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長年、記事編集のブラウザにInternet Explorerを使用していたことで気付きませんでしたが
Google Chromeなど一部のブラウザで画像が回転して表示されております。
時間を見つけて修正しています。お見苦しい記事も少なくない点、予めご了承ください…

ふりだしに戻る その3 [ドルサリスノコギリ (ヒロミ亜種)]

今年もあと1ヶ月を切ってしまいました。

近況ですが、いつもながら後手後手に回った飼育作業や標本作業をスローペースでこなしていきながら次々に新たな作業が溜まっていっているところです。
また、先月下旬には「今年最後」の採集へ行ってきました。山道が冬季閉鎖する直前にツヤハダクワガタ(初記録)狙いで下北半島の奥地へ行ったのですが、辛うじてキタカブリルリクワガタを当てただけでした。
KIMG7110.JPGKIMG7115.JPG
両者とも県産としては持っている人もほとんどいないエリア。ツヤハダは数年採っていないので、これらの虫を採っても到底満足できなかったのですが、他の作業が溜まっている手前これを採集納めとする事にしました。例年、「まだ山に行きたい・・・」と思いながら年越しして気持ちもブレブレになって結局なにも捗らない状態でしたが、「これで一旦終わり!」と決めた途端、すっきりと気分が晴れましたね。(これは普通、小中学生の時に養うスキルなんですが)





さて、今年中に書かなくてはならない虫のカテゴリがいくつもあってパンク状態なのですが、今回は久し振りのドルサリスノコギリ(ヒロミ亜種)です。

1年半も前に記事を書いて以来、ずっと放置していた本種。
記事の末筆で、
幼虫が採れたペレン島産が続々死亡
タリアブ島産は幼虫が採れずに終了
と、メチャメチャ不穏な終わり方をしたのですが、今回はその続きから書いていきます。





結局、ペレン島産WF1は15頭程度の個体が採れていたのですが、マットで飼育していた個体は♂も♀も全て前蛹までの段階で全滅!
飼育容器は主に800ccと1400ccのクリアボトル。前蛹は蛹に脱皮する事無く黒化して腐敗、蛹室を作る前に死亡するものもいました。銘柄も記録しているのですが、変な風評が及んでもいけないので伏せておきます。

そんなカオスな状況において、忘れ去られたようにカワラ菌床で放置されていた2♀♀が運良く羽化してきてくれました。

KIMG4491.JPG
羽化してくれたのは、初回割り出しで3令になっていた個体。もっと小さい幼虫をイメージしていたのか、投入時に「♂3令」なんてメモしていました。割り出し直後は一度プリカで管理し、添加して詰め替えた800ccクリアボトルへ間もなく交換してそのまま5月中には羽化・・・と云う流れで、両者とも体長は36~37mm。本種のBE-KUWA♀レコードが38.3mmなので、それなりにうまく育ってくれたようです。


ここからが永かったです。

せっかく羽化してくれたドルサリス・ヒロミイ。惜しくも♂の姿が拝めなかった点、それまでにかかった金額(悪い言い方)や、その他諸々の感情論が渦巻いて、「このまま終わってなるものか!!!」と後続のWILD便や他の飼育者の飼育♂個体出品をひたすら待つ事にしました。
WILD入荷時、自分が購入した個体以外にも3~4ペアほどいたので、他に購入している人が上手くブリード出来ていればWF1個体がヤフオクかどこかに出品されるはずだと思ったのです。


しかし、待てど暮らせど一向にWF1の出品は出てきません。
(勿論オークションでアラート設定しています)
ドルサリスの名前で新着出品が引っかかる都度確認しますが、どれもフィリピン産(原名亜種)か、タリアブ島産ばかり・・・

特に、タリアブ島産に関してはWILDが一挙に多数入荷した事もあって全国的に飼育品が出回り、『ドルサリスと言えばタリアブ島』と言えるくらい現在ではメジャーな流通産地となっています。国内屈指のノコ系ブリーダーの間でブリード体制が整えられ、BE-KUWAレコードも大幅に更新されました。
2022年より前なんて、飼育屋の間では『ドルサリス=小粒なフィリピン産』なんて認識だったでしょうし、ヒロミ亜種の飼育レコードも相当古かったです。国内のドルサリスノコギリ飼育史は【タリアブ産入荷以前 or 以後】で切り分けられると言っても過言じゃないでしょう。
そんなワケで、「タリアブ万歳!!!」のムーブメントの中、ペレン島産は「そんなの居たっけ?」と言われそうなほど存在感がありません。

