これが我が飼育部屋のいつもの出来事です。 [〆ギラファノコギリ (ニシヤマ亜種)]
こんばんは、ものさしの目盛を見ると興奮してしまう会長です。
我が家のギラファも一時は隆盛を極めていましたが、今となっては下火・・・
マキタも、ティモールも、そして累代出来るかいつもギリギリでなんとか毎回つなげてこれたニルギリも、・・・遂に累代が終了してしまいました。
ニルギリはもうかなり入手厳しいだろうな・・・
今残っているのは、原名とダイスケと、ニシヤマの3亜種だけ(汗)
その中で、スラウェシ島の亜種・ニシヤマの産卵セットを今月6日に組みました。
・発酵マット
・クヌギ夏菌材
・カワラ植菌材
の産卵材3点をコバシャ中ケースに仕込み、23℃の万全の体制で挑みます。
入門種のギラファと言えど、いつまで経っても「楽勝♪」とはならないなァ・・・
今回組んだペアも、山あり谷ありの長い道のりを経てようやくここまで至りました。
最初にニシヤマをWILDで始めて結果的に不発と果てた2014年1月。
そして追加をセットしたのが同2014年5月。
あれから 30年。 3年。
未だにWF1。
ニシヤマの記事で羽化報告記事を書いたのが2015年10月。
1年半も前の記事です。
あの時の立派な♂達・・・・・・は、・・・もういません。
当初、羽化したあれらのWF1個体群でセットを組む予定でした。・・・否、組んだのです。
この時、♀は2頭居たのですが
1頭目の♀はペアリングが上手くいってなかったのか、セットを組んでも全く産卵せず気が付いた時には仰向けに。2頭目の♀は大腮奇形だったものの大型だったので期待をして管理していましたがなかなか休眠から覚めず、ペアリングを始めるタイミングを外し同居を始める前に仰向けに・・・
・・・やっちまったー・・・・・・
「パル・パロロ」産という釈然としないラベルは今のところ出回っていますが、
「純・パロロ」産として入手したある意味貴重なラベルが絶滅(?)したのは
喪失感が大変大きいのです。
(非常にメンドクサイ拘りというか意地だと自分で思うワケです)
しかしそんなパロロ・ロスのどん底から間もなく、
冷やし虫家の片隅から1本のクリアボトルが見つかりました。
2016年4月のことでした。
1500㏄のそのボトルには、
【ニシヤマギラファ 6/5 '14/5/9セット分】
と、書いてあったのです・・・!!
実は、先の記事などで紹介した♂らを割出す前(←これらは8月割出)、
セットを組んで1ヶ月経った6月時点で産卵されていたホダ木を産卵ケースから一度掘り返し、ボトルに入れて別保管していたものなんですね。
↑↑この記事で云うところの
この部分↑↑ですね。
この時、たしか親♀に幼虫や卵を傷つけられる危険を回避し
最低限の数を確保できるようにこうしたのだったと記憶しています。
その後、孵化した幼虫たちが産卵木を食べ尽くし、
木をフレーク状に完全粉砕してもなおそのまま割出すことも無くボトルに入れたまま放置していたって事です。つまるところ、産卵木をボトルに移したまま1年10ヶ月そのままにしてたって事です。
ミキサーでも作れないような超微粒子のフレークと変わり果てた産卵木が、ボトルの半分くらいの容量で溜まっていて
その中にはかつて10頭以上は孵化したであろうはずの幼虫が2頭にまで減り、
その2頭の幼虫はまだ3令の初期。
もうツッコミどころが多すぎて↑↑文字に装飾を加えるのも諦めましたが、
他の個体が全て絶えた今となってはコイツらが最後の生き残りのニシヤマギラファ。
生きているんだしせめてきちんとエサを変えてあげよう・・・
と2年越しの割り出し。
割出して体重を量ってみると、
片や13.5g、片や10.4g。
頭の大きさが違う。
運がいい事に、2頭が見事に♂♀分かれているではありませんか!?
これはまだワンチャンスあるんじゃないか・・・!!!!??
