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激走!! 霧と汗の0泊2日採集 [日昆 採集記 【2015年】]

月も後半に入り(焦)学校などは夏休みに入るシーズンになりましたね(焦)
気温の高い日が多くなり、段々とライト採集でも成果が出るようになってきました。
持ち運びも楽々なので、一般によく知られる灯火のポイントに限らず
誰も行かないような微妙なポイントにまで足を運ぶ事も多くなりました。

そんな中先日、思い入れと憧れの強い県内某所へポイント開拓に重きを置いた採集へ行ってきたので、その全容を記事として残そうと思います。
こうやって記事を書いてる間にも、山では大物達が空を舞っているんだろうなぁ・・・



  19日(日)

日の夜からこの日の採集の準備に奔走し、
必要な道具や食料を用意していた。

翌日20日も祝日で休みの為、泊まりがけでライトトラップに挑もうと云う予定だ。
泊まりがけとはいっても、金なしの自分は宿は取らず車中泊だ。
何年か前からこっちのエリアに来るときは泊まりがけで来ることもあったが、
今回からはライトがある。
クワガタ採集で樹液採集や外灯回り採集しかできず、大した成果もなくボロボロで帰ってきたこれまでとは違うはず。
(※前もって説明しておきますが、県内の話です)


準備品や服装の説明をすると、

服装については基本の恰好はつなぎ
採集時は作業グローブをはめ、川を渡ることも想定しウェーダーも積んだ。
長靴はまともに使えるものが無いので積まなかったが、その代りにウェーダーで水場はしのぐ算段だ。山歩き用のトレッキングシューズは以前の物がボロボロになってしまったので前日に急遽新品の物を調達した。通常の移動や運転で後々楽だということで、便所サンダルを履いた。

車には、ライト機材などの採集道具は勿論、食料や土木用品も積み込む。
ライト機材はHIDライトを2灯、バッテリーは1灯につき3つで合計6つ。三脚も2本。
手持ちのライトはよく使っている小型3本、替えの電池もフル充電で全てリュックへ詰め込み、その他毎度の採集道具であるノギス温度計かき出し棒ストックケースタッパー7m竿網100円の竹竿網その他色々。ただ、クマよけの鈴が昔からねぶた祭り用のやつのまま変わってないあたりが自分でもふざけているなと思う。
林道を車で走っていて倒木などがあった時や泥にはまった時などの為に、スコップ脱出器も積む。
食料は、自分の中では定番の食パンひとくちサラミ
全くもって山籠りの食料として理に適ったものではないのが恥ずかしいところだが、毎度毎度だいたいこの組み合わせで来ている。他にはエナジードリンクゼリー飲料スポーツドリンク2リットル、あとは飲用じゃなく洗面用だが、水道水も2リットルペットボトルに用意。
この後1日目の採集品を生かしたまま保管するためにクーラーボックスの容量も余裕を持たせておく。
その他、汗拭きタオル歯ブラシ絆創膏カット綿医療テープ包帯トイレットペーパーアルコールタオルなどの衛生・救急用品の他、防虫ハットけん引ロープ、ライト撤退用のホウキ、着替え用の靴下下着も1日分用意。地図も勿論忘れずに。目覚まし時計も。
ケータイのバッテリーも、充電の効率や万一の場合を考え充電済みの物を2個用意。



車に全て積み込み、忘れ物の心配をしながら午前2時単身現地へ出発した。


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ろそろ目的の市町村だと云う所まで来ると、
かつて台風11号だった温帯低気圧の影響でガスがかかってきた。
大した雨も降ってないが路面もビショビショに光っている。

今回の採集日程で運悪く台風(温帯低気圧)とぶつかってしまったのが
現時点では一番の不満だ。今回大丈夫なんだろうか・・・


CA3I0724.JPG
車を停めて道中山の方にケータイのカメラを向けてみた。
相変わらずガラケーの写真だと再現度が悪いが、遠くの山にガスがかかっているのは判る。
実際目で見るともう少し白い。


出発から2時間半が経過した午前4時半ごろ
ここからは大通りから逸れて本格的に山の方へ向かっていく。

舗装路も終了し、未舗装の砂利道に入る。
前々から地図上で見ていて「楽しそうな林道だな」と入ってみるのを楽しみにしていた林道がここにある。
入り口までは来たことはあったがその時は時間の都合で入るのを見送ったのだが、今回は時間はたっぷりある。
期待と不安が入り混じる中、林道へ侵入した。