その苦しい状況が続く中、いつかオマエ達に同郷の♂を連れてきてやるからな!と締めもせず黙々とゼリーを与え続けていました。
驚くべきことに、本種の寿命は結構長かったです。一冬を越し、羽化から1年が経っても胕節の麻痺も無く動きもシャキシャキのまま。本種のWILDが入荷する冬場が過ぎたところでブリード断念を悟ったワケですが、小さいながらもモリモリとゼリーを平らげるこの2頭を眺めていると、それだけで癒されたものです。

そして今年10月、2頭の♀は約1年4ヶ月の羽化後寿命を全うしました。
KIMG7149.JPG

〉〉その1ヶ月後・・・


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プロジェクト・・・ ブ・・・ [メタリフェルホソアカ (フィナエ亜種)]

青森では昨日、遂に平地にも雪が降ってきてしまいました。
最後に採集に行ったのももう1ヶ月ほど前になりますが、あと1回くらいは山に行きたいところです。

さて、去年の暮れに書いたペレメタですが、
ひとまず現時点で一区切り付きましたので、WF1の結果発表として記事をまとめていこうかと思います。
前回の記事では “色々” と欲張った事を書いてましたが、その後はいかに・・・




*目次(前回からの続きです)

4.WF1羽化報告

5.次世代ブリードの方向

6.F2割り出し





4.WF1羽化報告
去年11月に割り出した2系統の幼虫は、その後同じ温室内にまとめて管理していました。
最初小さなカップに入れていた幼虫については、既に手遅れになるほど育ってしまったものの正月期間にエサ交換を行ない、その後は無交換で羽化まで管理しました。

KIMG5674.JPG
♀個体は皆、3月から4月の間に羽化して、♂個体ではこの写真の個体が他に先駆けて蛹化しました。マットが合わなかったのか地上蛹化してしまった個体だったので、久し振りに人工蛹室を作って羽化してもらいました。羽化の瞬間には立ち会えなかったですが、この2枚を並べて見ると、昆虫飼育の本懐ってこうした変態過程を観察する事に在るんだよなぁと思い出させてくれます。

夏になり、♂も羽化個体が大体出揃いました。
全頭ではないですが、その羽化結果を以下に載せていきます。


【産地】ペレン島
【累代】WF1 (親はWILD2系統 AB
【使用マット】割り出し時:荒目/微粒子混交、添加有り
       交換時:LBマット(きのこの山 製)

P7230072.JPGP7230068.JPGP7230084.JPGP7230088.JPGP7230075.JPGP7230070.JPGP7230077.JPGP7230082.JPGP7230079.JPGP7230086.JPG

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記事冒頭の人工蛹室羽化写真の個体が、このB-1です↑↑。
P8030109.JPGP8030111.JPG

以上、計13個体を挙げました。

前回の記事にて、割り出した時はほぼ同数くらいの幼虫が採れていましたが、結果的にちょっとAとBの比率が偏っています。
Bの♂が少ないのは、♀に偏ったワケではなく死亡個体が多かった事に依ります。
上記が全ての羽化♂個体ではありませんが、データを見るとほとんどが1回の交換を経ています。(前回記事の)割り出し時の仕分け写真を見ると、Aは大多数を小さなカップに入れたためその後の交換を余儀なくされているのに対し、Bは最初から大きな容器に入れてあり「一本がえし」が出来る状態にありました。
結果的に、Bはマット無交換で蛹室を作った後に前蛹や蛹で死亡した個体が多く、原因としては
1.ブレンドしたマットにさらに添加剤も加えた事で悪影響が出た
2.Bの系統が体質的に弱かった
のどちらかと考えられました。
その証左と云うワケではないですが、最初に蛹化した♂も無交換のBでしたし(しかもマット上で)

P8030113.JPG
ただし反面、サイズはBの方が優秀でした。
A♂最大・・・84.5mm(A-10)
B♂最大・・・88.5mm(B-3)
Bの88mm2頭に関しては、最大のB-3こそ1400ccボトル羽化ですが、2番手のB-2は800ccで羽化しています。また、大腮もよく観察してみると、最大内歯から先半分の伸び・肉付きもAよりBの個体群の方が全体的に良く見えます。Aのアゴ先はBに比べて、伸び方に余裕が無さそうに見えます。
ちなみに、これ以前の自己最大記録86mmだったので、少しですが更新できました。
 【これ以前の自己最大記録】
   ⇒ 2010-12-30 『WILDを待ちながら…』
ただ、今の時代では90mmオーバーもしっかり羽化させている飼育者も多くいるので自慢にはなりませんな。

P8030125.JPG
※話と関係無いですが、TG-6で真正面から深度合成して撮ってみました。うわぁぁエイリアン!