という事で、ここから羽化ズレにハラハラしながらのシーソーゲームが1年続いたのです。
これを、時系列に沿って成長過程をまとめてみますとこうなります↓↓
・・・長い・・・3年て・・・カンターミヤマかお前は。
♂が羽化ズレしたから♀を低温で管理してたのに、
♂が動き始めたので♀を高温に移したら、
♂が先に動き出して♀が起きずに焦る。
ハラハラさせられた末、ようやく♀も♂が元気な内に間に合いました。
羽化サイズですが、
起きた♀は48mm、無茶苦茶な飼育をした割りにそこそこ大きくなってくれました。
一方♂は86mm。
一昨年羽化した100mm近い個体達とは比べる気にもなれないサイズですが、
大腮の扁平さなど特徴はきちんと出ています。
しかし、これで無事にペアリングが始められるかと思いきや
最後の最後にもう一つ大きな問題が待ち構えていました。
お分かりいただけただろうか・・・?
パッと見ただけでは問題があるように見えないのですが、
脚を見てみると不審点に気付くかもしれません。
ハイ、脚が1本見えていません。
実はこの見えていない脚に問題があったのです。
問題があるのは左後脚。
転節から先が奇形化していて、変形して大きな塊のようになってしまっていました。
転節付近(つまり身体の中心線付近)に大きな異物が付いている状態のため、ペアリングしてもコレが邪魔で交尾で大きな障害になってしまいます。
と云うワケで、ペアリングの前に♂の脚を大手術することにしました。
マットで汚れた体を洗浄し、奇形化した転節から先の脚部をニッパーで切除。そして雑菌が侵入しないように切り口に蝋を素早く塗り保護完了。
(↑↑の画像は脚を切除した後のものです)
そして訪れた4月23日。
ようやくここからペアリングを開始し、2週間後の今月6日に至ったワケであります。
さて、セットを組んでから間もなくして、
マットを潜り産卵木を齧り、卵も確認できました。
ケース側面から見える卵はなんか全部溶けそうな雰囲気を醸しだしていますが、
やれるだけの事はやったので・・・
どういう結果になろうと悔いる事は無いな・・・
本日の 日昆の迷言
2年越しの割り出し。
我が家のギラファも一時は隆盛を極めていましたが、今となっては下火・・・
マキタも、ティモールも、そして累代出来るかいつもギリギリでなんとか毎回つなげてこれたニルギリも、・・・遂に累代が終了してしまいました。
ニルギリはもうかなり入手厳しいだろうな・・・
今残っているのは、原名とダイスケと、ニシヤマの3亜種だけ(汗)
その中で、スラウェシ島の亜種・ニシヤマの産卵セットを今月6日に組みました。
・発酵マット
・クヌギ夏菌材
・カワラ植菌材
の産卵材3点をコバシャ中ケースに仕込み、23℃の万全の体制で挑みます。
入門種のギラファと言えど、いつまで経っても「楽勝♪」とはならないなァ・・・
今回組んだペアも、山あり谷ありの長い道のりを経てようやくここまで至りました。
最初にニシヤマをWILDで始めて結果的に不発と果てた2014年1月。
そして追加をセットしたのが同2014年5月。
【2014年5月】 ⇒ 2014-5-11 『ふりだしに戻る』 |
あれから
未だにWF1。
ニシヤマの記事で羽化報告記事を書いたのが2015年10月。
1年半も前の記事です。
あの時の立派な♂達・・・・・・は、・・・もういません。
当初、羽化したあれらのWF1個体群でセットを組む予定でした。・・・否、組んだのです。
この時、♀は2頭居たのですが
1頭目の♀はペアリングが上手くいってなかったのか、セットを組んでも全く産卵せず気が付いた時には仰向けに。2頭目の♀は大腮奇形だったものの大型だったので期待をして管理していましたがなかなか休眠から覚めず、ペアリングを始めるタイミングを外し同居を始める前に仰向けに・・・
・・・やっちまったー・・・・・・
「パル・パロロ」産という釈然としないラベルは今のところ出回っていますが、
「純・パロロ」産として入手したある意味貴重なラベルが絶滅(?)したのは
喪失感が大変大きいのです。
(非常にメンドクサイ拘りというか意地だと自分で思うワケです)
しかしそんなパロロ・ロスのどん底から間もなく、
冷やし虫家の片隅から1本のクリアボトルが見つかりました。
2016年4月のことでした。
1500㏄のそのボトルには、
【ニシヤマギラファ 6/5 '14/5/9セット分】
と、書いてあったのです・・・!!