道は悪くない、きちんと地肌も出ていて進みやすい。

ところが、林道に入ってそう深くも進んでしまわない内に進めなくなった。



CA3I0733.JPG
林道が崩れている。
かつて道だったそこは、大きなスプーンで無造作にすくい取られたように無くなっていた。



終わった・・・


本来ならここから長い林道が続き、今回はそこ(もしくはその先)に用があったため、
これから覚悟を決めてさぁ突入だ!!・・・と意気込んでいる矢先にこんな光景を見せられて割と本気で絶望した。


しかし、時間はまだある。朝の5時前だ。
目的の場所がどうなっているかはこの目で見ることが出来ないにせよ、
その手前までは様子を見てみたいと思い軽い様子見のつもりで徒歩で崩落場所の先に進んでみることにした。
軽い様子見のつもりなので、網は勿論リュックなどの道具は一切持たず、
便所サンダルから買ったばかりのトレッキングシューズに履き替えただけの恰好で林道の奥へ向かった。
昨夜までの天候もあって地面はゲチョゲチョである。

崩落した崖部分に足を乗せると、フワッと脆く崩れて3m下の川原に流れていく。
・・・・・・うわぁぁぁ~~シャレにならん(汗)

そこから先に進んでいくと、地盤の関係からだろう、大きな石が途中途中でゴロゴロと道端に寝ている。
どっちにしろ車で通過できる場所じゃなかった・・・。


CA3I0732.JPG
さらにしばらく先に進んでいくと、だいぶ前からもう車は通らなかったからであろう、
道が雑草に埋もれるようになってきた。
いやぁ・・・地図上だとここからまだ先は長いのに、
まさか奥は廃道になっているんじゃないだろうかここは・・・。

ただ、この先歩いて辿り着ける距離内に良いライト照射ポイントが存在している可能性が高いことを考えると、「ちょっとだけ、あともうちょっとだけ」と云う誘惑に負けてしまい、なかなか戻ることが出来ない。

その先へずっと進んでいくが上の画像で分かる通り、道は草で半ば埋もれている。
そしてそれが夜露でビショビショになっているわけだ、
もう下半身はぐっしょりと濡れてしまいこれ以上進むかどうか悩むようになってきた。

・・・にしても、さっきから足首がピリピリと痛い・・・



を降りてから30分ほど歩いた頃、目をひくものを見つけた。

CA3I0726.JPG
おお・・・吊り橋だ・・・

下から鉄骨のアーチやコンクリートで橋を支える通常の橋ではなく、
上からワイヤーで木の板を吊っている、マジもんの吊り橋だ。
(別に物珍しいものじゃないんだろうけども)

林道は川に則して続いており、川の反対側は広い河原になっていてライトをかけられそうな場所になっているのが見える・・・










CA3I0725.JPG
もちろん渡った。
1枚目の橋の画像は何を隠そう渡った後の対岸から撮ったものである。



ただ、渡る前の最初に橋のたもとまで来た時に、渡るべきか躊躇した。

画像を見ると躊躇した理由がお分かりいただけるかもしれないが、




CA3I0730.JPG
この橋、風化して壮絶にボロくなっているのである。

そんでもって、川幅のせいもあって割りと長いんだこれが。


CA3I0727.JPG
下から撮ると逆光で黒く見えるだけだが、
実際は湿気や風で足場の木が全て苔まみれになっており、痩せ細り折れたり崩れたり金具から外れたりしている箇所が多いのだ。
特に橋の始点と終点付近は草木に圧迫されている所為か、異常に損壊が酷い。
(対岸に辿り着いた時点ではあったが、一度足場の木を踏み抜いた時はマジでビビった)
ほんとにもう昔のリポビタンDのCMインディ・ジョーンズにでも出てくるような
男心をくすぐる楽しい吊り橋なのである。

ただ言わずもがな、流石に落ちたら危険だ。
大きな川と川原が5~6m下にあるわけだが、
死ぬ高さとは言えないが、強靭な足腰を持っているわけでもなければ五点着地転回法を身に付けているワケでもないので川原に落ちても大なり小なり怪我してしまい今回の採集の支障になるし
川にドボンしたら・・・あたしゃ泳げないのでその場合は溺死。
(助かっても体力は大きく削られる・・・)


まともに足場の木材に体重をかけると100%どこかで踏み抜くので、
常に脇のワイヤーに体重をかけ腕の力を下手に抜けない。
こんなことならSASUKEの特訓をしておけばよかった・・・!!