ちなみにちなみに、WILD親では、腿節黄紋ブルーの♂個体を追い掛けした(はず)ですが、勿論何も発現していませんよ!


次に♀の方ですが、♂のように写真とデータを残しておくつもりだったんですがすっかり失念していました。
データは無いものの♀飼育もちょっとしたしくじりを犯していて、羽化ズレを警戒して♂との温度差を作ろうと縦長の温室の一番下(つまり一番低温になる場所)に多くの♀幼虫を配置していたのですが、温度帯が低すぎたのか(はたまたマットか)羽化出来ず多数の死亡個体を出してしまいました。
その中で運良く羽化出来た個体も、ホソアカのくせに変な休眠癖がついてしまうと云う厄介な状況に陥るものが出てきてその後の管理に支障が出ました。
サイズとしては、次世代を採る事を考え大きめの容量で飼育した事もあり28~29mmクラスが多数出てきてくれました。野外品は、通常22~25mm程度のものばかりで小さいので、大きさに拘る点で言えば成功と言えます。ネットで調べる限りでは30mmオーバーも出たりするようですが、自身の経験上こうしてしっかり♀を大きくした事は無かったのでこれでも満足です。



5.次世代ブリードの方向
さて、こうしてWF1が出揃った状態ですが、ここからがブリード本番。
前記事で掲げた「色彩固定」「特大♂羽化」の目標に取り組むための準備段階がこのWF1。ここから個体選別をして理想個体の追求をスタートします。

・・・いや、する「はず」だったんですけどねぇ。

先に書いた通り、割り出した個体のうち羽化できた個体はあまり多くなく、生育不全や休眠バグ(寝たきりみたいな♀個体)を生じた個体も少なからずいました。

おまけに、ブリード上気になるダニの存在も強大でした。
前回の記事でも少し触れましたが、割り出した幼虫の多数にコナダニ?のようなしつこいダニが密集して付着していて、羽化して以降もそのまま居付いていて、ダニが付いていない成虫の方が少ない状況でした。

そんな状態でしたから、特に♀個体については選択肢が少なすぎました。
新成虫の色味もほとんど個体差は見られなかったので、ひとまず今期は「色彩」については目を瞑る事にしました。
幸い、♂最大個体B-3はダニも付いておらず奇形にもなっていないので、同時期に活動していた29mm♀とペアリングさせる事にしました。大型化飼育には充分な親ですね。
KIMG6570.JPG
♂B-3の管理容器(1400ccクリアボトル)でペアリングさせ、セットへ移しました。

〔セット内容〕
【セット日】9月5日
【容器】Beケース 中
【マット】FARM'S製 微粒子添加マット 3リットルほど
【産卵木】なし
【ゼリー】なし ※♀親が直ぐに潜っていった為



6.F2割り出し
セット後、1ヶ月以上経ってもケース側面には幼虫はおろか卵も見当たりません。
正直、マットが合わなかったか?と焦りましたが、10月も下旬に入って漸くケース側面に僅かに幼虫が見えてきました。この時期にはもう他の♀個体もヨタヨタだったので、これで失敗すると累代終了になるところでした。

今年、BE-KUWAレコードで掲載されていたメタリフェルの飼育記事に倣い、今回は割り出し作業をする2週間前10月25日にカップへマットを詰めておき管理環境に馴染ませておくことにしました。
KIMG7008.JPG
さらに一工夫。前回、カップで飼育し続けた個体の死亡率が高かった事を踏まえ、通気を確保する為にカップの蓋中央に15mm四方の穴をあけてメッシュシールを貼りました。
面倒ですが、手持ちの空き容器と温室のスペースに余裕が無い事情があり、カップを使わざるを得ませんでした。