実は、先の記事などで紹介した♂らを割出す前(←これらは8月割出)、
セットを組んで1ヶ月経った6月時点で産卵されていたホダ木を産卵ケースから一度掘り返し、ボトルに入れて別保管していたものなんですね。
【ボトルに入れて別保管】 ⇒ 2014-11-27 『菌活』 |
↑↑この記事で云うところの
セットした2頭の♀がそれぞれのケースで無事に産卵したと確認したのはかなり昔の話、実はその後中途半端な割り出し作業を行って以来ずっと2ケースとも放置していました。
この部分↑↑ですね。
この時、たしか親♀に幼虫や卵を傷つけられる危険を回避し
最低限の数を確保できるようにこうしたのだったと記憶しています。
その後、孵化した幼虫たちが産卵木を食べ尽くし、
木をフレーク状に完全粉砕してもなおそのまま割出すことも無くボトルに入れたまま放置していたって事です。つまるところ、産卵木をボトルに移したまま1年10ヶ月そのままにしてたって事です。
ミキサーでも作れないような超微粒子のフレークと変わり果てた産卵木が、ボトルの半分くらいの容量で溜まっていて
その中にはかつて10頭以上は孵化したであろうはずの幼虫が2頭にまで減り、
その2頭の幼虫はまだ3令の初期。
もうツッコミどころが多すぎて↑↑文字に装飾を加えるのも諦めましたが、
他の個体が全て絶えた今となってはコイツらが最後の生き残りのニシヤマギラファ。
生きているんだしせめてきちんとエサを変えてあげよう・・・
と2年越しの割り出し。
割出して体重を量ってみると、
片や13.5g、片や10.4g。
頭の大きさが違う。
運がいい事に、2頭が見事に♂♀分かれているではありませんか!?
これはまだワンチャンスあるんじゃないか・・・!!!!??
という事で、ここから羽化ズレにハラハラしながらのシーソーゲームが1年続いたのです。
これを、時系列に沿って成長過程をまとめてみますとこうなります↓↓
年 | 最後のWF1♀ | 最後のWF1♂ |
2014年 | 5月9日 親WILD♀セットへ。 |
|
6月5日 産卵済みの木をボトルへ移す。 |
||
以後、そのまま放置・・・。 |
||
2015年 | このまま一年・・・。 (その間に、去年後半に割り出した別の幼虫達は続々羽化) |
|
2016年 | 4月9日 ボトルより割り出し、発酵マット800ccクリアボトルへ。3令初期10.4g。 | 4月9日 ボトルより割り出し、発酵マット2300ccガラスビンへ。3令初期13.5g。 |
夏 蛹室を作る。 | 夏 段々と太りはじめる。 | |
羽化。 | 蛹化どころか黄色くもならないので、温度を若干上げて管理する。 | |
晩夏 体も固まったが成熟が早まるとまずいので冷やし虫家で20℃以下で寝かせる。 | 太りきったと思われるがそのまま。 | |
10月初め 蛹室を作る。 | ||
10月22日 蛹化。 | ||
11月23日 羽化。 | ||
冬 ♂も羽化したのでそろそろ起こそうかと高い温度の場所に移す。 | 段々体も固まってくる。 | |
2017年 | 2月 依然蛹室に留まる。 | 2月 確認のため掘り出す。 |
3月 全く動こうとしない。焦る。 | 3月 活動を開始する。焦る。 | |
4月16日 ようやく活動開始。 | 4月前半まで 退屈を持て余す。 |
・・・長い・・・3年て・・・カンターミヤマかお前は。
♂が羽化ズレしたから♀を低温で管理してたのに、
♂が動き始めたので♀を高温に移したら、
♂が先に動き出して♀が起きずに焦る。
ハラハラさせられた末、ようやく♀も♂が元気な内に間に合いました。
羽化サイズですが、
起きた♀は48mm、無茶苦茶な飼育をした割りにそこそこ大きくなってくれました。
一方♂は86mm。
一昨年羽化した100mm近い個体達とは比べる気にもなれないサイズですが、
大腮の扁平さなど特徴はきちんと出ています。
しかし、これで無事にペアリングが始められるかと思いきや
最後の最後にもう一つ大きな問題が待ち構えていました。
お分かりいただけただろうか・・・?