CA3I0731.JPG
橋の途中から周りの環境を撮ってみる。
俺の持ってるライトではこの場所じゃ役立たずで終わる気もする。


対岸まで渡りきり1stステージをクリアした後は、
鬱蒼と茂る草木をかき分けて川原に出る。

う~~~~~ん・・・・・・・・・・・。

手前のヤナギがちょっと邪魔だな・・・



CA3I0728.JPG
川を挟んだ林道側を照らすのも良いかもしれないなぁ・・・
(↑↑画像右側が吊り橋)

しかし、今は手ぶらで来たからまだましだったものの、
これを機材を背負って渡るのはまたちょっと難易度が上がるぞ・・・(汗)

まぁ、また今度かな。



自分の道具できちんと照らせて丁度良い採集が出来る場所と云うのは地域柄意外と限られているので、リスクだけなら一級品なこの場所でも、自分の中では割りと真面目に候補として考えている。

それを考えると、
「また今度かな」と考えたものの早々にこの場所に決めた方が、場所が見つけられないリスクは回避できるのだが、今晩のライト照射場所にしようか迷ったまま再び橋を戻り来た道を戻ることにした。
迷う理由は主に、
山の上の方がうっすらガスがかかっていて夜の状況がもっと悪くなるのではという不安と、
ここでやると少なくとも、帰る時には「真っ暗な中」「道具を持って」「ボロい吊り橋を」渡らなければならない危険と、
他の候補地でここより良い場所があるかもしれないという期待の3つである。


橋から戻りそこそこ精神的な負担を受けたこともあって冷静になり、
「これ以上進むと、道具を持って往復するのは距離的にめんどくさいぞ・・・」
と判断し林道を引き返すことにした。



時刻はそろそろ朝7時と云うところで、車まで戻ってきた。


戻ってきてとりあえず一安心したということで、サンダルに履き替えるため
さっきから痛みを感じていた足をトレッキングシューズから抜いた。

すると・・・
案の定、靴擦れを起こしており左足首から血が滲んでいた。

流石昨日買ったばかりの新品! 靴が全然こなれてねェ。
足首まで覆うトレッキングシューズの特徴を全然考慮してなかったため、
履いてきた靴下もまさかのショートソックス。間抜けすぎる。
このままでは痛くてしょうがないので、カット綿を患部に当てて医療テープでぐるぐる巻きにして応急処置をする事に。


靴は勿論靴下もグショグショになってしまったので、
1足しか持ってきてなかったスペアの靴下に早々に履き替え、両腕と腰から下が全部濡れてしまったので運転席にはタオルを敷いておくことに。
まさか初っ端で足を濡らすとは思わなかったな・・・


林道を少々戻り、駐車スペースがあるところまで戻ってくると
昨晩からずっと寝てなかったのもあってここで仮眠をとることにした。
午前7時、デフォルトで設定していた目覚まし時計のアラームを切る。





意識がそろそろ遠のく頃、雨音が車の外から聞こえた。




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ごろに一度目が覚めたが、起きたのは午後4時半前。夕方だった。
そろそろ移動して明るいうちに他のポイントの確認もしておかないとと思い、
林道を後にした。

地図を見ながら次の目的地へ向かう。
海沿いに出てみると、海も白くなり遠くが見えない。
「海霧か」

昼間のような抜けた明るさが無くなってはいるが、
出発から30分ほどで目的のエリアに到着した。

朝に下見した危険なポイントも考えたが、
こっちまで来てしまったのもあるしとりあえずこのエリアのどこかでライトをかけることで心の中は決まりつつあった。
一応、肉眼で樹種が判別できる時間帯までは徒歩でライトをかける新規ポイントを探していたが、収穫を得られないまま薄暗くなってしまった。

日中におそらくそこそこの降水があった上に、一日中ずっと空が厚い雲に覆われている事もあって周りが非常に密度の高いミスト(霧)に包まれている。
霧に包まれた森の中は、何度来てみても本当に幻想的だと感動する。


やっぱりこうなったか・・・
朝の時点から危惧してはいたが(というか正直なところ出発以前から)、状況は全然よくない!

