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紙一重? 青森県のオオクワガタ採集とその傾向とトラブル [青森の昆虫事情]

(2022年6月26日 一部加筆・訂正)

以前からたまに青森市内でのカブトムシ・クワガタ採集についてまとめた記事を書くことがありましたが、今回は、主に十和田市における採集をメインに据えて記事を書いてみます。

記事の内容は2つに分け、それぞれ

第1章 オオクワガタ採集2018年盆戦
第2章 青森県での採集の傾向とトラブル

とします。
第1章はまだしも、第2章の内容についてはうまく自分でまとめられるか自信がない上、ゴキゲンな虫ブログの空気感を澱ませてしまうような話に触れてしまう為に本当は書きたくありませんでした。
しかし最近のオオクワ採集の現状に自分も思うところがあり、今回記事を設けた次第です。
記事公開後も、今回の内容の範囲内については細かな訂正・削除を行いたいと思っています。




第1章 オオクワガタ採集2018年盆戦
※第1章は採集記仕立てですが、この時の状況についてはファーブルハウスのホームページ:飼育と採集の知恵袋 2018年度の『【8月13日 お邪魔虫登場!】【8月14日レアポイントにて】』にも記されていますので、そちらとすり合わせて読んで頂ければと思います。

  8月13日(月)

この日No.7は十和田に居ました。
彼は後輩と共に、愛知県から遥々ライトトラップの勉強に来た虫屋仲間を案内すべく前日から十和田市入りしていました。

その2日目であるこの日、彼らは夜の採集へ向けて場所の確保を済ませ、夕方には周囲の別ポイントの様子を確認しに行ったのだそうです。

この日は世間一般にはお盆休みのど真ん中。県内からは勿論、県外からも多数の採集者がこの地へ訪れ狭い場所に何人もが犇めき合う時期と云う事で、お互いライトの干渉を避けるために安全策として事前にやり方を打ち合わせる場合も出てくるワケです。
青森のようにオオクワ採集のポイントが狭い範囲に少数しかない場合、ライトのワット数や照射方向を間違えると結構な割合で干渉し光がぶつかってしまいます。

彼が陣取った位置の直ぐ近くのポイントへ様子を見に行ってみると、予想していた通り同業者の物と思しきライト機材が現場にセットされていました。
この場所は青森ではかなり有名なライトトラップのポイントで、観光スポットで分かりやすい場所の為か県外から採集に来る大体の人が最初から目的地とする(と言っても過言ではない)場所です。
停めている車を見ると、地元ではない埼玉県のナンバー。やはり県外勢にも有名なよう。
しかし、そこに展開され待機する機材を見てNo.7は唖然としたそうです。
「あ・・・ありのまま 今起こった事を話すぜ!」・・・と動揺したポルナレフが必死に解説しそうなくらいにまったく理解を超えていた光景だったそうですが、何が起こっていたかと云うと、
スポラートに入った400ワット2灯をポイント現場内を前後に挟み込むように向かい合わせで上向きに配置し、その中間に250か400ワットの水銀灯をオープン(裸)で設置し、さらにその手前にスポラート2灯と同じような位置間隔で250か400ワットをオープンで2灯立てていたのです。
↑↑もう自分でも何を言っているのか分からないのですが、すごく簡単に言うと、
虫を落とせる面積が狭い場所にも関わらず、多すぎる灯りを滅茶苦茶に配置していた。
という事です。
どちらかと言うと、昆虫採集すると言うよりは「誰かそこで歌うのか」と言うような置き方。
地元採集者をはじめとして、そこでライトをやっている者の間では既にセオリーは出来上がっており、400ワットをあまり上に向け過ぎず一方向のみに射すのが一番手堅いやり方だと分かっているのです。
それを考えると、この置き方は「やり過ぎ」なだけでなく、No.7達の居るポイント方向にも容易に干渉しお互い大爆死する危険性が非常に高いワケです。

ちょうどその場に設置した本人が居たようなので、
「自分は地元の採集者でこの裏でライトをかける事」
「この配置ではこちらに光が干渉してしまいしかもオオクワも落ちてこなくなる事」
「ここでやる場合の適正なライトの当て方」
を説明したのだそうですが、全く意向を汲み取ってくれず、
「初めて来たけど今日しかチャンスが無いからこのままでやる」
そしてその根拠として「このやり方でもう10年やってるからこのやり方でやる」と云う事で突っぱねられたのだそうです。

以前、全く別の採集者に干渉の断りを入れた際に、有力な採集者の名前を使って「**さんはこうやってたから!」と自分のやり方を曲げなかった人が居た事もあり(ちなみにこの時は完全な嘘出まかせで、**氏本人に確認済みでそれはデタラメだと認定しています)
「〇〇さん(別の有名な方)もここに来た時はそういう風にしてオオクワ採ってるんですよ」と説明してみたものの、
「そんな人知らないよ」と頑なに変えようとしないその人の態度にもう呆れて馬鹿馬鹿しくなってきてしまい、喧嘩に発展する前に泣く泣く引き下がり、その夜はライトトラップは出来なかったそうです。
(これを読んでいる人の中には、「いやそれでもやらないよりはやっておいた方がマシだったんじゃない?」とお思いの方も居るでしょうが、これまで仲間内の体験やデータ収集を集積して行き着いた結論として、両ポイントのどちらか一方でも無作為な乱射を行った場合酷い結果になるのは間違いないのです。勿論自分も体験済みです・・・)