パッと見ただけでは問題があるように見えないのですが、
脚を見てみると不審点に気付くかもしれません。
ハイ、脚が1本見えていません。
実はこの見えていない脚に問題があったのです。
問題があるのは左後脚。
転節から先が奇形化していて、変形して大きな塊のようになってしまっていました。
転節付近(つまり身体の中心線付近)に大きな異物が付いている状態のため、ペアリングしてもコレが邪魔で交尾で大きな障害になってしまいます。
と云うワケで、ペアリングの前に♂の脚を大手術することにしました。
マットで汚れた体を洗浄し、奇形化した転節から先の脚部をニッパーで切除。そして雑菌が侵入しないように切り口に蝋を素早く塗り保護完了。
(↑↑の画像は脚を切除した後のものです)
そして訪れた4月23日。
ようやくここからペアリングを開始し、2週間後の今月6日に至ったワケであります。
さて、セットを組んでから間もなくして、
マットを潜り産卵木を齧り、卵も確認できました。
ケース側面から見える卵はなんか全部溶けそうな雰囲気を醸しだしていますが、
やれるだけの事はやったので・・・
どういう結果になろうと悔いる事は無いな・・・
・・・いや、やっぱり幼虫採れなきゃ悔しいわ。
本日の 日昆の迷言
青森県産クワガタが全部いる森 [日昆 採集記 【2017年】]
今年もこの季節がやってきました、マグソクワガタシーズン!
冬場はほぼ全く採集に行けなかったので、ここからようやく今年のクワガタ採集開始です。
ルリ・ツヤハダ・マダラはガソリン代等節約のため我慢してきましたが、
これだけは休んでおけないマグソの採集へ先週行ってきました。
(今日も出来れば行く予定だったのですが生憎の雨空だったので観念してこの記事を書いています・・・)
さて、マグソクワガタの新規開拓採集が個人的な恒例になっていますが、
まだ見ぬ新市町村ラベルを探していながら未だ発見・採集できていない既知産地があるのが密かな課題です。
最初に本種を採った2010年、採れた青森市内のそのポイントを除いては
とある市町村が当時情報として入手できた唯一の産地でした。
産地ラベルとしてはあんまりにもお馴染み過ぎて、
ラベルだけで見ると何の新鮮味も無い場所です。
急進的にマニアックな所を攻め続けてきた今となっては心が躍るような所ではありませんが、
そんな考えではマグソ収集は勿論、コクワの全市町村制覇なんて絶対できませんな。
さて、その肝心の目的地ですが・・・向かった先は。
地元県民の昆虫採集のメッカとも言えるこの地域。
本種の生息情報としては県内では最も古いのではないかと思われますが(※あくまで自分調べ)、意外性も無く「まァ居るだろうね」と云う観測から今までスルーしてきたのでしょう。
何より、クワガタの採集地としてお馴染みの場所でありながらも、本種の発生場所がクワガタとしてちょっと異質であることも未採集の要因でしょう。
5月21日に採集へ向かいました。
この日の天気はマグソ採集にはうってつけの快晴。
若干風はありましたがこのくらいなら地表で日向ぼっこぐらいはしているでしょう。
現地入りしてまず駐車場に車を停め、期待のポイントに徒歩で向かいます。
時刻はもう昼になっていて飛翔乱舞するピークを過ぎる頃なのですが、残念ながら期待とは裏腹に砂地の地形が若干変わっていて、それが関係あるのかないのかマグソを発見するには至りませんでした。
「あ~十和田のマグソなんて今まであえて採ってこなかっただけサ~♪♪」
みたいなナメた考えだったのが恥ずかしい・・・
ただ実際、十和田のどこで採れるかというのは詳細には知らなかったので、
意外と十和田も知らないものですね(苦笑)
気を取り直し、
ポイントを移動して同じ河川のやや下流へ移動します。
雰囲気充分の川原です。カラッとした空気を吸いながら散策を始めます。
いろんな種類の小さな虫が飛んでいてどれがマグソか惑わされます。
毎度お馴染みの「マグソクワガタモドキ」こと「ヒメスナゴミムシダマシ」も多数発見。
コイツの正体が知りたくてゴミダマ図鑑を買った今・・・清々しい気持ちで見ていられます。
探し始めりゃソッコーで見つかるもんかと思いきやそうでもない。
と、数分の間が開いた後にまた飛んできた小さな虫。
着地したので寄って見ると
・・・おぉっ!! 居た居た!!!