マットはWF1でも一部の個体に使ったLBマットを採用。


そして迎えた割り出し当日。11月7日
KIMG7049.JPG
割り出す前のケース外観。
右が産卵ケース。そして左がペアリングをしていた1400クリアボトル。

ところでこの写真↑↑、なぜクリアボトルまで一緒に撮っているのかと云うと、

KIMG7050.JPG
なんと嬉しい誤算! 実はペアリングケース内で産卵していたみたいで、割り出しの数日前にボトル底面に幼虫が見えていたんですよね。

一時はセット失敗すら想像したものですが、その時の心境がウソの様です。






KIMG7053.JPG
 結果・・・幼虫10頭 卵2個

ちょっと・・・シブい・・・!
幼虫は、産卵ケースで8頭(全て2令)、ペアリング容器が2頭(全て3令)

産卵数が思い通りの丁度いい数にはそうそうならないものですが、できれば15頭以上採りたかったので、用意したカップも結構余ってしまいました。
卵も2個採れましたが、透けてて生きているようには見えないのでノーカン扱いになりそうです。

KIMG7057.JPG
心許ない数ですが、その分きちんと管理して更なるサイズアップを成したいですね。



以上、2023年メタリWF1飼育完結! F2へと続きます・・・!



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2023年羽化報告 セラートゥスネブトクワガタ [セラートゥスネブト]

前回、WF1の羽化まで書いたセラートゥスネブト。

サイクルの早いネブト、前回が13ヶ月前と云う事で今はもうとっくにF2世代が羽化しています。オークションなどで国内に散らばった兄弟達の中には、もう既にF3幼虫が生まれているところもあると思います。

今回は1年振りと云う事で、ざっくりと羽化報告していきます。





【産地】ハルマヘラ島
【累代】F2

親WF1の♀を2個体・およそ3セットを組み、2022年秋に多数の幼虫が生まれました。得られた幼虫は120ccカップ、200ccカップ、500ccガラスビン、800ccガラスビンを使って飼育を開始。
特に今世代は前回がほとんどカップ飼育だった点からもうちょっと大型化を意識し、♂のビン飼育頭数を増やしました。

3月には早くもカップ組が続々と羽化、4月には続々と羽脱個体が見えるようになってきました。この時の雌雄比としてはやはり♀が圧倒的多数で、僅かに♂もいましたが〔15:1〕くらいのもので、先行きに不安を覚えるほどでした。
5月に入ると遅れてカップ組の♂達も羽脱。数もちょっと増えてきたので、一部はオークションに回したりもして調整もしましたが微々たるものでほとんどは鑑賞飼育同然でした。
また、カップ飼育組の♂の一部は、エサが足りなくなりやや幼虫期間が延びてしまいました。恥ずかしながら、マットを足すまで長期間空いてしまい、しばらく陸上生活を強いてしまってました。

ビン組は数が少ないですが、カップ組が大多数羽化した後も順調に幼虫をやっていて、8月初めに掘り出した時には、羽化していたもののまだ蛹室に留まっている状態でした。

・・・以上がざっくりとした飼育経緯です。


3個体だけ気まぐれに背面写真を撮っていたので、あまり変わり映えはしませんがデータを載せておきます。

♂①
P7090050.JPG
2022年10月14日 割り出し 120ccカップへ
2023年 6月20日 羽脱確認(※羽脱当日ではない) 27mm


♂②
P7090052.JPG
2022年10月14日 割り出し 120ccカップへ
2023年 6月20日 羽脱確認 27mm


♂③
P7090054.JPG
2022年11月13日 割り出し 120ccカップへ
2023年 6月20日 羽脱確認 23mm


今世代で使ったマットは、主に
・完熟マット(月夜野きのこ園)
・Beetleマット(ダイナステスマスターズ)
だったかな・・・? 記憶がちょっと曖昧です。ただ、いずれにしても世のネブトブリーダー様方から「そこに愛はあるんか?」と叱責を受けそうな銘柄ですね・・・

その所為か、実は上記のサイズがなんと今期最大!
ビンで羽化した個体達もこれ以上になりませんでした。
KIMG6261.JPG
↑↑こんな風にキレイにど真ん中に蛹室を作ってくれたビン羽化のコイツも27mm。
幼虫期間も容量もまるで違うのに結果が一緒と云う、非常に情けない結果となっておりました。マットも、特にブレンドや添加などしていないプレーン使用でしたから、結果がパッとしなかったのは必然でしょうね。
なお、最小個体は21mmでしたが、サイズは仕方ないにしても歯型が変わっていなかったのはちょっと残念でした。小さくなればもっと形が変わると思っていましたからね。

