日 ※♀親取出7月30日
【セット内容】Beケース中 砂埋め霊芝材 広葉樹未発酵マット プロゼリー
【割出日】2022年9月29日夜

こちらは先の十和田市Aより前に1週間早く組んだセットです。
セット内容は同様ながら、ケースの中は全く違う様子になっています。
KIMG4949.JPG
ケース側面には大きな幼虫の姿が!

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フタを開けて上から見ると、霊芝材の白いフラスが大量に噴出しています。
と言うか、セットした時には材はマットで半埋めにしていたのに、材の木口付近までマットがせり上がっています。中はどうなっているんだ・・・

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ケースの中身をひっくり返して出しただけで幼虫がゴロゴロ転がり出てきました。



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結果、丸々とした幼虫が19頭も・・・!!
スタート時期もセット内容もあまり変わらないハズなのに、頭数も成長具合も十和田市Aとは対照的な結果でした。

内訳は、
・1令・・・ 1頭(♀)
・2令・・・10頭(♂9頭、♀1頭)
・3令・・・ 8頭(♂2頭、♀6頭)
雌雄判定が合っているとすれば、若干♂の方が多めで嬉しいところです。

ただし現在の小規模飼育を考えると、この数でも正直言って多いと感じてしまいます。しかも、こっちの産地は十和田と違って不特定の人には教えたくないので、ヤフオクには出さないと決めていた方。
産地を知っているのはほとんど採集屋(人から貰ってまで飼育はしないような人達)ですし、この土地に所縁のある(思い入れがあって大切に飼ってくれそうな)県外の知り合いも居ません。
メンバーに押し付けるのもなァ・・・

考えてみましたが手放す事は出来そうになく、とりあえず全頭抱えていく事に。



その3 十和田市 産地B
【♀親個体】37mm WILD 2022年8月24日採集
【セット日】2022年9月8日 ※♀親取出なし
【セット内容】Beケース中 砂埋め霊芝材 広葉樹未発酵マット プロゼリー
【割出日】2022年11月6日昼

先に組んだ2セットの事を考えると、長命な種と云う事を考えて来年春にセットした方が色々都合が良いとも考えました。しかし、2次発生個体とは言えもし持ち腹だったらそっちの種を使って産ませてみたいと思った為に、「もし持ち腹だったとして、来年までどれくらい種が残っているのか」どうにも不安になってしまい結局今年の内にセッティングしてしまいました・・・
加えて言えば、採った♂もそこそこボロ個体なので、来年のペアリングまでに生きているか不安でもありましたしね。
(ヒメオオなんかもそうでしょうが、こっちの地域では2次発生の個体は交尾後に冬を越してから産卵するのは普通のことだと思うので、冬を越したら種切れになると云う心配は要らないんでしょうけどね)

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セッティングに際して、産卵材に加水する際にはちょっと気分を盛り上げる為に、同じ十和田市で採水した「奥入瀬源流水」を使ってみました。
菌糸ビンを買った時のブナオガ選定も似たようなものですが、元の環境に近い物を与えてやりたいと云う自己満足ですね。
ただ、ツリガネタケ菌床なんて手に入りませんし、産卵材はクヌギの霊芝材なので「徹底」しているワケではありませんが・・・
(この部分に関しては、個人で「徹底」的にやるのはかえって良くない事でもありますけどね)
水については、ちょっと書いてみたい話でもあるのでまた後日改めてアップしようかと思います。

KIMG4606.JPG
我が家の砂埋め霊芝材の中からオオクワ向きのダメ材がまだあるのか探してみましたが、まだありましたねぇ・・・
ハズレ材、多くない・・・?


KIMG4609.JPG
セット環境も先の2つと全く同じ、材を縦置きで半埋め。
親♀は勿論♂と同居無しで単独投入しました。

数日後、材には大きな穴が開き始めました。今年はもうこれで3度見た光景ですが、持ち腹か分からない為、「越冬場所の為の穿孔じゃないよなァ・・・」などと変な不安を抱いてしまいます。

それからしばらくして秋も深まってくると、親♀はエサを食べにくる様子もなく、材の様子も変わり映えしなくなりました。越冬態勢に入ったものと思われ、そのまま割り出しまで放置・・・ぁ いや見守る事にしました。

KIMG5174.JPG
そして2ヶ月経った11月6日、割り出し当日の様子。
ゼリーは食べた様子が無く、セット全体から静けさすら感じられます。ただ、地上部ではトビムシがピンピン跳ねているので、屋内では作業せずに寒空の下で割り出しを行ないました。

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産卵材をマットから抜き出すと、ちょうど芯の真下に親♀が縮こまっていました。
写真でも分かる通り、きれいに円い空間が出来ていて見るからに「越冬中」って感じですね。野外でも、ゴミムシとか単独で居る奴だとこんな感じで出てきますよね。

材を見てみると、どうやらマットへは出てきていない模様。
ひとしきりマットを漁って幼虫が居ない事を確認し、材を割っていきます。

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表面から少しずつペキペキ剥いていくと、発見しました食痕!
やはり持ち腹でした。

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ある程度表面を剥いでみて、いくつも走る食痕に期待が膨らみます。









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そしてこの有り様。

なんだろう、俺は十和田に呪われているのか・・・!?
もはや十和田の水使った事とか、何の願掛けにも成ってませんでしたね。
割ってる最中、芯部近くなってきた頃には身も心も相当寒くなってきてましたよ。

でもまぁ正直言って、市町村αで既に温室のスペースを結構取られてしまった事からすれば、ある意味これくらいで済んでくれてホッとしてますけど。






以上で全てのWILD個体の割り出しが終わり、
♀3頭合計26頭が得られました。
その内、まともに産んでくれたのは1頭のみで2頭はこの通り渋い結果。原因としては管理温度、時期だとか産地柄だとか、考えられる事はいくつかありますが
先日開かれた青森県虫屋の納会の場で、産ませる条件として興味深い話が聴けたので来年別産地が採れたら試してみようと思います。



そして、産ませたまではいいとして、次は大きく育てられるのかが心配。
今までもそうでしたけど本番はここからなんですよね。

スケジュール的に2頭は実質夏採り、1頭は秋採りとなるワケですが割り出してビンに入れるタイミングが遅かったのはちょっと心配です。
2年1化の長期飼育となると、悪い癖でビン交換怠けてしまいそうです。

良い型の成虫を見るまでは、
それぞれの産地に気を配って(当たり前だが)育てていきたいと思います。

ずっと記事書いてたら眠くなってきたので、
締まりがイマイチですがこれでひとまず 終わり。


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