1頭見つけるのもやっととは、マグソも楽に採らせてくれないもんだねぇ。
風もちょっと吹いているのもあってか飛んでいる個体もあまり見つけられず、
かと言って地表に待機している個体も探せない。
・・・俺の視力がさらに危うくなっているのか!?
なんとか標本用に♂3頭確保できましたが、
今回も♀が採れませんでした。
去年に続いてまた♀を見られないまま終わってしまうのか・・・(焦)
陽も傾き始め時間帯も虫が落ち着いてしまったのでこれにて採集終了。
・・・・・・
せっかく昼間に(珍しく)十和田に来たので、
地元の消費に貢献しようとアイスを食べて帰りました。
いつも通り過ぎている場所もこうして寄ってみると違う場所のような気もする・・・
あっさりと終わってしまったようではありましたが、
終わってみると改めて十和田のクワガタの豊富さに感服しました。
・コクワガタ
・ノコギリクワガタ
・ミヤマクワガタ
・スジクワガタ
・アカアシクワガタ
この一般的な普通中~大型種は勿論、
・ヒメオオクワガタ
・オニクワガタ
・ルリクワガタ
・ツヤハダクワガタ
・マダラクワガタ
ブナ帯の高標高に生息する種類、
そして
・オオクワガタ
これが生息する場所を同じくして
・マグソクワガタ
もそこに居たと云う事は・・・
つまりその極めて狭い範囲内の山林で、
青森県産の12種類全てのクワガタが生息しているという事!!!
地元のクワガタ屋でもどうとも思わない事かもしれません・・・が、
個人的には驚きと感動を禁じ得ません。
オオクワを求めて県内外の採集者が集まってくるこの地の2ヶ月前に
マグソがそこを飛んでいるなんて・・・
冬場はほぼ全く採集に行けなかったので、ここからようやく今年のクワガタ採集開始です。
ルリ・ツヤハダ・マダラはガソリン代等節約のため我慢してきましたが、
これだけは休んでおけないマグソの採集へ先週行ってきました。
(今日も出来れば行く予定だったのですが生憎の雨空だったので観念してこの記事を書いています・・・)
さて、マグソクワガタの新規開拓採集が個人的な恒例になっていますが、
まだ見ぬ新市町村ラベルを探していながら未だ発見・採集できていない既知産地があるのが密かな課題です。
最初に本種を採った2010年、採れた青森市内のそのポイントを除いては
とある市町村が当時情報として入手できた唯一の産地でした。
産地ラベルとしてはあんまりにもお馴染み過ぎて、
ラベルだけで見ると何の新鮮味も無い場所です。
急進的にマニアックな所を攻め続けてきた今となっては心が躍るような所ではありませんが、
そんな考えではマグソ収集は勿論、コクワの全市町村制覇なんて絶対できませんな。
さて、その肝心の目的地ですが・・・向かった先は。
十和田市
地元県民の昆虫採集のメッカとも言えるこの地域。
本種の生息情報としては県内では最も古いのではないかと思われますが(※あくまで自分調べ)、意外性も無く「まァ居るだろうね」と云う観測から今までスルーしてきたのでしょう。
何より、クワガタの採集地としてお馴染みの場所でありながらも、本種の発生場所がクワガタとしてちょっと異質であることも未採集の要因でしょう。
5月21日に採集へ向かいました。
この日の天気はマグソ採集にはうってつけの快晴。
若干風はありましたがこのくらいなら地表で日向ぼっこぐらいはしているでしょう。
現地入りしてまず駐車場に車を停め、期待のポイントに徒歩で向かいます。