歯型と言えば、上記の①と②の個体、見比べると微妙に大腮の湾曲具合が違います。これも累代が浅い故の面白さなのでしょうが、①の方が湾曲が弱く、対して②は湾曲が強くなっています。GIF画像でも作れば判りやすいんだろうけど、メンドクサいからもういいや。



さて、次のF3に向けて現在セットを組んでいるのですが、産卵行動は観察できているもののその後の動きが見られず難航しています。
使ったマットの問題か、マット内にカビが目立っていて、卵がかつて見えていたところもその跡が判らないくらいにカビて幼虫も見えません。

秋になり、生存個体数も残り少なくなってきた事から、思い切って一斉投入してみる事にしました。
KIMG6684.JPG
KIMG6686.JPG
♀4頭、♂3頭。これを小ケースにまとめてぶち込みました。

10月中旬時点、ほとんど産卵の動き見られず!
何かのカウントダウンが聞こえてくる・・・








そんな危ない雰囲気の漂ってきた10月16日
KIMG6989.JPG
むし社からDM便が到着しました。

察しのいい方・もう読んだ方はお分かりでしょう、
KIMG7001.JPG
BE-KUWA最新号です。
何を隠そう、今年のレコードに本種を申請した「掲載者賞品」として送られたものです。

13日(金)には送って頂けたようですが、本だけで送ってもらう場合は土日が配達休みになってしまい、到着するまでは時間が掛かります。さらに、「掲載無し」の場合は送られてきませんから、自分の虫が掲載されたか判るまでの時間が非常に長く感じます。ついでに、近年は「専門店購入や電子書籍版購入した人が正式発売日前にネタバレする」と云うトラブル(?)もあり、個人的にストレスも抱える時期でもあります。

それでも、無事に掲載されたのでホッとしました。
(ページ都合で台湾ブリーダー勢の隙間に差し込まれてたのは苦笑しましたが)


KIMG7003.JPG
掲載されたのはWF1の最大個体。F2世代ではコイツを抜いて野外最大越えする “予定” だったので、前記事では堂々と背面写真を載せてしまっていました(記事の終わりのところの写真です)。応募しづらいと思われる小型種なので、今回はひとまずの指標と云う事で全国のセラートゥス飼育者の更新を楽しみにしています。

加えて、記事とは関係ありませんが今年で2年連続更新となった奈良氏のオオクワガタ! この時代に、更新した自分の記録を自分でまた更新するってのは・・・もう、なんて言うか、・・・なんじゃそりゃ!? 違うか、適した言葉が出てきませんね。
ちなみに、一度のレコードコンテストに青森県民が2人掲載されたのは今回初めてです。(自分のは応募規定ギリギリだったけど)個人的にはココが結構嬉しいポイントでした♪♪



さて・・・、そろそろちゃんと飼育作業再開しないとな・・・



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Jump into forest!! ヒメオオ採集2023年9月総集編 [日昆 採集記 【2023年】]

脚、痛ってェ・・・!

いや、別に大きな怪我をしたとかではない。
ヒメオオクワガタ採集で少しばかり無茶をし過ぎた結果、脚が極度の筋肉痛になっているだけだ。

9月、この時期は毎年ヒメオオを探して脇見運・・・――ッではなくて山歩きに勤しむのが恒例となっている。
夏のライトトラップの延長戦を選ぶか、ヒメオオ採集にワークチェンジするかとても悩ましい時期で、ライトラをやるようになってからはヒメオオをほとんど見ずに終わる年もあった。
「いや、ライトは夜だしヒメは昼なんだから、一日で両方やれるだろ」とも思うところだが、意外とそう上手くはやれないものだ。と言うのも、ヒメオオを探しに行く場所は例外を除いて〔新規〕か〔大型個体未採集〕の産地に限っている。また、ライトトラップもこの時期になると狙い目の虫(あえて具体的には書かない)が採れるのは盛夏に比べると限られ、ヒメオオを探しに行くポイントからは離れている。これら双方のエリアがきれいに離れている為に、どちらかしか選べないワケだ。


どうでもいい話が長くなってしまったが、今回は兎にも角にもヒメオオの話である。この脚の痛みを忘れないうちに、ドーンとまとめて9月分の採集行を書きまとめておく。一気読みは体に悪いので、適度に休息を入れる事を強くおすすめする。



