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タプコプ!! ヒメオオクワガタ採集 [日昆 採集記 【2015年】]

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  8月30日(日)

前日の夜から準備をしてはいたものの寝不足のまま、時刻は深夜2時45分
自宅を出発する。

深夜出発の為直前まで寝溜めしておくつもりだったが、
なかなか寝つけず1時間しか眠れなかった。
これから向かうヒメオオ採集にワクワクして眠るどころじゃなかったから・・・だと言いたいが
実際のところは、日中何も食べなかった反動で夕食を食べすぎた所為で
腹が苦しくて睡眠どころではなかっただけ・・・。
長距離ドライブが苦手なだけに僅かな睡眠で足りるかどうか不安ではあるが、
車は市内を飛び出し八甲田山を越え三本木原に下りていく。


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十和田市を抜け新郷村へ突入。(画像は新郷村役場付近)


そのまま新郷村を横切り
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三戸町へ到達!

そして三戸も同じく横断・・・

今回の主たる目的地は、


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そう、田子町である!!


県内最南の市町村であるこの場所に初めて来たのは今から約1年前
10月の半ばに来たこの時は主な目的はヒメオオの新場所探索だったのだが
時期や探索する時間帯の問題もあって土産にできる虫(クワガタ他含め)は何も採らずに帰ってきたのだった。

 【初めて来たのは今から約1年前】
   ⇒ 2014-10-18 『南部鍬形追分』

今回は8月末でヒメオオシーズン真っ只中。
今期はヒメオオ新産地開拓で県内をあちこち回るつもりでどこから行こうか正直目移りするくらいだが、まず去年のリベンジとしてここに決定した。


個人的に、田子町は同じ青森県内にありながら最南端・最果ての町と云う事でアクセスが面倒でコンスタントに採集に来れない分、この場所で採った虫はきっと箱の中で存在感が出る(ラベル的に)だろうと言う事で今回は是非とも採って帰りたい場所だ。
虫とは関係ないけど、この素晴らしく「山田舎」なところもすごくイイ。

道の選択を誤ってしまった所為でポイント近くまで来るのに3時間半も掛かってしまった(汗)
空が白んでくると同時に探索を始めるつもりでいたがもうとっくに空は明るい。
前回時間の都合で入らずに終わった林道に入っていくことにする。



三八地域と云うのは歴史背景的な部分もあるのか、特に林業が盛んに行われているのが視覚的に良く分かる。
海浜地域は八戸を代表する漁業で成り立っているが内陸~山間部は農畜産物が中心。
田子町はニンニクだし五戸町の牛とか三戸・南部町の果物とか今では各自治体で有名産品が盛んに作られているわけだけど(都市伝説が売りの自治体もあるが・・・)、
昔は米など作物が育たないやらで農業に不自由していた土地でもあるので、
津軽方面と違ってこちらは人家近くであれば容赦なく山が切り開かれてどこもかしこも植林ばかりだ。

林道を進み期待の持てるエリアまで向かう。
どこまで行ったら植林地帯が終わるのか半ばうんざりする。

林道は所々で支線や作業道に枝分かれし、毎年新しい道が作られているためか
地図を見ても道が合ってるのか分かりにくい・・・(焦)
おまけに山の中を進むとケータイや衛星の電波も受信できなくなってきて
自分も現在地が把握できなくなってきた・・・



とりあえず、周囲がブナ帯になってきたので車を停め、
一旦様子を見るため網とリュックだけ持って歩くことに。

気温は低く時刻も朝7時頃
風も弱く周囲には朝霧がたちこめている中、林道脇の木々を全体的に見ていく。
この近辺は背丈ほどのヤナギはあまりなく、ブナ・ミズナラ・スギ以外ではヤマハンノキ・ナナカマド・ウダイカンバ等々5m以上のやや背の高い木々が目立つ。
正直言って目視でヒメオオを確認するのは非常に辛い。
歩き進んでから程無くして、1本のウダイカンバの枝にやけに目立つ黒い輪っかが沢山付いているのが目に入った。

沢山付いているこの黒いのは何だろ・・・怖いな・・・

普通にこれはヒメオオの齧り痕だと思うんだけども、
視力に自信が無い以上断定できないのがもどかしい(苦笑)
よく見ると隣に生えてる同じ程の高さのナナカマド2本にも少ないが黒い輪が付いている。

とりあえずこれらの木々はほっといて更に林道を進む。
枝分かれする林道、初めて入る上に現在位置も分からず迷いそうになるので
あまり奥まで進まず一旦車に戻ってまた進もうと、道を引き返す。





さっき見つけたカンバまで場所を戻ってきた。

木を見上げながら、
「どっちにしろ居てもこの目じゃ見えねぇよなァ・・・」と、持ってる網を見て固まる(笑)

結局、網とリュックを地面に置いてキッキングするしかなかった。
ササや細枝に掴まり斜面に入り、カンバの幹に衝撃を加えてみた。

僅かに木が揺れ、



                    バチ
                                           バチ

           バチ

                            バチ


と葉っぱではない何か「モノ」が落ちてきた音が所々で鳴った。

いくつか地点も確認できたので急いで確認に行くと・・・













居た!!!! クワガタ!!!
ヒメだ!!!!