その後別ポイントで焚いていた仲間と合流し、No.7の代わりに後輩君が例のその人の所まで行き現況をそれとなく訊いたところ、見事にゼロだったそうです。

別のライン上に居たFH鈴木さんも、車両通行を妨害する位置でライトを焚いている人がすぐ近くに居たりして相当苦戦したそうです。これもお盆と云う時期柄、採集者の飽和状態が招いてしまった出来事なのでしょう。


ちなみにこの夜自分はと云うと、
一人下北半島で虫の来ないライトトラップをボーっと見つめていました。


  8月14日(火)

この日も自分は十和田市外への採集なので、No.7を軸に話を進めます。

前日までのメンバーに加え、さらにもう一人東京都から来ている方が今夜十和田で採集したいという事でNo.7が先導して案内することになりました。去年記事に書いたMU氏その人です。
彼は今年HIDハンディライトを入手しライトトラップデビューしていて、家族に縁のあるこの青森の地で採集をしたいという事でこの運びとなったのです。

しかし昨日に続いて今はまだ盆の真っ只中です。
場所取りは上手くいくのだろうか・・・と心配するMU氏や自分に、
まだ午前中にもかかわらずNo.7から予想の斜め上をいく連絡が入って来ました。


No.7 「付近のポイント全部押さえました。」

昨晩の一件で相当はらわたが煮えくり返っていたらしく、現地の民宿に泊まり込んでいた後輩や客人らと総動員で各自ポイントを確保したのだそうです。
目的は勿論、実質的な採集妨害行為をする人間に邪魔されず、狭い範囲内でお互いを潰しあう事無く採集をする為です。
No.7はこの日、埼玉の人が昨晩居た有名ポイントに入ることになりました。
まるで昨日の憂さを晴らすかのようですが、実は今年彼にはこのポイントで大事な用があるのです。

CA3I02701.JPG
それがコレ↑↑
今年6月のシーズンのはじまりに彼の元へ飛んで来た46mmの特大♀
これこそ正にこのポイントで採った個体であり、どう見ても未交尾のこの♀に、あわせる♂が採りたいという事で気合を入れずにはいられないのです。


さてその夕方、自分は市外のポイントへ向かう前に十和田のライトトラップポイント各所をサラッと覗きに行ってみることにしました。
しかし何故かこの日は、採集者の待機数が昨晩の採集者数と比べてかなり減っています。
居る事は居るのですが、意外にも地元ナンバーがほとんど。
ちょっと拍子抜けですが、少ないに越したことはないのでそのまま安心して十和田を出ました。


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夜も深まり23時
結局自分はいつものように本命のオオクワは手に出来ずに終わり、オニクワやコクワ、そして人生で初めて採集したヨコヤマヒゲナガカミキリなどを土産にライトトラップを終了。
MU氏やNo.7がどうなったか気になってしょうがないのでこのまま十和田へまた向かってみることにしました。


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  8月15日(水)

日付が変わり深夜、
No.7のポイントへ向かってみると明かりが見えました。まだやってたのか・・・!!
車を停めてNo.7の元へ行くと、そこには愛知の客人、そしてMU氏も居ました。

点灯開始から5時間経っているにもかかわらずテンションの高いままの彼らが見せてくれたものを見て、自分も運転の疲れが一気に吹っ飛びました。





CA3I0499.JPG
♂65mmUP!!!!!
彼の「46mmの♀にあわせる様な大歯の♂が採りたい!」と云う願望がまさか現実になるとは・・・彼も相当努力したのは間違いないのですが、それでも「いや、ウマくいきすぎでしょ!!!」と思いたくなる夢の展開です。彼も初めての大歯(片方先端欠けですが)で、この盆の最中という事なども含めてこの貴重な体験が出来て本当に嬉しそうです。鈴木さんの方の見解ではこれは2次発生の新成虫としていますが、大腮に喧嘩傷のような線が複数あり、自分はこれは越冬か1次発生の♂で2次発生個体に負けて飛んで来た可能性の方が高そうです。

話を聞くと、実は途中から現場の上のポイントでひっそりとライトを点けていた人が居たりして、半ば諦めかけた23時頃になって飛んで来たのだそうです。


その時の説明や雑談を交わしている内に時刻は1時
そうこうしている間に溜まってきた普通種を拾ってたら目の前に今度は♀が落下!!!

えっ、今何時だよ!? と皆でおかしなテンションになっていき、
自分も居てもたってもいられず他のポイントへ急遽2回戦目を挑みに行きました(笑)
・・・結果、すごく怪しい重量級甲虫が見慣れない水平旋回をしながら風に流されていくのを見ましたが、結局正体不明のまま闇に消えていき諦めて撤収しました。

その後3時過ぎに戻ってみるとまだ彼らは虫を広げて談笑していました。
東の空が明るくなり始めた頃、ようやく長い盆採集は終わりを迎えました。



〉〉 第2章 青森県での採集の傾向とトラブル


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