ある程度の標高ではどこもミストに包まれているため明らかにライトに不向きだ。
標高が低い場所ですらガスがかかるくらいの日であるため、場所はもうほとんど選べない。

1ヶ所だけ、幸いなことに自分の低出力のライトでも通用して
尚且つ標高があまりなくガスも薄いポイントがあったためそこで仕掛けることにした。


ある程度機材を組み立て、
数十分待機し空まで暗くなった午後8時丁度

CA3I0734.JPG
いよいよ1晩目の採集を開始!!!


日中から通して気温の上がらない日ではあるが幸いクワガタが飛ぶには問題ない。


CA3I0735.JPG
点灯開始して約10分経った頃、今日初のクワガタ飛来!
ノコギリの♂だ。初っ端に良いものが来たのはいいねェ~~(嬉)
サイズを測ってみると59mmほど。う、う~ん・・・


CA3I0736.JPG
そしてそれから20分後、既にノコギリ・ミヤマ・アカアシが来る中
初のコクワが飛来!期待は大きくなるばかり。


このポイントでライトをかけるのは初めてなため、ライトの向ける方向を色々と試してみる。
ミヤマの♂もちょいちょい飛来してくる。
サイズもなかなかいいのが飛んできたので撮ろうとするけど、歩き回って全然撮らせてくれなかった(汗)

憎きヘビトンボを退治しながら、ポツリポツリと飛んでくるクワガタをストックケースに丁寧にしまっていく。


CA3I0738.JPG
黒光りする甲虫を視界の端にとらえ期待して近寄るとクロシデムシ
ダニすげェー。


まだ開始からそんな長い時間経っていないにも関わらず、
クワガタの飛来するペースが若干衰え始めてきた。
これからがイイところなんだが・・・と焦る中、点灯開始から1時間後
地面にペシャッと大きな激突音がした。


大物を期待して向けたライトの先に浮かび上がったのは・・・





CA3I0739.JPG
カブトムシだった。
ある意味大物だったな・・・と言うか、すっかりカブトムシの存在忘れてたよ(苦笑)


なんとなく肌寒く感じる、
最初は無かった風も弱く吹くようになり、まだ高い位置にしかなかったガスも下まで降りてくるようになってきた。
風向きが悪い・・・この場所は360°広葉樹というわけではなく、自分の機材で照らせるのは全方位の4分の1くらいしかない。
流れるミストも目で見えるほどにまで状況は悪化し、照らした方向の虫も粗方飛ばし終えたようである。



CA3I0740.JPG
時刻は夜9時半、中型ミヤマ♂が落ちてきたがだいぶ久しく感じる。
このころにはもう既に終了ムードが漂っていた。

位置を替えたり戻したり悪あがきするが一向にクワガタは来なく、
点灯から2時間を待たずに午後10時前ライトの電源を切った。



CA3I0741.JPG
CA3I0742.JPG

    結果
           26頭

内訳は大半がミヤマノコギリ
アカアシコクワは♀が1頭ずつだった。


土産にする個体をわずかに残し他はリリース。
CA3I0772.JPG
今日一番の大物はミヤマの♂(帰宅後撮影)、なかなか大きく見えたが測ってみると
67mmに届かずおよそ66.8mmほど。
悪くはないが欲を言えば68mmほど来てくれたら素直に嬉しいのだが・・・

撤収の時点でやはり気温・視界・風などまぁまぁ状況は悪くなっていた。
ただし、2日目の分までバッテリーは温存できたし早めに切り上げて正解だったかな。
初日にほとんど使い切ってしまうと云うやりがちなミスを犯さず済んだ(笑)



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撤収後、もう一度エリア内の別の場所でポイント探索を行った。
実は出発前から風邪をひいており、それに加えて口内炎も出来ていて色々と体調が悪いので(←どんなタイミングで説明してるんだ)薄ら寒くなってきている今夜の間はさっさと風邪薬とビタミン剤を飲んで休んでいた方がいいのだが、
夕方起きの所為か寝る気にもなれず、車を降りエリア内を探索することに。
徒歩でしか行けないライト照射ポイントを確かめに行ったり、自販機や外灯を回ってみる。

とは言えやはり霧は濃い。ある程度外灯回りをし終えて他の作業は無意味(だってまるで見えないんだ)と悟り、
車に乗り込みそのエリア一帯を出ることにした。



〉〉 20日(月) 【2日目】


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