時刻はもう昼になっていて飛翔乱舞するピークを過ぎる頃なのですが、残念ながら期待とは裏腹に砂地の地形が若干変わっていて、それが関係あるのかないのかマグソを発見するには至りませんでした。
「あ~十和田のマグソなんて今まであえて採ってこなかっただけサ~♪♪」
みたいなナメた考えだったのが恥ずかしい・・・
ただ実際、十和田のどこで採れるかというのは詳細には知らなかったので、
意外と十和田も知らないものですね(苦笑)
気を取り直し、
ポイントを移動して同じ河川のやや下流へ移動します。
雰囲気充分の川原です。カラッとした空気を吸いながら散策を始めます。
いろんな種類の小さな虫が飛んでいてどれがマグソか惑わされます。
毎度お馴染みの「マグソクワガタモドキ」こと「ヒメスナゴミムシダマシ」も多数発見。
コイツの正体が知りたくてゴミダマ図鑑を買った今・・・清々しい気持ちで見ていられます。
探し始めりゃソッコーで見つかるもんかと思いきやそうでもない。
と、数分の間が開いた後にまた飛んできた小さな虫。
着地したので寄って見ると
・・・おぉっ!! 居た居た!!!
1頭見つけるのもやっととは、マグソも楽に採らせてくれないもんだねぇ。
風もちょっと吹いているのもあってか飛んでいる個体もあまり見つけられず、
かと言って地表に待機している個体も探せない。
・・・俺の視力がさらに危うくなっているのか!?
なんとか標本用に♂3頭確保できましたが、
今回も♀が採れませんでした。
去年に続いてまた♀を見られないまま終わってしまうのか・・・(焦)
陽も傾き始め時間帯も虫が落ち着いてしまったのでこれにて採集終了。
・・・・・・
せっかく昼間に(珍しく)十和田に来たので、
地元の消費に貢献しようとアイスを食べて帰りました。
いつも通り過ぎている場所もこうして寄ってみると違う場所のような気もする・・・
《 採集の注意 》 今回の採集場所である十和田のポイント付近には、十和田八幡平国立公園の特別保護区があります。特別保護区に指定されている区域は奥入瀬渓流周囲も含まれており、区域内は自然景観に影響を与える行為が厳しく規制されています。 目的の如何に関わらずこの区域内で川原に降りるなどすると、何か些細な動植物を捕まえようとするだけでも逆に自分が捕まってしまう可能性があります。マグソクワガタ採集は川原で行うため、十和田市内では場所によっては罪に問われる事もあり事前に調べておく必要があります。 ※おことわりしておきますが今回の採集地は特別区域外です |
あっさりと終わってしまったようではありましたが、
終わってみると改めて十和田のクワガタの豊富さに感服しました。
・コクワガタ
・ノコギリクワガタ
・ミヤマクワガタ
・スジクワガタ
・アカアシクワガタ
この一般的な普通中~大型種は勿論、
・ヒメオオクワガタ
・オニクワガタ
・ルリクワガタ
・ツヤハダクワガタ
・マダラクワガタ
ブナ帯の高標高に生息する種類、
そして
・オオクワガタ
これが生息する場所を同じくして
・マグソクワガタ
もそこに居たと云う事は・・・
つまりその極めて狭い範囲内の山林で、
青森県産の12種類全てのクワガタが生息しているという事!!!
地元のクワガタ屋でもどうとも思わない事かもしれません・・・が、
個人的には驚きと感動を禁じ得ません。
オオクワを求めて県内外の採集者が集まってくるこの地の2ヶ月前に
マグソがそこを飛んでいるなんて・・・