ジッと音のしたあたりを漠然と周辺視して、動いたところをすかさず探ってヒメオオを3頭まで採集できた。流石にこの方法で落とした個体を全部見つけるのは無理だったが、3頭も採れれば個人的にはよく出来た方だな。

やはりこの枝に付いている無数の黒い輪っかはヒメオオの齧り痕だったわけだ。
周りはずっと似たような樹種・景色なのに居る場所ピンポイントだな・・・


一旦ケースに収めて、ケータイを取りに車まで戻る。

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♂が1頭と♀が2頭。
♂はかなり小さいが念願の田子産ヒメオオだ。嬉しくないハズが無い!!



続けて車を停めた林道の曲がり角から始まる植林の作業道に入ってみる。

当たり前だが右も左も奥までずっとスギだらけだ。

それでも何故作業道に入るのかと云うと。
こういう植林地帯の奥は言わずもがな人の手が入っていないわけで、植林場所の縁まで来れば広葉樹の原生林に付き当たってクワガタの生息エリアに直面する。
年数を経るとこうした植林地帯と原生林の間の空間にヤナギなどの雑木が生えだしてヒメオオの集中して集まるポイントが出来上がる事がある。
こういう場所が在るかも知れないから作業道に入ってみたのだが・・・

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枝打ちされて、作業道は弓状のスギ枝絨毯状態。
こういうところってホントに車じゃ無理だな。

やっぱり予感的中。
場所が新しい所為かヒメオオを探せる場所も木もねェ(疲)
林道を引き返す。

引き返す途中、残された道脇の木に齧り痕を発見。
試しに蹴ってみるも葉っぱしか落ちてこない。
時期が早いのだろうか?
それとも植林の影響でヒメオオは付近から消えてかけているのか?

車に戻って先へ進む。
時間帯がまだ早く8時前だし、気温も16℃ほどで寒いので、
陽が昇って暖かくなってくれば登りだす個体も居るだろうと言う事で最初の居るカンバを通り過ぎ道の先へ進む。


段々と道も悪くなる。

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このようなクラックの入った林道ももう今月で何度目だろう・・・?
特に今月は車にとって非常に厳しい林道へ集中して突入したので、
この程度↑↑ではもはや悪路でも何でもなくなってきた感じがする(嘲笑)



車に乗ったまま流すと見過ごす危険があるので、
停まっては歩いて確認→停まっては歩いて確認・・・を繰り返し
また齧り痕が付いている木を発見。

枝を見ながら齧り痕を探していると、今度は本体も発見!!
ナナカマドだ、流石は田子町(笑)
↑↑ナナカマドは田子町において町の木に指定されている

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Q.どこにいるでしょうか?




今度は網を使って丁寧(?)に採集。目視出来た以外が居るかもしれないので最後に蹴ってみたが反応が無いのでこれで終わりのようだ。

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またしても全部ヒメオオ!!! ♂2頭♀1頭の計3頭だったがやはり♂は小さい。

・・・う~・・・どうもインパクトに・・・



その後も林道を進み、ある程度進んだところで引き返さざるを得なくなりUターン。

往復して所々に齧り痕を発見できたものの採れたのはこの2ヶ所のみ。
引き返す途中、支線が延びていたのでそちらに進入する。

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見事にケの悪い景色。
田子や新郷だとまだ全然マシなのだが、それ以外で三八地域の林道に入ると植林のえげつない場所の割合が非常に高い。
勿論、南部の山を隈なく調べたワケじゃないが、林道の入り口から突き当たりまでしっかり植林されている割合が県内の他の地域より高い。

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作業道に沢まで流れている。
このさらに奥へと行ってみたが、ジグザグと折れて道別れしながら続くフカフカの坂道は歩くのが辛い。
結局また徒労に終わり道を引き返す。
そして道に迷う(笑)

ただ、笑えないのが
この時重機の通っただけの軟らかい土の急な坂を上り下りしている途中、
右ひざを痛めてしまったことだ。
歩きに適さない場所ばかり突入した事と、安物の長靴に穴を開けないように気を使って変に歩いてしまったのが原因だろう。

林道へ戻りまた元の道を走る。


曇ってる所為で全く気温は上がってないが、他の林道を探す時間帯の都合を考えると同じ場所にとどまってはいられないので、最初にヒメオオが採れたカンバにさよならのキックをしていくことにした。
今の時点で大きい♂が1頭も採れていないので、
数は諦めるがせめて5cm台が1頭でも落ちてきてほしい・・・(汗)


やはり上を見ても何も虫が見えない。
斜面に入って木に振動を与えても何も音がしない。

仕方が無いので本命のカンバを諦め、隣にあるナナカマドを揺らしてみることにした。
こっちはまだ手を付けていなかったな・・・

細いので簡単に木が揺れた、と同時に林道の方にバチッと何か大きそうな粒が落ちたのが確認できた。
見失う前に急いで藪から飛び出て、落ち葉の下に隠れようとする奴さんを捕獲!!!