9月12日 黒石市
『HIMEOOの世界 その1』
実質的にこの日が今年最初のヒメオオ採集である。
自身、まだ夏のライトトラップを諦めきれないでいた時期だったが、知り合いから発生報告を受けた事で触発され、現地へ向かった。

ここのポイントを知っているのは、断言はできないがその知り合いと、YES, I AM!
その人は日昆のメンバーではなくまして虫屋でもないが、「生物に対する理解」があり、「採集圧による発生の消長」、ひいては「根こそぎ採らない事の重要性」を理解していると判断し、その他成り行きもあって自分がこの場所を教えたのである。シーズンが始まると観察に出向き、その様子を教えてもらう事もある。

勿論、言うまでもなくポイント発見時に産地コレクション分は採集済みなので、観察目的のみで現地へ向かった。見られればいいや、と云う事で特に装備も揃えてはいない。


この日は天候に恵まれ空は晴れ。
青森市を出発した頃にはウッキウキで青い空の下をドライブしていたのだが、黒石市内の山中に入ると空模様は一変。グレーの雲がにわかに広がり車のフロントガラスにポツポツと水滴が・・・

そして正にこれから、こ れ か ら、ヒメオオのポイントに入ると云うタイミングでスコールのような大雨! な! 何をするだァーーーッ! ゆるさんッ!
大雨と言っても、ザーーー・・・と云う感じではなくバヂバヂバヂッと云う方が合っているような、雨粒の一つ一つに物理的な威力を纏った感じで、車体を打ちつける音が凄まじく大きい。多少の雨ならヒメオオも平気だが、細枝が弾んでしまうような降り方だ。これではヒメオオが木から落下するのでは!? これは……夢だ この私が追い詰められてしまうなんて…… きっと…… これは「夢」なんだ……。

雨は5~10分ほどでおさまったが、さっきまで乾いていたであろう路面もグズグズになっている。長靴・・・持ってきてない。
これは「試練」だ 悪条件に打ち勝てという「試練」と オレは受け取った。採集者の成長は……未熟な過去の成功体験に打ち勝つことだとな…


ポイントには点々と「実績のある樹」が在るものの、“空き家” ばかり。


KR1kai.JPG
いたッ!見つけた!
やっと見つけた時には、既に「実績のある樹」を半数見終えていた。数日のあいだ晴天続きだっただけに、今さっきの雨が無ければどうなっていただろうと思わずにはいられない。

長靴も無い、網も無い、樹は薮の中に生えているが薮に入れる服装じゃない。
せっかく今期初を見つけたワケだし、汚れようが構わず薮に入るとするかなああ・・・とか言ったりして・・・
この樹は♂2頭・♀2頭が付いていたが諦め、採れそうな所に付いている個体が他にいないか隣のヤナギを見ると、いるではないか!
こちらは薮を漕ぐ事無く採れそうだ。

KR2.JPG
良ぉお~~~しッ!よしよしよしよしよしよしよし目線と同じ高さに1♂りっぱに採れたぞ!
一度手に取り、サイズを測ってみると52mm。意外と大きい事に驚きつつ、元の位置にゆっくり付け戻した。大抵の場合、樹の枝に戻そうとしてもポロッと落ちるものだが、雨によって身体が冷えて脚も力んでいて簡単に戻せた。54mmあったらお前を頂いてくとこだったぜ、生きのびるのよ あんたは『希望』!!

実際に手に取れたのはこの1頭だけだったが、
樹を全て見た結果、合計7頭が発見できた。
ハイシーズンでこの数はちょっと少ないと思えるが、あの雨で落ちた(下りた)個体もいたと仮定すると、ポイント自体の生息数は依然変わりなくッ!保たれているようだ。



〈〈 To be continued…


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2023年羽化報告 ニシヤマギラファノコギリクワガタのこれまで [〆ギラファノコギリ (ニシヤマ亜種)]

少し前に、また1種クワガタが絶えました。

「絶えた」と書くと、またあっさりと累代終了したのかと思われるような表現ですが、今回に関して言えば自分としてはかなり長くやれた方だと思います。


一時期は複数の亜種を同時飼育していたギラファノコギリが今回の主役です。本種の飼育上、一番の負担である飼育スペースの占有量を主な要因として徐々に規模を減らし、最終的にスラウェシのニシヤマ1ラインのみになっていました。