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やった!!!!! デカイ!!!!!



ノギスを当ててみると、ボーダーの50mm!!!・・・


・・・には惜しくも及ばず49.5mmほどではあったが、
とりあえず大型の個体も採れたのでなんとかほっとできた。


車に戻り林道を戻る。
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途中、向こうの山が見えたので参考に写真を撮ってみた。

お分かりいただけると思う・・・
山一面皆トゲトゲしている。・・・怖いよぉ・・・




林道を戻り、手前まで戻ってきて本線から外れた支線へ突入する。
またもや道を横切るように沢が流れている。
なんとか行けそうなのでそのまま突っ切ってみた。
バンパーをゴリッと擦りながら渡って先へ進んでみる。

程無くして車を停め、歩きで探すため車を降りる。
泥っぽい道をビチャビチャと音を立てて歩き進む。

スギにはもううんざりしてはいたが、珍しくだんだん広葉樹が多く見られるようになってきた。
おや・・・? もしかしてここアタリかも・・・!

次第に植林も消えていき、それと引き換えに道脇の木々にあの黒い齧り痕が見える枝が散見できるようになってきた。
ここも居るな・・・?

そう思ってまた目視&キッキングでヒメオオを落としにかかることにした。
齧り痕の付いた木を見つけては蹴り見つけては蹴りを繰り返す。








・・・・・・何も落ちてこない。


落ちてくるのは葉っぱか脆い小枝だけ。
今の時期でこの時間帯でこの気温でこの天候で・・・・・・
さっきのでも確認した通り、蹴って落ちてこないような日ではないはず。

奥へ進むとその齧り痕がある木の数が増えてくるのだが、
ヒメオオが全く落ちてこないのはさっきから全く変わらない・・・

この齧り痕が全て昔のもので今年はもうここらには居ないのか・・・?
それともここだけ時期的にまだ遅い・・・?


そんな自然要因を考えてみたが、さっきからずっと、
目の前にすごく気になるモノがあるので多分・・・自然的なものじゃないのだろう・・・

相変わらず齧り痕の付いた木々は進む度に見つかるのだが
一向にケースを開ける場面はない。



足もミリミリと痛み、歩くのもストレスに感じていた最中、
遂に林道の終点に到着した。
場所が広くなって車が転回できるようになっている。

ヒメオオのポイントらしく、ヤナギの灌木が生えているので見に行ってみる。



しかしここで、今までヒメオオが全く採れなかった原因をほとんど確信した。







誰かここにヒメオオを採りに入ってきてるぞ!!!!

しかも限りなく最近!!!!!



ヤナギの周囲の下草が明らかに人間によって倒されていた。
勿論ヤナギからは何も反応が無い。

そして、さっきから歩いてて気になっていたモノと云うのは、
お分かりだと思うが車のタイヤ痕

泥でビチャビチャな林道にもかかわらずタイヤ痕はきれいに残っている。
巻き込んで踏まれた細枝がそのまま残っているところや、痕の上に葉っぱやゴミがほとんど落ちていない事を考えても、明らかに一昨日か昨日には来てる、さらに言えばさっき自分が林道の奥の方に行ってる間にすれ違いで来ていたかもしれない!

山菜やキノコ採りの線も考えられるが、ヒメオオではないとも断言できない。
山菜・キノコ目的と考えてもさっきから車の気配もない。
日曜の朝なら普通は少数でもちょっとずつ出入りがあるはずなのに・・・

なにより、さっき自分が採りに歩いていた木々で採れた個体のサイズや数を考えるとさらに納得できる。

所々にあった齧り痕の数の割りに採れた場所が少ない事、
♀はともかく♂がほとんど極端に小さかった事。
場所的に、生息ギリギリの環境ではないと思うので
明らかにあれは選別で捨てられた個体であると考えられる。

タイミング悪りぃ~~~(悲)

下北や津軽の人間からすると確かに遠い町ではあるが
八戸近辺の人間からすると通いやすい場所ではあるから、地理的に考えても誰の目にもとまらないなんてことはあり得ないワケではあるけど・・・
下手したら採っていったのは知り合いかも知れないな(苦笑)


土産は採れたのでこれで林道を後にした。






さて、土産は採れたので、
別のポイントに向かう前に別の土産の為に町の中心部へ向かう。


〉〉 後半へつづく


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