飼育を始めた当初、スラウェシのラベルでお馴染みの「パル‐パロロ産」ではなく「フェネマ山脈・パロロ産」として表記されていたのが物珍しかったこともあり、WILD♀を複数仕入れてセットしました。しかし、辛くも採れたのはたった1ラインだけ。
WF1では♂最大98.9mm、100mmの大台に惜しくも届かないにしても仕入れたWILD♂より大きな個体を見る事が出来ました。
(ここに改めて書きますが、実は当時この最大個体をレコードとして応募した事があります。大台に乗ってなくても踏み台扱いで後続のブリーダーが出しやすくなればと云う意味も込めてのつもりで応募したのですが、アドレスを間違えたか、サイズが雑魚過ぎたのか、返信が返って来ずこの件は立ち消えてしまいました)
しかし、WF1の結果で満足してしまった所為かモチベーションが落ちてしまい、F2以降は管理が疎かになってしまい中歯以下を多発してしまい、さらにF3からは幼虫の数の確保も満足にいかなくなり、常に累代終了の危機と隣り合わせの状態になり果てていました。

2022年にはF5幼虫が採れたもののやはり数は少なく、1頭の親♀から3♂♂2♀♀が採れたのみでした。
5頭の幼虫はその後、
①♀→羽化45mmUP ♂との羽化ズレでペアリングは不可
②♀→羽化48mmUP 同上
③♂→3令で溶けて死亡
④♂→羽化80mmUP 5リットルビンで羽化
⑤♂→羽化
・・・と云った塩梅で、毎度のように苦しめられていた♂♀の羽化ズレが遂に今回命取りになってしまいました。

さて、の♂ですが、
最後と云う事で以下に記録を残しておきます。


KIMG6668kai.JPG
【親個体】F4同腹 ♂90mm ♀48mm
2022年2月26日 割り出し 2令 恵栽園カンタケ200ccカップへ
2022年4月18日 3令初期 恵栽園カンタケ3リットルガラスビンへ
2022年9月16日 3令後期29g (BigHorn高級クワガタマット?)5リットルガラスビンへ
2023年7月   羽脱 90mm

羽化時期が記録できていませんが、これは上手くビン中央に蛹室を作った事で蛹室を視認できなかった為です。

2本目に移したところで放置してしまい、5ヶ月の期間を経て体重が30gにも届かない状態から蛹化ビンへ移した時点で、もう特大は諦めるしかありませんでした。
④の♂も5リットルビンに入れたタイミングは同じで、体重はたった25gほどでした。
菌床はマットと違って劣化具合=交換のタイミングも判りやすいだけに、それすらも怠っていた自分には羽化成績の向上など夢のような話ですね。
また、累代を重ねる中でエサの銘柄を度々変更してしまい統一できなかった部分も大型化失敗の要因でしょう。オオクワ一本で飼育するような方々を見習ってそういう点がしっかり管理できれば、また違った成果が見られたのでしょうか。

ギリギリ・・・長歯と言えるレベルの歯型をしていますが、せっかくなので拡大して見ると
KIMG6670kai.JPG
元々左右非対称の形であるギラファとは言え、常識的な範囲をちょっと超えているようなバランスの悪さです。右が発達している反面、左は短く矮小です。

KIMG6681kai.JPG
比較として、F4の親♂90mmの頭部も撮ってみました。
累代はある程度進んでいるので歯型も固定化されてきたのではと思ってましたが、意外と似ていないものですね。
図鑑やネット上で見る分には、産地的にはスラウェシ産が大腮の形状が最も安定していないように見られます(次点でフローレスか?)。逆に最も形状が安定して見えるのがジャワ産。
何度か書いてきたような気もしますが、ギラファ各亜種の中で最も「形が不細工」だなと思うのがスラウェシのニシヤマイです。上半身が細身で、大腮の鋸歯もフィリピン産のように整ってなくて最大内歯も短くて後ろ向きです。・・・かと思いきや中途半端に「なんとも言えない」特徴の個体も少なくないと云う個体差もあります。
個人的にはこのニシヤマギラファで思いっきり「変な」歯型の個体が羽化してくれないか期待したのですが、終ぞ現れる事はありませんでした。満足のいくサイズが羽化したのは結局WF1の時だけでしたが、その時でも「なんか普通。」と云う感じの個体ばかりでした。この点が今では大きな心残りです。


他にヘラクレスのようなスペースを食う虫もいる手前、一旦ギラファの飼育はお休みしますが、またニシヤマイ、もしくは何か他の亜種でもギラファ飼育をいつの日か再開したいと思います。

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